【未来投資シリーズ】なにから始める?投資の選択肢

【未来投資シリーズ】なにから始める?投資の選択肢

【未来投資シリーズ】なにから始める?投資の選択肢

投資で資産運用ができることはなんとなく知っていても、色々と種類があってなにから始めたら良いか分からない人も多いでしょう。今回は身近にある投資の選択肢にはどのようなものがあるのか、メリットや留意点とあわせて紹介していきます。

そもそも投資とは?

普段我々が使っている「投資」という言葉は、資金を投じて将来のリターンを期待することを指します。

簡単にいえば、「このお金を渡したらいつかもっと金額が増えて戻ってくるだろうな」と予測して資金を使う行為です。

ここで2点だけ、投資について輪郭をつかむために特徴をおさえておきましょう。

特徴1:投資と貯蓄の違いはリスクの差

「どこかにお金を預けて、時間が経つと金額が増えて戻ってくる」という点では、投資と貯蓄は似ているかもしれません。

しかし貯蓄は主にお金を保管することが目的であり、金融機関に預けた場合元本割れの心配はほとんどありませんが、現在の低金利下において時間が経っても何倍にも増えることはほぼあり得ません。

一方で投資は、もしかしたら投じた資金が減ってしまうというリスクを抱えつつ、預貯金と比べて大きなリターンが期待できるのが特徴です。リスクはあるけど積極的に資産を増やしたい、という人に向いているのが投資というわけです。

特徴2:どれくらいの期間投資するかで成績も変わる

投資には「何に投資するか」だけでなく、「どれくらい時間をかけるか」も重要です。

短い期間でお金を大きく増やしたい人なら、大きなリスクは伴いますが、それなりに資金を投じて投資対象を絞って、短期投資をすることもできます。一方で、できるだけリスクを抑えたいという人なら、一時的に値下がりしたときも一喜一憂せず、長期間かけてじっくりリターンが大きくなるのを待つというスタンスを取ることもできます。

どのようなスタンスで投資を行うかの判断は、その人の目的や年齢、資金力などによって変わります。つまり「若くないとできない」「資金がないと失敗する」といったことはなく、投資には人それぞれに自分に合った選択肢があります。

投資はやった方がいい?

投資を始めようと思っているけど、面倒に感じてしまったり、不安になったりとなかなか第一歩を踏み出せない人もいるでしょう。また「投資はいつから始めるのが良いか分からず先延ばしにしている」という人もいるかもしれません。

結論からいうと、投資は早めに始めるのが理想です。理由をみていきましょう。

「貯める」から「増やす」の時代へ

低金利時代がいつまで続くのか不透明な今は、貯蓄によって大きくお金を増やす期待は持ちにくくなっています。また少子化を背景に年金受給額が今後どこまで減少するのか、制度を懸念する声も大きくなっています。このようななか、資産形成の重要性は年々高まりつつあるといえます。

時間を味方につけて資産を築いていく

少し専門的なお話になりますが、長期投資には投資によって得た利益をさらに運用すると雪だるま式に増えていく「複利」と呼ばれる効果が期待できます。

つまり長い時間をかけるほど、時間を味方にして利益を増やせるという側面があります。もちろんまとまった金額がなくても、毎月1,000円から貯蓄を積み立てる感覚で長く投資すれば、将来の資産形成にとってプラスとなります。

→「複利」はこちらの記事もチェック
元本を2倍にするには何年かかる?「72の法則」で算出してみよう

おさえておきたい投資の種類はこの4つ

おさえておきたい投資の種類はこの4つ

では次に、投資経験のない方でもぜひおさえておきたい投資の種類を4つ紹介します。それぞれメリットもあれば留意点もあります。全体の性格を把握しておきましょう。

投資信託

短期的に資産を大きく減らすのは怖いので、時間をかけて資産運用してみたいという人にまず紹介したいのが「投資信託」です。

投資信託では投資のプロである運用会社が投資方針を決め、複数の株式や債券などの資産に投資します。運用がうまくいった場合に、投資家はそのリターンを得ることができます。

低リスクな運用をめざす投資信託もあれば、積極的にリターンを狙う投資信託もあり、目的によって選び分けることも可能です。

メリット:
投資信託のメリットは、プロに運用を任せるため、投資経験のない初心者でも低リスクな運用や利益が期待できる点です。さらに個人では投資しにくい、比較的リスクの大きい新興国の資産を組み込んだ商品へも投資ができます。新興国は先進国に比べると資産の値動きの幅が大きい傾向にあるためリスクが高く、現地の上場株式等に直接投資できる商品を取り扱っている金融機関は多くないことから、個人では手が出しにくいのが実状です。しかし、投資信託なら、こういった新興国の資産を組み込んだ商品へも比較的容易に投資ができます。また、その時々の資産状況に合わせて、様々な組み合わせで、分散投資を行うことで比較的リスクが小さくなります。

留意点:
組み合わせた複数の資産へ分散して投資を行うということはリスクが小さくなる半面、どれか一つの価格が上がっても、ほかの資産の価格が下がっていた場合、値上がりは小さくなってしまうということでもあります。そのため、株式投資(個別株投資)と比べると短期間での利益は期待しにくいでしょう。

投資信託口座の開設からファンドの購入、運用までの流れについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
投資信託の始め方(外部サイト)

外貨預金

米ドルやユーロなど日本円以外の通貨で預金するのが「外貨預金」です。

メリット:
外貨預金の最大のメリットは、高い金利の通貨を選ぶことによって高金利で預金できる点です。また、払い戻すタイミングで為替レートが円安であれば、為替差額を利益として受け取ることができます。

留意点:
円高時に払い戻すと損をしてしまう為替レートによるリスクがあります。また日本円と外貨との両替時は為替手数料が発生します。

なお万が一銀行が破綻した場合、円定期預金だと1,000万円と利息が預金保険制度により保護されるようになっていますが、外貨預金は預金保護の対象外のため、払い戻されない恐れがあることに注意する必要があります。

外貨預金のメリットやポイントについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
外貨預金とは?知っておきたいリスクとポイント(外部サイト)

NISA/つみたてNISA

税制面のメリットも享受しながら投資できる制度が「NISA(ニーサ)」です。この制度は前述の「投資信託」を行ううえでも使える制度ですので、合わせて知っておきましょう。

「税制面」というと難しく聞こえるかもしれませんが、要は投資にかかる税金が優遇されるというもの。このNISAは、専用のNISA口座内で運用して得た利益がすべて非課税になるのが特徴です。投資期間が5年の一般NISAと20年間のつみたてNISAの2種類があり、一人につき1口座までどちらかを選ぶことができます。

メリット:
大きな特徴は、投資で得た利益が一定額まで非課税になる点です。一般口座で投資信託などの収益を受け取る場合、20.315%の税金が引かれますが(2020年9月時点)、NISA口座の場合には税金がかかりません。また、金融機関によりますが、毎月100〜1,000円といった少額からの積立投資も可能です。


留意点:
NISAでは一般口座との損益通算ができません。例えばNISA口座で10万円の損失と一般口座で10万円の売却益が発生したとします。この場合、総合すると投資で利益は得られていない計算になりますが、この場合、損失を売却益で相殺できません。そのため、利益がないにも関わらず、課税口座である一般口座10万円の売却益には税金が発生し、損をすることになります。

また、NISAの非課税には上限金額(NISAは年間120万円、つみたてNISAは年間40万円)が設定されています(※)。大きな資金で運用したい人には、デメリットになるかもしれません。

※現行のNISAは2024年から新制度へ移行し、新規に投資できる期間の延長や投資方法の変更が行われます。

NISAについてはこちらの記事でも紹介していますので、参考にしてみてください。
NISAとは?初めてのNISA、うまく活用してしっかりと運用しよう(外部サイト)

iDeCo

投資にかかる非課税メリットだけでなく、所得税や住民税の節税も可能なのが「iDeCo(イデコ)」(個人型確定拠出年金)です。

iDeCoは、現役時代に自分で金額を決めた掛金を積み立てて金融商品を運用し、60歳以降に受け取る仕組みの自分で作る年金制度のこと。iDeCoでは、投資信託だけでなく定期預金などの元本確保型商品を選ぶことも可能です。

メリット:
iDeCoの掛金は年末調整や確定申告を行うことで全額が所得控除の対象になるため、拠出している期間はずっと節税効果が生まれるという利点があります(掛金は職業や勤務先などによって上限あり)。さらに、iDeCoで運用して得た利益は、すべて非課税(※)ですので、積み立てた以上の金額の年金を作ることもできます。

なお、60歳以降にiDeCoを受け取る際にも税の優遇があり、iDeCoを年金として受け取る場合は、ほかの年金と合わせて公的年金等控除の対象となり、一時金として受け取る場合には、会社の退職金と合わせて退職所得控除の対象となります。控除額を超えた部分は課税されますが、「受け取るときに結局全額税金がかかる」というわけではない点もおさえておきましょう。

※運用中の年金資産には1.173%の特別法人税がかかりますが、現在は課税が凍結されています。

留意点:
iDeCoを申し込む際には、会社員は勤め先に加入資格を確認するための証明書の記入を頼む必要があります。また、一度iDeCoを始めると原則途中で解約することはできず60歳まで引き出せませんが、この点は将来のために着実に積み立てるための支えとなりそうです。

iDeCoとNISAの違いとメリットについては、こちらの記事でも紹介しています。
iDeCoとは?つみたてNISAとは?将来後悔しないための活用法をご紹介!(外部サイト)

少額からの投資でも早めに実践を

少額からの投資でも早めに実践を

低金利や少子高齢社会などの時代背景の変化もあり、現在はお金の管理方法も預貯金から投資へと移行しつつある時代といえます。まずは今回取り上げた選択肢を中心に、少額からの投資を検討してみるのも良いでしょう。

未来投資シリーズでは次回から投資信託、外貨預金、NISA、iDeCoについて詳しく紹介していきますので、そちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

→【未来投資シリーズ】はこちらから
国際化のいまこそ「外貨預金」
投資信託はどう選ぶべき?
将来に備えよう「iDeCo」
数年後の資産が変わる?NISA

・本コンテンツは一般的な情報提供を目的とするものであり、お客さまに証券投資取引に関して何らの推奨・勧誘も目的とするものではありません。

ライタープロフィール
八坂 都子
八坂 都子
育児系雑誌の編集アシスタント、美術系出版社にて編集記者を経て2020年にペロンパ入社。マネー系を中心にカルチャーなど幅広いテーマで記事執筆・コンテンツ制作を行う。

八坂 都子の記事一覧はこちら

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