若者ゴルファー急増?知っておきたいゴルフの魅力と始め方

若者ゴルファー急増?知っておきたいゴルフの魅力と始め方

若者ゴルファー急増?知っておきたいゴルフの魅力と始め方

「年齢層の高いスポーツ」というイメージのあるゴルフですが、ゴルフ専門ライターの鶴原弘高(つるはら・ひろたか)さんによると、今、若者ゴルファーが増加中とのこと。なぜ若者の間でゴルフが広まっているのか、その理由とゴルフが持つ魅力をご紹介します。

若者ゴルファーが増えている理由

若者ゴルファーが増えている理由

コロナ禍で若者ゴルファーが急増

「肌感覚として若いゴルファーは増えていると思う」と鶴原さん。ゴルフを扱う動画配信チャンネルが増えたことが要因の一つではないかといいます。

「コロナ禍で、3密を避けやすいアウトドアでのレジャーやスポーツに注目が集まり、著名人などが登場するゴルフ動画も増えました。一方、ステイホームで動画に触れる機会が増え、ゴルフに興味を持つ若者の増加につながったのではないか」

また、釣りの動画配信チャンネルで人気だった著名人やプロゴルファーが始めたゴルフ動画なども、若者のゴルフ人気に一役買っているようです。

ゴルフの大衆化が進んだことも一つの要因に

もう一つの要因として、「ゴルフが大衆的なスポーツになってきたことも大きい」と鶴原さんは指摘します。

「かつてゴルフは、お金がかかり、若い人が趣味にするにはハードルが高いというイメージのスポーツでした。実際にプレイフィー(ゴルフ場の利用料金)は高く、一般的に若い人が気軽にできるスポーツではなかったと思います」

ところが、1990年代後半くらいからプレイフィーが徐々に下がり、最近ではスキーやスノーボードといった若者にも親しみやすいアウトドアスポーツと同程度の相場で楽しめるようになってきたことから、気軽に始められるようになったのです。

ゴルフの魅力とは?

ゴルフの魅力とは?

自然の中でのプレイが気持ち良い!

鶴原さんはゴルフの魅力として「自然の中でプレイする気持ち良さ」をあげます。青空のもとで料理をしたり、食べたり、体を動かしたりしながら過ごすのは、とても気持ちの良い時間です。ゴルフもそれに近い感覚で、広い空のもと、自然の中でボールを打ちながら歩くのは気持ちが良く、リフレッシュにもなるといいます。

ゴルフは生涯を通じて楽しめる

ゴルフは「生涯スポーツ」として長く楽しむことができます。そのため、例えば祖父母、子、孫の3世代で一緒にプレイするといった楽しみ方ができるかもしれません。

「サッカーやバスケットボールなどの走り回るスポーツは、年齢を重ねると体力的に厳しくなってきます。歩くことが基本のゴルフは、中高年になってからも続けやすいスポーツで、80歳を過ぎても楽しんでいる方は珍しくない」と、鶴原さんもいいます。

1回のラウンドで総歩数1万3,000歩〜1万8,000歩にも

1回のラウンドで総歩数1万3,000歩〜1万8,000歩にも

健康や減量への効果が期待できることもゴルフの魅力の一つです。「ゴルフは、とにかく歩くスポーツ。ウォーキングだと続かない人でも、ゴルフだと楽しみながら長い距離を歩ける」ということも。

ゴルフは1ラウンドが1ホールから18ホールまであり、人の歩幅やコースにより距離が異なるため幅はありますが、1ラウンドで1万3,000歩〜1万8,000歩程度もの歩数になります。また、その半分の9ホールを回るハーフプレイであれば、歩数は約半分になりますが、2時間程度でサクッと回ることも可能です。近場にゴルフ場があれば、週に数回、ハーフで回るのも健康的でしょう。

十人十色、人それぞれの楽しみ方ができる

人それぞれの楽しみ方ができるのもゴルフの魅力です。鶴原さんは、代表的な例として次のような楽しみをあげてくれました。

・まっすぐ、きれいな球が打てるようになる楽しみ
・ボールを遠くに飛ばす楽しみ
・スコアを少しずつ良くしていく楽しみ
・クラブをはじめとするゴルフギアにこだわる楽しみ
・プレイ後のお風呂など、ゴルフに付随してくる楽しみ

これらは、年齢や性別、またゴルフの技術に関係なく、誰もが得ることができる楽しみです。例えば、自分なりのナイスショットを打った感覚が忘れられずに、ゴルフにハマってしまう初心者も珍しくないようです。

「運動神経の良し悪しが直接的には関わりにくいため、誰でも楽しめて、努力が報われるスポーツ。ゴルフに向いていない人はいないと思います。練習の結果、スコアを伸ばせた、上達することができたという人は多い」と、鶴原さんはいいます。

ゴルフの始め方

ゴルフの始め方

では、ゴルフを始めるには、何からスタートすれば良いのでしょうか。何を揃えれば良いのか、金額はいくらくらいかかるのかなど、ゴルフを始めるにあたって基本的な知識をお聞きしました。

クラブは中古でも必要十分

クラブは中古でも必要十分

ゴルフを始めるには、ゴルフクラブを用意する必要があります。高価なものから比較的安いものまで選択肢は豊富で、「初心者であれば、中古のゴルフクラブでも必要十分」だと、鶴原さんはいいます。新品で一式50万円ほどのものが、中古の場合は10万円ほどでそろえられるそうです。

ゴルフクラブは、打つ飛距離や目的によって種類があり、ゴルフ場でのプレイに持ち込めるのは14本と決まっています。初心者であれば、その内の7種類〜10種類、以下の基本セットがあれば大丈夫です。

・アイアン(6本などセットになっているもの)
・サンドウェッジ1本
・ドライバー1本
・パター1本
・キャディバッグ(ゴルフクラブを入れるバッグ)

ゴルフクラブは、毎年新製品に買い換える人もいるため、良質な中古クラブが多く出回り、中古市場が盛んだといいます。初心者であれば、中古クラブ、もしくは1年〜2年前に発売された「型落ち」のクラブという選択肢もあります。型落ちのクラブならば新品の半額、キャディバッグ込みで25万円程度。中古であればキャディバッグ込みで10万円ほどで購入できるとのことです。

ただし、人によって合うクラブ、合わないクラブがあるそうで、初心者が自分で選ぶのは少しハードルが高いようです。

「クラブ選びで最も重要なのは重量。自分の技量に合っているのかを見極める必要があります。とはいえ、そもそも『このクラブの重量』が適切か否かを初心者が判断するのは難しい。経験豊富な方と一緒に選んだり、専門店でスタッフに相談したりすると良い」と鶴原さんはいいます。

そのほかに必要な用具

ゴルフクラブの他に、以下のような用具が必要となります。ウエアは、ゴルフ場では規定があるところもありますが、練習場では自由。動きやすく、季節によっては速乾性のあるウエアを用意すると良いでしょう。

・ゴルフシューズ:1万円~
・グローブ:1,000円程度
・ボール:1ダース2,000円程度
・ティー(ボールを乗せる台座):長さの違うものを用意。数本セットで数百円程度

練習場(打ちっ放しなど)やレッスンの費用

練習場(打ちっ放しなど)やレッスンの費用

ゴルフ場(コース)に出る前に、まずはゴルフの練習場(打ちっ放し)に行って、実際にボールを打ってみましょう。練習場は、一般的に入場料とボール代がかかり、およその相場は150球で合計2,000円〜3,000円程度。ただし、地域や場所によって料金は変わり、都心の練習場では4,000円以上かかるところもあるので、事前に調べてみましょう。

また練習場によっては、レッスンを行っているところもあります。一般的な費用は、45分~60分で、スクールレッスンが3,000円〜5,000円程度、プライベートレッスンは1万円が目安になるそうです。

1ラウンドの相場は、平日で1万円程度

練習場である程度打てるようになったら、コースデビューをしてみましょう。プレイフィーは、ゴルフ場によって異なりますが、一般的に平日やオフシーズン(冬期など)は安く、土日祝日は高くなります。また都心に近い、高速道路のインターチェンジに近い、といった利便性の高いゴルフ場は、相場よりもやや高額な傾向にあるようです。

「平日・ランチ付き・キャディーの付かないセルフプレイで総額1万円くらいが相場。地方だと5,000円でプレイできるところもある」と鶴原さんはいいます。土日は、1.5倍~2倍程度の金額になります。

18ホールをまわるのに6時間程度が目安

ゴルフ場の滞在時間は、トータル7時間程度を見ておく必要があると鶴原さんはいいます。1ラウンド(18ホール)で約4時間30分、ハーフプレイ(9ホール)で約2時間15分が平均プレイ時間。ランチ休憩に1時間取るとして、1ラウンドで6時間程度必要になります。加えて、ゴルフ場でのプレイ予約時間は、ボールを打ち始める「ティーオフ」の時間になります。そのため、その1時間ほど前までにはゴルフ場に到着しておきたいところです。

初めての人にはゴルフスクールがおすすめ

「初心者は、ゴルフスクールへ通うことをおすすめします。我流で始めてフォームに癖が付いてしまうと、後から直すのは大変。初めから基本をしっかり教わると、癖が付きにくくなる」と、鶴原さんはいいます。

また、スクールには、レンタルクラブが用意されている場合も多いので、手っ取り早く始めることができるのも魅力です。週1回、または通い放題など、スクールによって様々なプランがあるので、自分に合ったところを調べてみてはいかがでしょうか。

初心者は経験者とコースをまわり、ルールやマナーを教えてもらおう

ゴルフというと「ルールやマナーに厳しいスポーツ」というイメージがありますが、鶴原さんによると、「常識的なことが多く、他のスポーツと比べても特別に厳しくはありません。ただ、ゴルフ独特のルールやマナーもいくつかある」とのことです。

例えば、マナーとして、ボールの衝撃でグリーンを凹ませてしまった場合は「グリーンフォーク」という道具を使って凹みを直す(グリーンフォークは持参しておく)、バンカー(コース内の砂が入った窪地)を使用した後は「バンカーレーキ」という器具できちんと整地する、といったことなどがあげられます。

また、忘れがちなのが「ゴルフバッグにネームプレートを付けておく」というマナー。これは、ゴルフ場のスタッフがキャディバッグを扱うとき、誰のものか識別できるようにするためです。

初めてゴルフ場を回るときは必ず経験者に同行してもらい、プレイしながら基本的なマナーやルールを教えてもらうと分かりやすく、早く覚えられるでしょう。さらに、特に知っておきたいルールもあるようです。

「スロープレイ」だけは絶対にやってはいけない

絶対にやってはいけないというルールに「スロープレイ(プレイの遅延)」があります。

ゴルフは、1組最大4人のパーティーが時間差でスタートし、同じコース上でプレイします。そのため、1組がスロープレイになってしまうと、その後の組がすべて遅れてしまうことになり、多くの人に迷惑をかけてしまうことになるのです。とはいえ、初心者が何回も打ち直していたら迷惑をかけてしまうのではと心配になります。

「スタート時間の時差にはその点が考慮されています。また、最初はうまく打てずに、慌ててしまうのはあたり前。そのため、例えば、初心者は時間短縮のためにスコアは付けずに、プレイすることだけを楽しむようにしても良い」と、鶴原さんはいいます。さらに、どうしても時間がかかりすぎてしまうようなときは、ギブアップして次のホールに行くことも問題ないそうです。

ゴルフ保険加入のすすめ

スポーツにはケガがつきものですが、ゴルフも例外ではありません。ボールが頭などに当たってしまうなど、大ケガにつながる事故が起きることも。「加害者になっても被害者になっても大変。これからゴルファーになるなら、万が一に備えてゴルフ保険への加入を検討してみてください」と、鶴原さんはいいます。一般的なゴルフ保険は、年間3,000円程度で、主に以下のような補償があります。

・打球事故に対しての補償(当てても、当たっても)
・ゴルフクラブの破損に対しての補償
・ホールインワンに対しての補償
(ホールインワンをすると達成者は同行者にお祝いを振る舞い、同行者側もお祝いを贈るのが一般的なマナーのため)

コロナ禍の影響で「スループレイ」が増加

コロナ禍の影響で「スループレイ」が増加

ゴルフにもコロナ禍の影響が及んでいます。3密を回避できるスポーツということも影響し、前述した若者に限らず、幅広い年代に注目されています。そのため、ゴルフ場によっては予約が取りづらくなっており、プレイフィーやゴルフ場の会員権価格が上昇するという現象も出始めているようです。

また、「スループレイ」が増加しているといいます。スループレイとは、昼食のための休憩を入れずに、前半9ホール、後半9ホールを続けてプレイするスタイルのこと。昼食がないため、クラブハウス内での人との接触を回避することができ、時短にもなります。

まとめ

まとめ

前述のように、ゴルフは年齢に関わらず一生続けられる趣味であり、運動神経にあまり左右されず、努力が報われやすいスポーツでもあります。

「そのような魅力のあるゴルフは、誰にでも平等で、フェアなスポーツであるということ。費用も以前に比べればだいぶ安くなったので、ゴルフクラブさえ揃えてしまえば、すぐに始めることができます。また、健康にも良い効果が期待できる」と、鶴原さんはいいます。

動画共有サイトには、たくさんのゴルフ動画があります。すき間時間に見て、楽しそうだなと感じたら、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

この人に聞きました
鶴原弘高さん
鶴原弘高さん
1974年生まれ。大阪出身。様々な雑誌の制作に従事した後、ゴルフ好きが高じてゴルフ専門のライターに。現在はフリーランスのライターとして雑誌やウェブで執筆活動を行いながら、ゴルフ関連の動画にも多数出演。ゴルフギア好きのための会員制コミュニティサイト「3upCLUB」のキャスターも務めている。
ライタープロフィール
杉浦 直樹
杉浦 直樹
元歌舞伎役者・ファイナンシャルプランナー・ソムリエという異色の経歴を持つ。大学卒業後、広告代理店制作部のコピーライターとして職に就くも一転、人間国宝四世中村雀右衛門に入門。15年間歌舞伎座・国立劇場などの舞台に立つ。AFP・住宅ローンアドバイザー・JSA認定ソムリエの資格を取得し、金融・伝統芸能・自動車・ワインなどのコラムを執筆。

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