「生涯学習」は人生を豊かにする?自分にあった選び方も紹介

「生涯学習」は人生を豊かにする?自分にあった選び方も紹介

「生涯学習」は人生を豊かにする?自分にあった選び方も紹介

人生100年時代を迎え、長い人生を充実させるために「生涯学習」の重要性が高まっています。生涯学習には、職業に必要な知識やスキルだけでなく、社会貢献、健康増進などにつながる様々な学びや体験が含まれます。この記事では、生涯学習のメリットや始め方などをご紹介します。

そもそも「生涯学習」とは?

「生涯学習」とは、人々が生涯に行うあらゆる学習を表す言葉として使われ、学校教育をはじめ、社会教育からスポーツ活動など、様々な場面で行われる学びや体験も含まれます。

そもそも「生涯学習」とは?

教育基本法第3条では、生涯学習について「国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない」と記されています。

「生涯学習」が提唱された歴史的背景

日本では、昭和30年代の高度経済成長期を経て、技術革新が急速に進むとともに、社会全体が大きく変化しました。平均寿命が伸び、余暇時間が増え、高学歴化が進む一方で、人口の都市集中や核家族化の進行、世代間の断絶、地域連帯感の減退など様々な問題が新たに生じてきました。

こうした複雑化する社会に対応できる人材になるためには、学校教育だけでは不十分であり、社会全体における教育・学習の機会をより充実させる必要性が議論されるようになりました。

また、現代は「人生100年時代」といわれ、さらには仮想空間と現実空間が融合した「超スマート社会(Society5.0)」の実現も夢ではなくなりました。こうした高度な技術の進歩が速く、変化の大きい社会に対応できる人材教育をめざして、文部科学省は「生涯学習社会」の実現のための取り組みを進めています。生涯学習社会とは、「人々が生涯のいつでも自由に学習機会を選択し学ぶことができ、その成果が適切に評価される社会」のことです。

生涯学習は「机に向かって何かを学ぶ」ことだけを指すのではありません。学校教育、家庭教育の他に、社会教育、文化活動、スポーツ活動、レクリエーション活動、ボランティア活動、企業内教育、趣味など、様々な場で学ぶことも生涯学習に含まれます。

生涯学習のメリットとは

生涯学習は、変化の激しい現代社会を生き抜くために柔軟性を備え、絶えず新しい知識や技術を習得することをめざすことが目的です。では、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。社会と個人、それぞれのメリットを見ていきましょう。

生涯学習のメリットとは

社会における生涯学習のメリット

少子高齢化、人口減少が進む日本では、一人ひとりが能力や個性を伸ばし、多様な人材を活用できる社会に変わることが求められています。学校教育だけでなく、様々な学習の成果が評価される社会になれば、多様性が尊重され、学歴を偏重する社会の様々な弊害を是正できることが期待されます。

個人にとっての生涯学習のメリット

生涯学習を通じて、個々人は複雑化する現代社会の変化に対応できる力(思考力、柔軟性、課題解決能力など)を習得できます。また、非正規雇用の増加など、雇用情勢が不安定な時代において、知識や技能を習得することで、経済的自立へのチャンスも増えるでしょう。寿命が長くなり、余暇時間が増えるこれからの時代に、心の豊かさや生きがいを得ることができるのです。

「生涯学習」は広がっている?日本の現状

内閣府が実施した「生涯学習に関する世論調査(平成30年度)」によると、有効回収数1,710人の内、この1年くらいの間に、「学習したことがある」と回答した人は999人、「学習をしたことがない」と答えた人は707人という結果でした。

注目したいのは「学習した成果をどのように生かしているか。あるいは生かせると思うか?」という質問への回答です。「学習したことがある」と答えた人の内、「生かしている(生かせる)」と答えた人の割合は94.8パーセントと高く、実際に学習した人のほとんどが学習した内容を「生かしている」「生かせる」と感じていることが分かります。具体的な内容は次の通りです。

・自分の人生を豊かにしている(生かせる)…50.5パーセント
・仕事や就職で生かしている(生かせる)…47.9パーセント
(例:仕事で役立つスキルや資格を身に付けた、給与面で優遇を受けた、就職活動に役立ったなど)
・家庭や日常の生活に生かしている(生かせる)…40.0パーセント
・健康の維持・増進に役立っている(生かせる)…31.5パーセント
(複数回答、上位4項目)

こうして生涯学習への意欲が高まる中、学習の種類や場も増えてきています。数多くの選択肢から自分に合った生涯学習を選ぶには、どうすれば良いのでしょうか。生涯学習を選ぶポイントを見ていきましょう。

「生涯学習」どうやって選ぶ?

「生涯学習」どうやって選ぶ?

「何かを学びたい!」と決めたら、まずは「どんな目的で学ぶのか?」「学ぶうえで譲れない点は何か?」を明確にしましょう。そこで決めた目的に合った生涯学習を探すことが大切です。ここでは、目的別に生涯学習の選び方についてご紹介します。

仕事に役立てたい

今の仕事、将来の仕事にどんなスキルが必要かを把握し、大学やビジネススクール、資格スクールで学ぶ方法があります。コミュニケーション術やマーケティングなど、幅広い職種で使えるスキルの講義を受けたり、本やインターネットで学んだりすることもできます。

プライベートを充実させたい

様々な文化に気軽に触れて楽しみたい人には、市区町村が開く公営の教室や市民大学などのカルチャースクールが向いています。やりたいことが決まっている人は、そのことを教えてくれるスポーツ教室や師範、個人教師に習う方法も良いでしょう。

将来の独立・起業につなげたい

将来、自分のお店を持つことや、自分の持つスキルで独立・開業することをめざすなら、以下の2点を学ぶ必要があります。

・夢に直接関係があるスキル(例:調理師になるなら料理、通訳になるなら外国語など)を学ぶこと
・経理やマーケティングなど、経営に必要な知識を学ぶこと

将来の自分の夢を明確にしてから、必要な知識やスキルを学べる場を探しましょう。

体を鍛えたい

市区町村が行う健康体操のほか、エクササイズ、民営のフィットネスクラブ、テニス教室、乗馬教室などに参加する方法があります。自宅でDVDなどを見ながらエクササイズをすることもできますが、独学で行う場合、間違った方法を身に付けてしまい、その結果ケガなどにつながることもあるので注意しましょう。

生涯学習の費用、どのくらいかかる?

仕事や家庭での役割がある人にとって、生涯学習にかかる費用や時間なども気になる点です。生涯学習で学ぶには、およそどのくらいの時間と費用がかかるのか見ていきましょう。

「生涯学習」どうやって選ぶ?

社会人を受け入れている大学・大学院

大学や大学院で学ぶ場合は、卒業・修了までに時間と労力がかかりますが、学歴・学位という形が残ります。初年度納入金の目安は次の通りです。

国立大学…82万円程度
公立大学…93万円程度
私立大学…136万円程度
法科大学院…国立/109万円程度、私立/140万円程度

資格スクール

めざす資格の種類や受講期間、通学・通信などの受講方法によって費用が大きく違います。1ヵ月程度の受講期間で、費用は数千円〜3万円程度のコースもあれば、1年を越える受講期間で数十万円の費用がかかるコースもあります。一般的に通学講座より通信講座のほうが費用を抑えることができます。

大人向けのフィットネスクラブ、スポーツ教室

市区町村が主催する健康体操やエクササイズ教室は、無料から1回あたり数百円で参加できることもあります。民営のフィットネスクラブは、1ヵ月あたり数千円~2万円程度の利用料金に加えて入会金、諸費用などが必要となります。テニス教室や乗馬教室など、教室利用料金以外に道具の購入費用がかかる場合もあります。

カルチャースクール、市民講座など

様々な文化の入り口部分に触れることができるのが、カルチャースクールや市民講座です。民営のカルチャースクールは、入会金、月謝、設備維持費や光熱費などを支払うことになります。月謝はどの講座を選ぶかで変わりますが、数千円~2万円程度のことが多いようです。市区町村などが実施する市民講座は、無料または材料費のみで受講できる場合もあります。

華道や茶道の師範、楽器や歌の個人教師

華道、茶道、ピアノなどの楽器、歌などの個人授業を受ける場合、師範や先生が定めた月謝などを支払うことになります。師範・先生によって、指導方針、めざすレベルなどが大きく違いますので、事前によく確かめましょう。

まとめ

生涯学習の必要性と重要性が高まっている今、社会人が学べる場と選択肢が増えています。

複雑化した社会を生き抜くために、そして老後も含めた長い人生を充実させるために、興味のある何かを学ぶことから生涯学習を始めてみてはいかがでしょうか。

参考:
文部科学省「平成30年度文部科学白書|第3章 生涯学習社会の実現」(外部サイト)
内閣府「生涯学習に関する世論調査(平成30年度)」(外部サイト)

ライタープロフィール
河野 陽炎
河野 陽炎
プロ資格マニア、ライター、起業・集客コンサルタント。
ライターとして金融・経済関係の原稿を多く手がける。次々と改正される法律や、発売される数多くの金融商品が、1人の生活者としての私たちにどのような影響を与えるのか、という点を大切に執筆活動を行う。大阪・泉州の郊外で、農家をリノベーションした住宅を自宅兼オフィスとする。趣味はディンギーヨットに乗ること、資格を取ること、日本の伝統芸能とウルトラマンに関すること。著書は「プロ資格マニアになる方法」「あなたの隣のコンサルタント」「今日から病気も友達」など。
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