ホームシアターの魅力とは?
ホームシアターとはテレビやプロジェクター、スピーカー、AVアンプなどを組み合わせて自宅に作る、映画館のような環境です。
ホームシアター歴20年以上の亀山さんによると、主に以下のような魅力があるといいます。
・好きなときに、好きな作品を、大迫力の映像で楽しめる
・自宅だからこそ周囲を気にせず集中できる
・こだわり抜けば映画館よりも「高画質」「高音質」に
それぞれについて、詳しく聞きました。
魅力1.好きなときに、好きな作品を、大迫力の映像で楽しめる
映画館のように上映作品や時間が決まっているわけではないので、自分の好きなタイミングで好きな作品を楽しめるのもホームシアターの魅力の一つ。
「映画だけではなく、アーティストのライブ映像やスポーツも大迫力で楽しめます。映像や音が良いからこそ使いたくなるという気持ちになるので、作品を見る時間は導入前よりも増えましたね」
さらに、ビデオオンデマンドサービスに登録しておけば、映画でもライブ映像でも好きなだけ作品をホームシアターで楽しむことができます。
魅力2.自宅だからこそ周囲を気にせず集中できる
「映画館に行ったとき、他の観客の声や室温のせいで集中できなかったり、自分が周囲を気にして笑いを堪えたりしたことがあると思うんです。
ホームシアターはプライベートな空間なのでそういったストレスが一切ない。常に気兼ねなく見れる環境なんです」
疲れたら一時停止して休憩できるのもホームシアターの良いところ。トイレを我慢する必要もないので、リラックスした状態で楽しむことができます。
魅力3.こだわり抜けば映画館よりも「高画質」「高音質」に
「ホームシアターは映画館を超えることもできるんです」
通常、映画館ではスクリーンに映像を映し出します。しかし、ホームシアターではテレビに映し出すこともできるため、画質が良くなるそうです。
「スクリーンはテレビに比べると光の表現が弱いんです。でも、有機ELテレビなら一つひとつの光源が点いたり消えたりして映像を映し出すので、明るい部分と暗い部分の違いや強さがはっきり分かります。この見え方は、実際に肉眼で見ている光景に近いんです。
また、最新の音響システムで音を聞くためには、それに対応するスピーカーやAVアンプを揃える必要があります。ただ、映画館だとコストが高いので導入できない場合がほとんどなんです。一方のホームシアターならAVアンプを買い直すだけで、常に最新の規格で音を楽しめます」
AVアンプはホームシアターに必要な機材同士をつなぎ、立体的な音響を作り出す機器のこと。各スピーカーからどの音を出力するか割り振る役割も担っており、ホームシアターには欠かせない機器だといいます。
「新しいシステムだと、360度から音が聞こえるんです。例えば登場人物が耳元で囁いたら、自分も耳元から声が聞こえてくる。特にミュージカルなどの作品はその場にいるような臨場感が味わえるので、ホームシアターの良さを実感できると思います」
高画質ならテレビ、大画面ならプロジェクターを選ぶ
ところで、実際にはどのような機材を揃えていく必要があるのでしょうか?
「基本的にはテレビかプロジェクター、プレーヤー、AVアンプ、スピーカー、サブウーファー(音の中でも低音だけを出力するスピーカー)の5種類があればOK。始めるならまずは、何で見るかを決めると良いと思います。画質を追求したいならテレビを、大画面での迫力を楽しみたいならプロジェクターを使ってスクリーンに映し出す方式がおすすめです。
特に、プロジェクターを選ぶのであれば光の強さを基準に選ぶのがポイント。コンセントを必要としないタイプなら屋外でホームシアターを楽しむこともできますよ」
テレビかプロジェクターかを決めたら、次は音響設備を揃えていきます。AVアンプの性能によって同時に接続できるスピーカーの数が決まるので、AVアンプを決めてからスピーカーを選ぶと良いそうです。
ちなみに、亀山さんにとってスピーカー選びが一番のこだわりポイントだったとのこと。
「スピーカーはメーカーによって音の雰囲気が違うんです。低音をしっかり出すところや透明感を追求したメーカーもある。好みがはっきり分かれる部分なんです。
だからこそ、スピーカー選びは絶対に実店舗で聞いてからと決めていました。テレビ番組やネット動画で音質が紹介されていたとしても、その音は自分の家のテレビやパソコンを介した音でしかないわけです。だから本当に好きな音を確かめるには店舗に足を運ぶしかありません」
選び方にもこだわりがあり、お店に行くときは海外の音楽を入れたポータブルオーディオ機器を必ず持って行ったといいます。
「日本の音楽は、イヤホン向けに録音されていることが多いので、スピーカーから流すと違和感が生まれる場合もあります。だから試しに行くときはスピーカーを想定して作られている海外の曲が必須。インターネットで検索すると試聴向けの音楽とかもあるんですよ」
一つひとつに選び方のポイントがあるホームシアターの機材。実際にすべてを揃えると、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?
お金をかけるべき機材はスピーカー?
亀山さんが今のホームシアターにかけた総額はなんと150万円以上。亀山さんが、画質や音質に人一倍のこだわりを持っていたからこその金額だといいます。
「スピーカーやアンプの性能は高価になるほど良くなりますが、オーディオ機器はある一定のラインを超えると音質に差が出づらくなってくるんですね。
AVアンプなら、10〜15万円が一つのラインです」
画質や音質など、こだわりが強い部分には費用をかけたいところ。一方で、動画を再生するのは専用機器ではなく、例えばゲーム機などで代用しても良いそうです。
亀山さんの場合、一番お金をかけるべき機材はスピーカーだと考えているそう。
「目安となるのは1本10万円。この価格帯から格段に音が良くなります」
仮に5つのスピーカーを置いて立体音響を作ろうとした場合、スピーカー代だけでも50万円と高額に。なぜ、スピーカーにこそお金をかけるべきなのでしょうか。
「AVアンプやプレーヤーは時代とともにどんどん新型が発売されていくので、高価な製品を買ったとしても、最新システムで見たいなら買い換える必要があります。でも、スピーカーは比較的長持ち。良いものなら15〜20年近くは耐用期間があるので、長く使うからこそお金をかけて良いと思います」
ホームシアターの設置で気をつけたいこと
最後に、ホームシアターを設置する際に気をつけるべきことも聞きました。
音漏れ対策
せっかくホームシアターを導入したからには大音量を楽しみたいところですが、やはり気になるのは音漏れです。
「一軒家なら壁の断熱材が音を吸収してくれますが、注意すべきは窓ガラス。二重窓でないと音漏れはします。
マンションでもあとから防音工事をするなどの対策はできますが、コストがかかるので非現実的。手っ取り早いのはスピーカーを小型にして、音の出力を下げる方法です」
小型のスピーカーは大型と比べると音質が劣るようにも思えますが、必ずしもスピーカーのサイズで音質が決まるわけではないという亀山さん。むしろ小型でも大きいサイズと同じくらい音質の良いスピーカーもあり、音量を抑えつつも高品質な立体音響を楽しめるそうです。
スピーカーの設置場所
スピーカーの設置場所が確保できない場合には天井にスピーカーを設置するという選択肢もあります。しかし、天井にスピーカーをつける場合、事前調査が大変だといいます。
「取り付けたい位置に、釘を打ち込める柱が通っているかを調べる必要があります。業者に依頼することもできるのですが、最近ではレーザー光線を当てるだけで柱の位置が分かる下地センサーという機械も販売されています。
あとは配線ですね。どこから持ってきてどう隠すかというのも考えなくてはいけません。うちでは、ホームセンターで買った配線カバーで全部隠しています」
音質や画質に直接関わる機材の準備だけでなく、それぞれの住環境に合わせた防音対策や配線なども、ホームシアターでは行う必要があります。人によっては難しく感じる作業かもしれませんが、一から設備を作りあげたという達成感を味わえるのも、ホームシアターの魅力といえそうです。
まとめ
自宅でいつでも最高の映像体験ができるホームシアター。自分の資金と相談しつつ、どの部分にお金をかけ、どこでコストを抑えていくか。試行錯誤しながら満足できる環境を作っていくのも、ホームシアターの楽しみの一つといえます。いきなりすべての機材を揃えるのが難しい場合は、コツコツと貯金をしながら一つずつ揃えていくのも良いかもしれません。
この人に聞きました
登録者数19万人以上のYouTubeチャンネル「Mikasu-Channel」を10年以上運営。車・車中泊旅・バイク(モトブログ)・ガジェット類・ホームシアター・アウトドア、キャンプ道具紹介などを軸に、自分が好きな趣味の世界を伝える活動を行う。株式会社MikasuWorks 代表取締役。
ライタープロフィール
主にマネー系コンテンツ、広告ツールを制作する株式会社ペロンパワークス・プロダクション所属。立教大学卒業後、SE系会社を経て2019年に入社。主にクレジットカードやテック関連のWEBコンテンツ制作や企画立案、紙媒体の編集業務に携わる。
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