ベランダ菜園の楽しみ方。初心者向きの作物から変わり種まで

ベランダ菜園の楽しみ方。初心者向きの作物から変わり種まで

ベランダ菜園の楽しみ方。初心者向きの作物から変わり種まで

家庭で楽しめる趣味として家庭菜園・ベランダ菜園の人気が高まっています。何気なく食べていた野菜も、自分で育ててみると意外な発見や充実感があり、多くの人を魅了しているようです。そこで今回は、家庭菜園・ベランダ菜園の魅力や始め方を紹介します。

外出自粛の影響で家庭菜園の人気が上昇中

外出自粛の影響で家庭菜園の人気が上昇中

2020年に実施された、農園芸関連企業による野菜と家庭菜園に関するインターネット調査(※1)によると、家庭菜園を行っている人のうち「外出自粛以降に始めた」という人は29.6パーセント。約3割の人が、コロナ禍や外出自粛をきっかけに、家庭菜園を始めているようです。

また、家庭菜園を行っている人のうち「家庭菜園を今後も継続したい」と考えている人はなんと、96.2パーセント。こういった結果からも、家庭菜園は満足度の高い趣味であることがうかがえます。

自分に合った規模で楽しめるのも、家庭菜園の魅力の一つ。また、一人でも楽しめる趣味であることも、コロナ禍の時代にマッチしたといえるでしょう。

※1タキイ種苗株式会社「2020年度 野菜と家庭菜園に関する調査」(外部サイト)

ベランダ菜園は初心者にぴったり

ベランダ菜園は初心者にぴったり

家庭菜園を始めたくても、庭や畑などのスペースがない人もいるかもしれません。そこで今、注目を集めているのが、マンション住まいや畑がなくてもできるベランダ菜園です。

わずかなスペースでも楽しめるベランダ菜園は、初心者でも始めやすく、気軽に家庭菜園を楽しむことができます。ただし、ベランダで家庭菜園を楽しむためには、注意点を守ることも必要です。

ベランダ菜園を始めよう。用意するべきもの・育てやすい作物は?

ベランダ菜園を成功させるコツ

1. 日当たり・風通しを考える

ベランダで野菜や植物を上手に育てるには、日当たりと風通しが重要です。理想は、東・南向きで午前中から日の当たる場所がベストですが、そうではない場合は、日当たりの良い場所をチェックしてプランターを置いてください。

また、通気性が悪いと湿度が高くなり、野菜や植物の病気の原因となる害虫が発生しやすくなります。ベランダにエアコンの室外機がある場合は、室外機から出る風が植物に直接当たらないようにしておきましょう。

2. ベランダの環境に合った野菜や植物を選ぶ

野菜や植物には、日当たりが良い場所を好むものと、日当たりが悪い場所でも育つものがあります。日当たりの悪いベランダでは、ミツバ・ミョウガ・セリ・フキなど日当たりが悪い場所でも育つ野菜が適しています。ベランダの環境に合わせて育てやすい野菜を選ぶと失敗しにくいでしょう。

3. プランター選び

プランターはなるべく通気性の良いものを選んでください。通気性が悪いようであれば、プランターの底に「鉢底石」と呼ばれる軽石を敷くと通気性が良くなります。

また、通常サイズのプランターで育てられるもの、大型や深めのプランターで育てる必要があるものと、野菜によってプランターの適性サイズが異なります。育てたいものが先に決まっている場合は、その作物に適したサイズのプランターを選びましょう。

ベランダ菜園を成功させるコツ

必要なもの

家庭菜園・ベランダ菜園を始める際には、なにが必要なのでしょう?ここでは、最低限そろえておきたい園芸用具と、気になる費用について見ていきます。

1. コンテナ(プランター)

畑がなく、ベランダや駐車スペースなどで野菜や植物を育てる際には、プランターが必要です。なるべく通気性が良いものを選び、育てたい作物に適した深さ・大きさのプランターを選んでください。

安いもので500円前後から、高いもので5,000円以上と価格帯も様々です。素材や大きさによっても値段は異なるので、ベランダの広さや予算に合わせて選びましょう。

2. 土

野菜や植物を育てるには土が必要です。元気な作物を育てるうえで土は重要なカギとなり、最近では、様々な土がブレンドされた「培養土」という土も販売されています。

自分で土をブレンドしたり土壌酸度を調べたりして土づくりする方法もありますが、初心者は野菜づくりに適した比率でブレンドされた培養土や、家庭菜園用の土を購入すると良いでしょう。10~15リットルのものが200~300円ほどで購入できます。

3. ジョウロ

水やりのためのジョウロも必要です。水を入れると重くなるので、軽くて持ち運びしやすいプラスチック製のジョウロが実用的でしょう。また、水やりの際に角度や水の勢いを調整できるハス口を、取り外しできるものが便利です。500~1,000円ほどで購入可能です。

4. 園芸バサミ

実った野菜を収穫する際は、園芸バサミ・ガーデニング用のハサミがあると便利です。10,000円を超える高級なものもありますが、1,000円以下のお手頃な価格の園芸バサミもあります。切れ味とコストパフォーマンスを考えながら選んでみてください。

5. そのほかあると便利なグッズ

スコップやシャベル、軍手なども、あると便利な園芸用具です。最近では家庭菜園ブームもあり、ガーデニングスコップやプランターなど、100円ショップで購入できる園芸用具も増えています。

初心者が挑戦しやすい作物は?

初心者が挑戦しやすい作物は?

プランター栽培初心者の方が育てやすい野菜は、トマト・ナス・ピーマン・ししとうなどの夏野菜です。特にトマトは、小学校の授業で育てた経験がある方も多いかもしれませんね。トマトは品種改良されたくさんの種類があり、ベランダで育てやすい品種もある上に、トマト栽培の専用グッズなども充実しているため、初めてのベランダ菜園に適した作物といえます。

また、同じ夏野菜のナスは、日本の夏の暑さや湿気にも比較的強く、プランター一つで長い期間栽培を楽しむことができます。ピーマン・ししとうもナス科の野菜ですので、お好みでチャレンジしてみては。

ベランダ菜園を始める際の注意点

1. 管理規約の事前チェック

気軽に始められるベランダ菜園ですが、集合住宅の場合は、始める前に管理規約をチェックしておきましょう。通常、マンションなどの集合住宅において、ベランダやバルコニーはマンションの「共用部」となります。

そのため、セキュリティーや安全面、景観保護などのために、ベランダの使用に制限が設けられていることも少なくありません。トラブルにならないよう、事前に管理規約に目を通しておきましょう。

2. プランターの重量

土は予想以上に重さがあります。大きなプランターを設置したい、プランターをたくさん置きたいなど、重量が大きくなる場合は、家主や管理会社、施工会社に一度確認しておいたほうが安心です。

3. 水漏れ・水たまり

集合住宅の場合、ベランダ菜園による水のトラブルにも注意すべきです。階下への水漏れがないよう、水やりの際は階下に水が飛ばないように注意する必要があります。水漏れや水たまりの原因にならないよう、ベランダや排水溝周りはこまめに掃除しましょう。

4. 避難経路をふさがない

集合住宅の場合、ベランダは緊急の際の避難経路にもなります。万が一の事態に備えて、避難経路の前や避難ハッチをプランターなどでふさがないようにしましょう。

5. プランターの固定・置き場所

事故防止のためにプランターはしっかり固定し、高い位置に置かないほうが安心です。もし、高い位置にプランターを置く場合は、風で落ちることがないように、ひもなどでしっかり固定してください。また、小さな子供がいる家庭では、安全のため踏み台になるようなものは置かないように注意しましょう。

変わった作物にも挑戦しよう

変わった作物にも挑戦しよう

稲作体験もベランダで

日本人には縁が深いお米作りも、ベランダ菜園で体験することができます。ベランダでできる「バケツ稲」は、バケツと園芸用の土、お米の苗を用意するだけで手軽に始めることができます。収穫量は少ないですが、自分で種もみを撒き、脱穀・精米など普段食べているお米になるまでの過程を体験するのはおもしろい経験になるでしょう。

変わった作物やハーブにも挑戦してみよう

スーパーでは買いにくい珍しい野菜も、意外とベランダ菜園で育てることができます。例えばオシャレなサラダの具材などで見かけることのある「アイスプラント」は、葉が肉厚で、独特な食感を楽しめる野菜です。栽培するうえでおもしろいアイスプラントの特徴が、土のなかの塩分などの物質を吸収しやすいという性質です。この性質を利用すれば、収穫前に塩水をかけておくことでアイスプラントに塩味をつけることができます。塩水を使用するため、ほかの作物とはプランターを分ける必要がありますが、栽培キットが販売されていることもあるので珍しい作物にチャレンジしてみたい方は探してみては。

このほか、バジル、シソ、コリアンダー(パクチー)、パセリ、ミントなどの料理に使えるハーブも、実はベランダ菜園で育てられるハーブです。ただし、これらのハーブは、おなじプランターで育てる「寄せ植え」をしてしまうと失敗しやすいので、種類の異なるハーブを育てる際は別々のプランターで育てましょう。

まとめ

まとめ

家で食事をすることも増えたコロナ禍で、口にする野菜を自分の手で作ってみると、新しい発見ができるかもしれません。家庭で手軽にできるベランダ菜園は、おうち時間を楽しむきっかけの一つになるでしょう。自宅でできる趣味をお探しの方は、挑戦してみてはいかがでしょうか?

ライタープロフィール
藤岡 亜弥
藤岡 亜弥
コラム記事やセールスライティングなどを中心に、フリーライターとして活動中。どんな人にも読みやすく、飽きない文章にできるよう、読者の顔を思い浮かべながら、日々パソコンに向かっています。

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