在宅勤務環境を整える。投資すべきアイテム

在宅勤務環境を整える。投資すべきアイテム

在宅勤務環境を整える。投資すべきアイテム

リモートワークが定着しつつある今、作業効率向上を図って自宅の環境を整えることは一つの自己投資ともいえます。では、どのようなアイテムを選べば良いのでしょうか。ガジェット系ブロガーとして最新トレンドにも精通する草刈和人氏に聞きました。

リモートワーク定着で自宅環境の整備は最優先事項に

リモートワーク定着で自宅環境の整備は最優先事項に

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を背景に、多くの企業がリモートワークの導入を進めています。通勤時間の短縮や商談にかかる移動時間の削減、リラックスして自分のペースで業務を進めやすいなど多くのメリットがあり、将来的にはリモートワークが今以上に一般的となるかもしれません。

しかし、自宅は本来プライベートな空間です。いざリモートワークになったは良いもののパフォーマンスを存分に発揮するための環境が整っておらず、かえって作業効率が落ちてしまったと感じる方もなかにはいるでしょう。

プライベートの時間を大切にしたいからこそ、生産性の低下はなんとか避けたいところ。また自宅でもオフィスと同等かそれ以上のパフォーマンスが発揮できれば自然と周囲の評価も高まり、新しい仕事を任されたり収入が増えたりと、自身のステップアップにつなげることもできます。社会環境の変化は自分を成長させるチャンスととらえ、今のうちから自宅の作業環境を整えておきたいところです。

プロが教える簡単にパフォーマンス向上につながる在宅アイテム

プロが教える簡単にパフォーマンス向上につながる在宅アイテム

では、どのようなアイテムが自宅の作業環境の改善に役立つのでしょうか。そこでこの記事ではテック系ブログメディア「ゴリミー」を運営するg.O.R.i氏こと草刈氏が教える、パフォーマンス向上が期待できるアイテムについて紹介します。

スタンディングデスク

自宅はリラックスできる一方、緊張感がないのでつい怠けてしまいがちです。そのような作業効率低下を防ぐために検討したいのがスタンディングデスクの導入です。

起立した状態で作業を行うことにより緊張感が生まれ、着座時よりも集中が持続しやすくなります。また、姿勢の改善や運動不足の解消など健康面でのメリットも期待できます。高さの調節や記憶が可能で立ったり座ったりを自由に切り替えられるタイプなら、いちいち作業を中断することもありません。

草刈氏の一言アドバイス:
「海外の大手企業では導入しているところも多く、国内でもスタンディングデスクを利用したスタンディングワークを取り入れる企業が増えてきています。とくに眠くなりやすい昼食後などは立ち上がって仕事できるスタンディングデスクが効果的です」

ワーキングチェア

長時間座っての作業は血行不良を招き、腰痛や肩こり、眠気などが起こりやすくなるといわれています。しかし、勤務時間中ずっと立っているのは体力的に辛いという方も多いでしょう。そのような状況を改善できるのがワーキングチェアです。自然に正しい姿勢を保てるため、快適に仕事を続けられます。

草刈氏の一言アドバイス:
「肘置きや背もたれの微調整ができるワーキングチェアなら、より自分にフィットした体勢を維持できるため作業へ集中しやすくなります。また背もたれがメッシュといった通気性の良い素材だと、夏場でも蒸れないのでストレスがありません」

多機能マウス

多くのボタンが付いている多機能マウスなら簡単なショートカットなどもマウスで行えるようになり、キーボード入力の手間を減らすことができます。

さらに、トラックボールがあればマウスを動かさなくてもカーソル移動が可能です。作業スペースが確保しづらい自宅でも自由に操作できるため作業効率の改善が期待できるでしょう。また、自然な形でグリップできるよう設計されている多機能マウスなら肉体疲労も軽減可能です。

草刈氏の一言アドバイス:
「一般的なマウスは手首が机と水平になるように手を置きます。この状態だと手首に負荷がかかってしまうので手を痛めやすいのです。一方人間工学に基づいて設計されたマウスは手首にとって自然な状態、軽く捻った形で利用するので体の負担を減らせます」

キーボード

キーボードも作業効率改善につながるポイントの一つです。

ノートパソコンは持ち運びやすさを前提としていることが多いため、キーボードの操作感などが作業に適していないケースがあります。自分好みのキー配列や押し込みの深さなどを持ったキーボードを利用すれば、手首や指先への負担が軽減できるうえ、タイプミスなども減らせます。

草刈氏の一言アドバイス:
「キーボードに高さがある場合は手のひらの位置を調整できるパームレストもあった方が無難です。高さがあっていないとかえって体を痛める原因となってしまいます」

ノートパソコンスタンド

ノートパソコンの位置が低いと肩や目に疲労がたまりやすく、頻繁に作業を中断しかねません。画面を目線の位置に上げて見やすくするノートパソコンスタンドは作業スピードの向上に必須といえます。

草刈氏の一言アドバイス:
「自室のテーブルなど作業場所が決まっているのなら、頑丈で支えやすいスタンドの方が優れています。ただし持ち運ぶ可能性があるなら小さく折りたためて軽いタイプを選ぶというように、自分のライフスタイルに合わせて使いやすいものを選ぶのが効率アップの基本です」

外部ディスプレイ

ノートパソコンの小さい画面では最大限のパフォーマンスは発揮しづらいものです。

柴田博仁氏の研究によるとディスプレイが一つの場合は実に作業時間全体の8.5%を、ウィンドウの切り替えといった作業に直接関係のない操作に費やしているとされています。そこで外部ディスプレイを導入したところ、作業コストが13.5%も削減されたそうです。

出典:情報処理学会論文誌 大画面ディスプレイ・多画面ディスプレイの導入による業務効率化の測定(外部リンク)

上記の研究からも分かるように、外部ディスプレイの導入はパフォーマンス向上の効果が期待できます。

草刈氏の一言アドバイス:
「外部ディスプレイを導入すればノートパソコン単体に比べて作業領域が広くなるので、同時に複数の画面を表示できて作業効率が上がります。ただし、解像度が高すぎるとメインのノートパソコンに負荷がかかり処理落ちなどが発生する場合もあるので注意が必要です」

高速インターネット環境

取引先とのデータの送受信、ちょっとした調べ物、チームでのテレビ会議などネットを使う機会は様々。もし回線が遅いといちいち接続を待ったり通信が途切れ途切れになったりと、無駄な待ち時間が発生してしまいます。遠くの人とつながる必要があるリモートワークだからこそ、高速なインターネット環境は必要不可欠といえるでしょう。

草刈氏の一言アドバイス:
「スマートフォンのテザリング機能で済ませるのは回線速度やデータ容量の面で少々無理があります。とくにテレビ会議やデータファイルの転送など、短時間で大量のデータ通信を行う場面が想定されるなら十分な帯域と速度は確保しておいて損はないでしょう。ルーターも買い換えればより作業効率がアップできます」

ノイズキャンセリングヘッドホン・イヤホン

オフィスと違って自宅での作業は雑音や誘惑が多いもの。ちょっとしたことでいちいち気が散っていては生産性も落ちてしまいます。外からの音を遮断できるノイズキャンセリング機能付きのヘッドフォンやイヤホンを利用すれば作業により集中できるでしょう。

草刈氏の一言アドバイス:
「お気に入りのBGMを流すことでさらに集中力も高まります。また、形が合っていないと長時間の使用で耳や頭を痛めやすいので自分の体にフィットしたタイプを選ぶのも大切です」

筆者が実際に使っている感動アイテムをご紹介

筆者が実際に使っている感動アイテムをご紹介

ここからは補足として、せっかくなので実際にリモートワークを行った筆者が効果を感じたアイテムも紹介してみたいと思います。

パーティション

自分の周囲をパーティションで囲うことで簡易的な個人スペースが確保され、作業に集中しやすくなります。とくに周囲の様子が目に入るとつい気が散ってしまう筆者にとって効果的でした。

また、テレビ会議の際に背後に配置すれば生活感を隠すことも可能です。

タワー型電源タップ

目の前が散らかっていると集中力が落ちたり探し物が増えたりと作業効率に影響を出しかねません。

とくにデスク上は外部ディスプレイの電源コードや各種デバイスの充電コードで雑多になりがちです。そこでコード類をすっきり整理できるタワー型電源タップが効果を発揮します。タワーを一周する形でコンセントを指すためアダプタが大きくても隣の穴の邪魔にならず、コンセントも無駄にしません。

二酸化炭素メーター

二酸化炭素濃度は一般的に5,000ppm以下なら直ちに人体への影響はないといわれていますが、濃度が高くなりすぎると体の不調や急激な眠気に襲われる場合もあります。室内の二酸化炭素濃度が一目で分かる二酸化炭素メーターを導入することで、換気を意識しやすくなりました。

なお筆者は1,000ppmくらいを目安とし、リフレッシュも兼ねて定期的に換気を行っていました。

費用対効果が高い作業環境への投資

費用対効果が高い作業環境への投資

冒頭でお話したように、自宅の作業環境を整えることは自身のステップアップにもつながります。パフォーマンスを高めるアイテムの導入は自分を高める自己投資の一つと捉えることも可能です。

自己投資と考えたとき、使用期間の長いデスクやチェアは費用対効果の高い投資先であるといえます。

例えば5万円のワーキングチェアを購入して1年間使用するとします。1日あたりのコストは5万円÷365日で約136円です。在宅ワーク用のアイテムは長い目で見るとペットボトルの飲料1本分よりも少ない費用で生産性の向上効果が期待できる、簡単に始められる投資先といえるでしょう。

まとめ

近い将来オフィスへ通勤する必要性がなくなり、自宅での業務が一般的になるかもしれません。「自宅だから」といってダラダラ作業をせず、生産性を高めてプライベートの時間をきちんと確保するためにも、まずは身の回りの整理から始めてみるのも良さそうです。

この人に聞きました
草刈 和人
ゴリミー管理人
草刈 和人

Apple関連情報を中心にIT系ニュースやガジェットレビューを紹介するテック系ブログメディア「ゴリミー」の管理人。愛称はg.O.R.i。2009年8月10日、新卒として会社員生活をスタートしながらゴリミーの運営を開始。会社員と並行して運営を進めていたが、2014年6月末に独立。
ライタープロフィール
笠木 渉太
笠木 渉太
主にマネー系コンテンツ、広告ツールを制作する株式会社ペロンパワークス・プロダクション所属。立教大学卒業後、SE系会社を経て2019年に入社。主にクレジットカードやテック関連のWEBコンテンツ制作や企画立案、紙媒体の編集業務に携わる。

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