バーチャル旅行のすすめ 世界遺産巡りにダークツーリズムも

バーチャル旅行のすすめ 世界遺産巡りにダークツーリズムも

バーチャル旅行のすすめ 世界遺産巡りにダークツーリズムも

2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大により、国内・海外ともに旅行や出張が制限されています。そんななかでも楽しめるのが「バーチャル旅行」。Googleなどが提供する360度映像を見ることで、旅をした気分になることができるのです。

バーチャル旅行とは

バーチャル旅行とは

旅をする魅力は、「見たこともないような美しい景色に出会える」「歴史に重要な影響を与えた遺跡や建造物を実際に見られる」ということ。自由に旅ができない今は、自宅にいながら仮想的に旅行体験が楽しめる「バーチャル旅行」をしてみませんか?

行きたい場所の動画を視聴したり、360度の動画や静止画を閲覧したりして、旅先にいるような気分を味わいましょう。VRゴーグルを活用すれば、もっとリアルにバーチャル旅行を体験できます。

おすすめのバーチャル旅行先

バーチャル旅行なら、世界遺産として知られる場所にも気軽に訪れることができます。まずは、美しく雄大な世界遺産をバーチャル旅行してみましょう。アンコールワット、ピラミッドなど有名な観光スポットにはGoogle マップ内で特集コンテンツが用意されており、各スポットの歴史などの詳細な解説を見ることができるようになっています。

アンコールワット

カンボジアの都市・シェムリアップに存在するアンコール遺跡のうちの一つが、アンコールワットです。12世紀前半、クメール王朝時代にヒンズー教寺院として建設され、1992年にアンコール遺跡として、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されています。

アンコールワットの境内は 東西約1,500メートル、南北約1,300メートル、幅約190メートルの堀で囲まれており、朝日や夕日の美しさでも知られています。

Googleマップのストリートビュー(外部サイト)では、アンコールワットのバーチャル旅行を楽しむことができます。現地でアンコール遺跡やその周辺まで観光するには3日以上かかるともいわれているので、事前にバーチャル旅行で「ここが見たい!」というポイントを見つけておくのも良い方法です。

エジプトのピラミッド

エジプトのピラミッド

エジプト旅行でぜひ訪れたいのがピラミッド。世界遺産にも登録されていますが、実はまだまだ分かっていないことも多い建造物です。これまでは「王様のお墓」というのが定説でしたが、倉庫や災害時のシェルターなど、それ以外の用途に使われていたという説も出ています。

Googleマップのストリートビュー(外部サイト)なら、ピラミッドの様子を観察するだけでなく、現存する唯一の「世界の七不思議」であるギザの大ピラミッドの歴史や、現在の様子についても知ることができます。

ペトラ遺跡

ヨルダンのペトラ遺跡は「岩の芸術」とも呼ばれ、光の加減によって岩の色が変化して見えることで知られています。

Googleマップのストリートビュー(外部サイト)では、英語の音声ガイド・日本語の字幕説明つきでペトラ遺跡のバーチャルツアーを体験することができます。

宝物殿「エル・カズネ」や、多くの店でにぎわっていたという「コロネード通り」、祭司や要人だけが使っていた「カスル アルビント神殿」などを見学しましょう。

タージ・マハル

インド北部のアーグラに存在する、宮殿のような遺跡「タージ・マハル」。美しく巨大なこの遺跡は、ムガール帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが愛した妃、ムムターズ・マハルのお墓です。

完成までに多大な費用と22年もの歳月がかかったとされるタージ・マハルは、完全な左右対称に建設されていることが特徴。太陽の当たる角度によって壁面の色が変化して見える光景も美しく、人気を集めています。

Googleマップ(外部サイト)では、タージ・マハルの周辺を散策したり、敷地内を歩いたりすることもできます。

チェルノブイリ

悲しい歴史を象徴する場所を訪れる「ダークツーリズム」も、バーチャル旅行によって体験できます。ここからは、ダークツーリズムを説明していきましょう。

1986年4月26日、チェルノブイリ原子力発電所4号炉において、急激な出力上昇が起こり爆発にいたる事故が発生しました。

この事故の影響を受けてチェルノブイリ周辺は居住不可能となり、原発から30キロ圏内に住む人々は移住を余儀なくされました。現在でも人が住むことはできず、農業や畜産業なども禁止・制限されている地域があります。

チェルノブイリ周辺には無防備に足を踏み入れることはできませんが、Googleマップのストリートビュー(外部サイト)では、一帯を観察することができます。自然豊かな地域に作られた原発だったことがよく分かるでしょう。

アウシュビッツ

アウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所は、ナチス・ドイツによってポーランドに建設され、人種差別による迫害によって、多くの犠牲者を出したことで知られています。収容された人のうち90%はユダヤ人で、ほかにも政治犯や、精神・身体に障害のある人、同性愛者なども収容されました。

Googleマップのストリートビュー(外部サイト)でアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所とその周辺を見ることができ、強制収容所からほど近くに人々が生活する地域があったことが分かります。差別と虐殺の歴史はこんなに身近に存在するのだ、と感じられるのではないでしょうか。

アウシュビッツ

グラウンド・ゼロ

アメリカ・ニューヨークの旧ワールドトレードセンターは、2001年9月11日、アメリカ同時多発テロの標的となり、テロリストにハイジャックされた航空機によって破壊されました。グラウンド・ゼロは「爆心地」を意味する言葉で、現代ではワールドトレードセンター跡地を指すこともあります。

Google Earth(外部サイト)の3D表示を利用すると、グラウンド・ゼロの様子を見ることができます。またネット上には、テロが起こったその日、現地で仕事や観光をしていた人による写真やレポートが多く公開されていますので、興味があるかたは調べてみてください。

原爆ドーム

世界で唯一の被爆国である日本。現在「原爆ドーム」として残されている建物は、かつて「広島県産業奨励館」として、広島の物産の展示や、美術展などが行われていました。原爆の爆心地は、原爆ドームから東に約200メートルの位置にあった旧島病院と推定されています。

Googleマップのストリートビュー(外部サイト)は、原爆ドームの外側だけでなく、内部の様子まで観察することができます。敷地内にはレンガなどが散乱しており、原爆の破壊力と被害が伝わってきます。

将来の旅行計画にも活用できるバーチャル旅行

将来の旅行計画にも活用できるバーチャル旅行

世界的に有名な遺跡や観光地をくまなく巡ろうとすると、何日もかかってしまうことは珍しくありません。そこで、バーチャル旅行で「ここだけはぜひ見たい!」というポイントを探したうえで旅行の計画を立てておくと、効率よく行きたい場所を巡ることができます。

新型コロナウイルスの感染拡大が終息し、海外旅行にまた行けるようになったとき、実際の旅をより有意義なものにするために、バーチャル旅行で下見をして、知識をつけておくと良いですね。

ライタープロフィール
河野 陽炎
河野 陽炎
プロ資格マニア、ライター、起業・集客コンサルタント。
ライターとして金融・経済関係の原稿を多く手がける。次々と改正される法律や、発売される数多くの金融商品が、1人の生活者としての私たちにどのような影響を与えるのか、という点を大切に執筆活動を行う。大阪・泉州の郊外で、農家をリノベーションした住宅を自宅兼オフィスとする。趣味はディンギーヨットに乗ること、資格を取ること、日本の伝統芸能とウルトラマンに関すること。著書は「プロ資格マニアになる方法」「あなたの隣のコンサルタント」「今日から病気も友達」など。
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