オリーブオイルたっぷりのアヒージョは健康的?ヘルシーなアヒージョの食べ方

オリーブオイルたっぷりのアヒージョは健康的?ヘルシーなアヒージョの食べ方

オリーブオイルたっぷりのアヒージョは健康的?ヘルシーなアヒージョの食べ方

魚介類や野菜をオリーブオイルで煮込むアヒージョは、おいしくておしゃれな洋風料理として人気です。オリーブオイルを使っていることからヘルシーなイメージがあり、世代を問わず人気が高まっています。今回は、アヒージョについて改めて考えてみました。

そもそもアヒージョとはどんな料理?

アヒージョはスペイン南部発祥の郷土食で、刻んだニンニクと鷹の爪と一緒に魚介類や野菜などの具材をオリーブオイルで煮込んだ料理です。スペイン語で「ニンニク風味のソース」を意味します。

そもそもアヒージョとはどんな料理?

つくり方は、まず小ぶりの鍋やフライパン(スキレットを使用するとより雰囲気が出ます)に、たっぷりとオリーブオイルを注ぎ、きざんだニンニクと鷹の爪を入れて煮込みます。オリーブオイルにニンニクと鷹の爪のエキスがしみて、香りがしてきたら、肉や野菜などの食材を投入し、さらに煮込みます。素材に火が通ったら塩コショウで味を調え、仕上げにシェリー酒で風味づけをして完成です。

具材は、エビ、イカ、貝などの魚介類から鶏肉、砂肝などの肉類、マッシュルーム、ブロッコリーなどの野菜類といったように、どのような食材でも合います。調理法も簡単でバリエーションが豊かなこともアヒージョの人気の要因。本場スペインでは、「カスエラ」と呼ばれる耐熱性陶器で調理され、容器のまま食卓に供されます。バル(居酒屋)などで出される代表的なタパス(小皿料理)で、バケットやチュロスと一緒に食べるのがスペイン流です。

同じくスペイン発祥の料理で、「ピルピル」があります。オリーブオイルで食材を煮込む調理法、具材にニンニク、鷹の爪、魚介類を使用するなどアヒージョと共通点が多いことから、本場スペインでは両者の定義が議論になることも。アヒージョと異なる点としては、「メイン食材に魚を使うことが多い」「煮込む時間が長く食材のエキスが溶け込んだ油の味を楽しむ料理である」などいくつかあるものの、明確な違いはないようです。

アヒージョのオリーブオイルは健康的?

さて、アヒージョについてざっとおさらいしたところで、改めて「アヒージョは、オリーブオイルを使っているから体に良いのか?」について考えたいと思います。そのためにまず「オリーブオイルは本当に体に良いのか?」を検証してみましょう。

オリーブオイルが一般的に体に良いといわれているのは、主成分であるオレイン酸の働きによります。オレイン酸は、植物油に含まれている一般的な不飽和脂肪酸と比較して酸化しにくい特徴を持ちます。そのため、様々な疾病や老化の原因になるとされる活性酸素とむすびつきにくいのです。また、オレイン酸は体にたまりにくい不飽和脂肪酸の一種ですので、摂取しても脂肪として溜まりにくいうえ、血中コレステロールを排出させる働きをしてくれます。一般的な油に比べ太りにくいうえ、健康にも良いとされる理由がここにあります。

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オレイン酸の優れたところはこれだけではありません。体にたまりにくい不飽和脂肪酸のなかでも、人体に有用な働きをする善玉コレステロールには影響せず、悪玉コレステロールだけに作用する一価不飽和脂肪酸に属しているのです。一般的な植物油にもオレイン酸は含まれていますが、オリーブオイルの場合はその割合が70パーセントと非常に高いにも関わらず、不飽和脂肪酸であるリノール酸などの割合は極端に低くなっています。

オリーブオイルはそのほかにも、抗酸化作用のあるポリフェノールやビタミンEを多く含んでいるなど、栄養成分が非常に多いのが特長です。こうしたことから、健康に良いだけでなく、油なのに「摂取すると痩せる」とされ、「オリーブオイルダイエット」がもてはやされたこともあります。

ご説明してきた通り、オリーブオイルが健康に有用な効果があるというのはやはりたしかなようです。では、そのオリーブオイルをたっぷり使ったアヒージョは、健康に良いのでしょうか?

アヒージョは意外と高カロリー!食べ過ぎは禁物

結論から述べると、アヒージョは必ずしも健康に良いとはいえません。理由の一つはカロリーです。使う食材にもよりますが、アヒージョのカロリーは1人前でおよそ300~330キロカロリーになります。ご飯1膳(140グラム)が235キロカロリーですので、アヒージョは決して低カロリーではありません。加えて、アヒージョは主菜ではなく、お酒のつまみやパンやお米、そのほか副菜と一緒に食べるのが一般的です。ワインとの相性も良いため、パクパクと食べてしまうと、予期せず高カロリーを摂取していた、なんてことにも。

オリーブオイルが体に良い、あるいは、ダイエット効果があるというのは、少量を摂取したときに限った話です。風味づけとして食材に振りかける、あるいは、調理油として使用するぐらいならまだしも、パンなどを浸してたっぷり摂取してしまえば、いくら健康に良いオリーブオイルとはいえ、ほかの植物油と同様、太りもすれば、健康への悪影響も当然あります。

もう一つの理由は塩分です。アヒージョは、お酒のつまみという性質も持っています。このため、味が濃いめにつくられており、塩分の取り過ぎにもつながりかねません。アヒージョは、必ずしもヘルシーとはいえないのです。

【参考】
株式会社タニタ:カロリズム 「摂取カロリー早見表(外部サイト)」

アヒージョをおいしくヘルシーに食べる方法

そうしたアヒージョですが、工夫次第でヘルシーに食べられます。カロリーが気になる方はぜひ試してみてください。

のこったオリーブオイルは我慢

食材のうまみがたっぷり溶け込んだオリーブオイルにバゲットを浸して食べるのがアヒージョのだいご味の一つ……ではあるのですが、涙をのんで我慢しましょう。問題なのは、油の取り過ぎです。食材についている油を食べる分には影響ありませんが、鍋に残った油には手を付けないことが大切です。

オリーブオイルをほかの料理で使いまわす

たっぷりオリーブオイルは健康によくないとはいえ、食べずに捨てるのはもったいない気がします。お店では無理ですが、自宅で料理した場合は、残ったオリーブオイルをタッパーなどに保管しておき、ソースとしてほかの料理に使うなどして、何回かにわけて食べるという方法もあります。サラダのドレッシングがわり、あるいは、パスタのソースとしても使えます。

ただし、一度料理に使ったオリーブオイルは劣化しやすく長期間の保存はできません。2日以内を目安に使い切るようにしましょう。

野菜の水気を利用する

自宅で調理する場合、オリーブオイルの量をできるだけ少なめにすると良いでしょう。その際、普通にオイルの量を減らしただけだと十分に煮込めませんし、水などを加えてしまうと味が落ちてしまいます。そこで効果的なのが、水気の多い野菜から出る煮汁をうまく使う方法です。鍋で煮るだけでなく、蒸せばより水分が出ます。

メイン食材に加えてキノコやブロッコリーをたっぷり使えばさらにヘルシーなアヒージョに仕上がるでしょう。健康のためにも、油を取り過ぎないように食べ方や調理法を工夫し、健康的でおいしいアヒージョを楽しみましょう。

(記事提供元:サムライト株式会社、画像提供元:Shutterstock,Inc、PIXTA)

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50代から考える これからの暮らしとおかねのはなし編集部
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