リカレント教育のすすめ〜生涯学習でいつまでも充実した生活を〜

リカレント教育のすすめ〜生涯学習でいつまでも充実した生活を〜

リカレント教育のすすめ〜生涯学習でいつまでも充実した生活を〜

「人生100年時代」を迎え、関心が高まる「リカレント教育」。近年は厚生労働省により「教育訓練給付制度」が設けられるなど、大学などの教育機関で社会人が学びやすい環境が整ってきました。今回はリカレント教育の概要や必要性、メリットなどをお伝えします。

リカレント教育とは? 学問は年をとっても始められる

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リカレント教育は、欧米諸国で進んでいる生涯教育システムです。義務教育が修了した後、「教育」「就労」を交互に繰り返すしくみを指します。

リカレント(recurrent)は、再発、循環、回帰を意味する言葉であり、日本では一般に「社会人の学び直し」を意味します。家庭や仕事と両立しながら生涯にわたって学びの場を確保。キャリアアップやスキルアップをめざし、趣味や学問を深めていくというイメージが定着しつつあります。

リカレント教育の手段は、大学、大学院への通学、通信制大学などの通信講座、書籍での学習、講演会・セミナーなどがあげられます。

リカレント教育が行われている教育機関

日本ではどういった教育機関がリカレント教育の場を設けているのでしょうか。リカレント教育が行われている大学として、早稲田大学、京都大学、日本女子大学、明治大学、筑波大学、山口大学、岩手大学などが挙げられます。また、専門学校で提供しているところも。近年は誰でも通学しやすいよう週末や長期休暇の集中開講、ITの活用や補講の実施、託児サービスなどを実施しているところも見られます。

女性のキャリアアップカリキュラムが豊富な日本女子大学

日本女子大学は、日本初のリカレント教育課程として実績があり、女性のキャリアアップに役立つ語学、社会保険労務士の資格取得などのカリキュラムを用意。再就職も手厚く支援しています。

【参考】
日本女子大学 リカレント教育課程(外部サイト)

考古学や民族音楽など幅広いプログラムを提供する明治大学

明治大学では、ビジネスや語学、資格取得などのほか、考古学や民族音楽など幅広いプログラムがあり、会費制、法人優待制度も存在します。

【参考】
明治大学リバティアカデミー(外部サイト)

このほかにも生涯学習の中核として知られる「放送大学」など、自分の住んでいる地域、目的などにあった大学を選ぶことが可能です。

※2019年12月時点

なぜリカレント教育が注目されるの?背景を解説

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リカレント教育の特徴は、正規雇用者を対象とした企業内教育に頼ることなく、自ら学習機会をつくることができる点です。この教育システムが注目される背景には以下の理由があります。

超高齢化社会

「人生100年時代」を迎え、就業期間も長期化しています。それに伴い、定年退職後も働き続けるためのリカレント教育が求められています。将来を見据え、若いうちから転職や起業を視野に入れたキャリア形成を行っていきたいというニーズが広がっているのです。

デジタル化(IoT、AIなど)による雇用環境の変化

IoT、AIなど業務のデジタル化が革新的に進み、ビジネス環境が激変する中、新たな知識や技術を習得するため、大学や大学院で学び直す人たちが増えています。プログラミングやマーケティングなどの考え方を必要とする場面や職場があたり前になってきているのがその背景です。大学や大学院などでは仕事をしながら通えるカリキュラムやサービスが増え、国も支援体制を拡充しつつあります。

政府も推進

厚生労働省は、就業の安定や再就職の促進を目的にリカレント教育に必要な費用の一部を補助する教育訓練給付制度を創設。この制度には以下4つの給付金があります。

リカレント教育に関する給付金など

文部科学省も社会人の職業に必要な能力の向上を図る機会の拡大を目的として「職業実践力育成プログラム(BP)認定制度」という、社会人や企業等のニーズに応じた実践的・専門的なプログラムを認定しています。この制度は教育訓練給付制度と連携を組むなど、リカレント教育は国をあげて推進している取り組みといえるでしょう。

【参考】
教育訓練給付制度 |厚生労働省(外部サイト)
ハローワークインターネットサービス - 教育訓練給付(外部サイト)
職業実践力育成プログラム(BP)認定制度について:文部科学省(外部サイト)

リカレント教育のメリットはプライベートにもビジネスにもある!

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リカレント教育は、資格取得やスキルアップなど仕事に生かすためだけに存在するのではありません。趣味や学問を広げ、探究するといった生涯教育の側面などもあります。

社会とのつながり

企業や業界、地域など固定されたコミュニティーを飛び出し、あらたな学び舎(や)に入ることで、リフレッシュできるといった側面もリカレント教育の効果です。また、未経験の分野を学び、新たな出会いや社会的なつながりを育むことで、今まで築いてきた経験や知識を掛け合わせ、より価値の高い成果や達成感、人生観を生むチャンスも生まれます。

年収・就業確率の増加

内閣府の調査によると、自己啓発により生産性が上昇し、賃金が上昇する効果が指摘されています。具体的には自己啓発後の年収は2年後に約10万円、3年後では約16万円増加するとの推計があります。

また同調査によると、非就業者の就業確率が10~14ポイント上昇したと報告されています。リカレント教育が、就業希望者の市場価値の向上に直結することが分かります。

【参考】
第2章 第2節 人生100年時代の人材育成 - 内閣府(外部サイト)

専門性の高い職業へのキャリアアップ

仕事に直結した知識を習得してスキルアップすることで、業務効率化や生産性の向上やイノベーションの創出につながります。また、専門性の高い職業へのキャリアアップのチャンスにも恵まれます。働きがいも生まれるでしょう。

リカレント教育で「人生100年時代」を豊かに

今回ご紹介してきたように、働きながらでも、定年退職後でも学べる環境は以前とくらべて格段に整いつつあります。リカレント教育の重要性は今後ますます大きくなっていくことが予想されます。学び直すことで仕事や人生へのモチベーションが上がり、豊かな暮らしが実現可能です。

(記事提供元:サムライト株式会社、画像提供元:ピクスタ株式会社)

<ライタープロフィール>
50代から考える これからの暮らしとおかねのはなし編集部
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