心が豊かになる庭作りにおすすめのアイデア5選

皆さんの思う理想の庭はどんなものでしょうか?「ガーデニング」と聞くとちょっと難しいように感じるかもしれませんが、実は普通のレイアウトに少しの要素をプラスするだけでも可能になるものもあるのです。では、どなたでも簡単に実践可能なガーデニングのアイデアにはどんなものがあるのでしょうか。
1.花を植えるだけでなく「多目的スペース」を
庭の配置を考えるときに、お花エリア以外に「多目的スペース」を作ってみましょう。こうしたフリースペースがあることで、友人や家族を招いた時には庭でバーベキューを楽しむなど、ちょっとしたアウトドア気分も楽しむことができます。
「多目的スペース」のしつらえはどんなものでもOK。例えばリビングからウッドデッキやテラスで庭とガーデンを繋げれば、安心して小さな子供を遊ばせることもできます。
また、さわやかな季節にハンモックで読書をしたり、昼寝をしたりするのも庭がある家ならではの素敵な休日の過ごし方ですね。
2.ピザ窯を作ってみる
前述のようなバーベキューもできるスペースが庭にある場合は、ぜひチャレンジしていただきたいのが「ピザ窯」を庭におくことです。
ピザ窯は市販品も売っていますが、レンガで手作りするのもおすすめです。自作すれば材料費だけで作れます。
自分で育てた無農薬のトマトやハーブを使ったお手製のピザは、何よりのご馳走です。バナナやチョコレート、マシュマロなどを使ったスイーツピザも簡単に作ることができます。豪華な食材でなくとも、自作のピザ窯で焼いたピザはとても贅沢。お客さまにも喜んでいただけるのではないでしょうか。
3.バラの花にチャレンジ

バラと聞くと「育てるのが難しいのでは?」と二の足を踏んでしまうかもしれませんが、バラの咲く庭に憧れる方も多いはず。ぜひチャレンジしてみてはどうでしょうか。バラは美しい花と素晴らしい芳香を持つので、お庭を華やかにしてくれます。一季咲き、四季咲き、つる性、ミニバラなど種類も豊富にあります。
失敗が心配ならば、まずは鉢で育てられる品種を選ぶとよいでしょう。大きなバラも、剪定によってコンパクトに仕立てることもできます。月に1~2回の液肥と、3月・6月・9月にしっかり固形肥料を与えれば、美しい花を咲かせてくれますよ。
4.家庭菜園で無農薬・有機栽培にチャレンジ
健康志向が高まる今、購入すると高価なオーガニック野菜を自宅でも作れたら、うれしいですよね。スペースがなければ、プランター菜園がおすすめです。
プラスチックの野菜プランターがお庭の雰囲気にそぐわないのであれば、テラコッタの鉢にハーブやミックスサラダなどの種を蒔いてみてください。ベビーリーフとして、柔らかくおいしくいただけます。
種を蒔いたら、早めに防虫ネットを張るとよいでしょう。育てたい野菜や花のそばに植えることでよい影響をもたらす「コンパニオンプランツ」との共生もおすすめです。
5.レンガを有効的に使おう
せっかくの庭、見た目のおしゃれさにもこだわりたい。そんな方におすすめなのは、アンティークレンガの活用です。アンティークレンガは簡単にヨーロッパ風の雰囲気を作り出してくれます。左官工事などが必要で手間がかかるのでは?と考える方もいるかもしれませんが、ただ置いただけのレンガの上に鉢植えを飾るだけでも雰囲気が出ます。
余裕ができたらレンガの小道もおすすめです。モルタルで固定せずとも「砂決め」という、並べたレンガの間に砂を入れて固定する方法もあります。それなら何度でもやり直しができ、安心です。
自宅に合った植物の選び方と土壌改良

庭に植物を植えようと考えた時、つい見栄えを重視してしまいがちですが植物も生き物、その場の環境にあった植物を選ぶようにしたいものです。
まずは植物にとって一番大切なのは一日の日照時間です。自分の庭は一日中日が当たるのか、午後から日陰になるのか、あるいは一日中日陰なのかによって、選ぶ植物が変わってきます。
また、風通しは良いか、水はけの良い土壌なのかも把握しておきましょう。大雨の後、あまりにも水はけが悪いようなら、水はけをよくするための暗渠排水(あんきょはいすい)工事が必要となります。
植物が好む用土にアレンジする
植物を植え付ける前に最低でも30~40cmは耕しましょう。
乾燥気味を好むものには、腐葉土や軽石などをすき込み、盛り土をしてレイズドベッド(高畝)にすると良いでしょう。
また植物によって、好む用土の酸性度(ペーハー)が違います。弱アルカリ性を好むもの(ホウレンソウやレタスなど)には、植え付け前に苦土石灰を施したり、酸性を好むもの(ブルーベリーやアザレアなど)には鹿沼土やピートモスを混ぜ、酸性寄りにしたりします。
お庭にガラが入っていた場合は?
最初から良い土が入っていれば耕すだけで植付けられますが、問題は、ガラが入った土だった場合です。ガラとは、建築用語でモルタルなどの瓦礫や、鉄骨の破片などの建材ゴミのこと。土地を造成するときに、かさ増しで地中に入っている場合があります。
耕して出てきた瓦礫や廃材などのごみは、有料ですが土嚢袋などに入れて産廃業者に引き取ってもらいましょう。
ガーデンの予算の相場は?
理想の庭を作るにあたり、自分で作れば材料費のみですが、専門業者に頼むとどのくらいかかるのでしょうか。
当然のことながら、お庭の広さ使う材料、ガーデンデザイナーの知名度やブランドによっても変わります。価格の相場は一概には決められませんが、一般的な価格を見てみましょう。
基本的に自分たちで作りたい場合
新築時に、ハウスメーカーに相談してイングリッシュガーデンを作る場合、施主自らが作り上げていくという前提なら、ガーデンデザインと植物の手配のみでおよそ20万円ほどで収まる場合もあります。
業者によってはプラン見積もりまでは無料、というところもあります。どこまで自分たちの手でできるのか、ご家族で話し合ってみてくださいね。
なるべく業者にお願いしたい場合
土の入れ替えやトラックの手配、花壇の材料、植物を植付けるところまでやってもらうと、見栄えのするお庭を作りたければ約50万~100万円くらいの予算が必要となります。
メインガーデンのほかに、ウッドデッキ、通路の砂利敷き、フェンス、カーポート、駐車場の舗装などを含めると、約200万~300万円以上かかる場合もあります。
ガーデンから学ぶ、心豊かな暮らし

リビングのインテリアとは違い、庭作業には苦労も沢山あるかと思います。天候不良で肥料の量を調整したり、炎天下で草取りをしたりと、地味にコツコツと行う作業も多く根気が要ることでしょう。
しかし時間をかけたからこそ得られる喜びもあります。憧れの庭作りに向けて、ぜひ楽しくチャレンジしてみてください。
ライタープロフィール

家庭園芸普及協会グリーンアドバイザー・花咲くしずおかアドバイザー資格保有。
クリスマスローズ専門店「冥王堂」の店長。「クリスマスローズの世界展」にて特別賞・ミヨシ賞の受賞実績あり。ウェブサイトにて植物図鑑の執筆のほか、YouTubeチャンネルで園芸講師も担当。NHK出版「クリスマスローズのすべて」など園芸専門誌にも多数取材協力を行う。
現在は社会貢献のために行政の里親認定を受け、虐待保護児童の社会的養育の勉強にも注力する。
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