人生の最後を自分らしく自由に綴る、「エンディングノート」活用法

人生の最後を自分らしく自由に綴る、「エンディングノート」活用法

人生の最後を自分らしく自由に綴る、「エンディングノート」活用法

人生の最後を自分らしく迎えるための「終活」が広まるにつれて、「エンディングノート」の活用が注目を集めています。今回は葬儀、お墓など終活関連サービスを展開する株式会社鎌倉新書の広報・古屋真音さんに、「エンディングノート活用法」を聞きました。

エンディングノートとは?

エンディングノートとは?

エンディングノートは、終活に取り組むにあたって、自身の思いや希望などを記録するためのノートです。一昔前は「死」について語ることはタブー視されていましたが、近年、「人生の最後まで自分らしくありたい」という考え方が広まり、エンディングノートの活用についてもクローズアップされるようになりました。

鎌倉新書で広報を担当する古屋さんによると「ご家族や周囲の方に迷惑をかけたくないという思いから、終活に取り組む人が増える一方で、終活は身の回りの整理からお墓や葬儀の準備、相続など内容が多岐にわたるうえに、自分だけでは決めることが難しい問題もたくさんあり、途方に暮れてしまう人も多いものです。そこで活用したいのがエンディングノート。ノートに自分の希望や、ご家族にとって必要な情報をいったん書き出してみることによって、自分の気持ちや必要な終活の項目を整理することができます。その意味でエンディングノートは終活の“はじめの一歩”と言えるのです」とのこと。

現在では書店でも様々な種類のエンディングノートが販売されています。自治体や企業・団体が作成、配布しているものもあります。ノートによって記入できる項目が異なるので、中身を確認し、自分の好みや目的に合わせて選びましょう。

鎌倉新書のエンディングノートに関する取り組み

未来想像WEBマガジン
鎌倉新書のエンディングノート

お墓、仏壇、相続といった終活に関するサービスを提供する鎌倉新書には、近年、生前に自身のための葬儀やお墓を検討する人が増加しており、終活についての相談も数多く寄せられるようになっています。「家族や大切な人に迷惑をかけず、自分らしい最期を迎えたい」という相談者の悩みに寄り添い、ともに課題の解決に取り組むために、鎌倉新書では2種類のエンディングノートを作成しました。

1つは、自身の旅立ちを準備するためのエンディングノートで、介護や延命治療、お葬式などについての希望を書き記すことができます。もう1つは、大切な人のために記すエンディングノートで、ご家族を見送る方と、見送られる方の双方で想いを綴ることができるようになっています。古屋さんは「自分らしい介護や供養について考えるだけでなく、大切な方との絆を深めるためのツールとして、2つのエンディングノートを活用していただきたい」と話します。

エンディングノートの書き方や内容は自由

エンディングノートの書き方や内容は自由

古屋さんによると、「エンディングノートには決められた書き方はない」とのこと。ノートの項目を見て、書きやすいところから自由に書き始めてみましょう。例えば、これまでの人生で起きた出来事を書き並べて自分史を作ったり、家族の連絡先や交友関係などをまとめてみたりと、楽しみながら取り組むことができます。

ただ、家族や大切な方にとって必要な情報は、できるだけ詳しく記しておきたいものです。例えば、終末期医療に関する希望や保険や年金などの情報、もしもの事があったときの知人や友人の連絡先などは、残された家族が後悔なく見送るためにも必要な情報といえます。「もしものときに、この情報があれば家族が助かる」という観点から情報をまとめてみるのがポイントです。

「エンディングノートは全部の項目を埋める必要はありません」と古屋さん。「考えが変わったら書き直したり、書き足したりすることもできます。定期的に見直しをして、変更点があれば更新しておくことをおすすめします」とのこと。

何でも自由に書くことができるエンディングノートですが、注意しておきたいのは、エンディングノートには法的拘束力がないということ。財産(遺産)の分与や不動産の管理など資産についての取り決めなどを書きたい場合は、法的拘束力のある『遺言書』を活用しましょう。

古屋さんは「エンディングノートに個人情報やデリケートな内容を書いていくうえで保管場所は非常に重要です。すぐ目につくところに保管しておいて、誰かに見られてしまうことでトラブルにつながる可能性もあります。しかし、もしものときにすぐにノートが見つからないような場所に保管すると、ご自身の意思を伝えることができません。信頼できる方にエンディングノートの存在を伝えておきましょう」と呼びかけています。

エンディングノートが人生を振り返るきっかけに

エンディングノートが人生を振り返るきっかけに

鎌倉新書には、実際にエンディングノートを書いた方や受け取った方から「ついに書き上げたという達成感を得られた」「元気なうちに書いておいたので年をとって記憶に自信がなくなった時にも備忘録として役に立った」「家族が倒れた時、エンディングノートを書いてくれていて助かった」など、様々な声が届いています。
古屋さんは「エンディングノートを書くことによって、気持ちが整理され、日々の不安が解消したという人や、やり残したことに気づき新たに夢や目標が見つかったという方も。エンディングノートを記すことは、これまでの人生を振り返り、ご自身と向き合い、生き方について考えるきっかけになるのかもしれません」と話しています。

自分の死後のことを生前に決めて記しておくことは、自分らしい人生を送るためだけでなく、もしものときに、残されたご家族の負担を軽減することにもつながります。エンディングノートを大切な方とのコミュニーケション手段としてご活用してみてはいかがでしょうか。

終活については、こちらの記事でも詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
現役世代から知っておきたい、終活と3つの寿命【前編】(外部サイト)
現役世代から知っておきたい、終活と3つの寿命【後編】(外部サイト)

<取材協力>
株式会社 鎌倉新書(外部サイト)

ライタープロフィール
未来想像WEBマガジン
星 なおみ
広告会社、事業会社でマーケティングおよび後方事務に従事。長年、プロモーションやコンテンツ企画、ライティング、制作ディレクションを行ってきた経験を活かして、記事やコラムを執筆している。中でも、シニアや終活領域においては、業界に精通した立場から調査活動やイベント開催なども行っている。

星 なおみの記事一覧はこちら

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