春の知らせを告げる「流氷ツアー」で大自然の一部になる

春の知らせを告げる「流氷ツアー」で大自然の一部になる

春の知らせを告げる「流氷ツアー」で大自然の一部になる

冬の終わりと春の訪れを告げる流氷。海を覆う姿は圧巻です。そんな絶景は世界の一部だけで見られる光景と思っている方も多いはず。実は日本国内でも流氷を気軽に楽しめます。今回は国内外で楽しめる、夢のような流氷ツアーを実現する方法をお伝えします。

自然が生み出す神秘的な光景!流氷が発生するメカニズム

自然が生み出す神秘的な光景!流氷が発生するメカニズム

流氷とは、海上を漂流する雪や氷のかたまりのことをいい、主に北極圏や南極圏付近とオホーツク海で発生します。
海水はマイナス1.8度で凍るので、流氷の温度はだいたいこのマイナス1.8度と気温の中間くらいになります。

流氷が発生するメカニズムは、外気によって冷えた海水と深海の温かい海水が混ざり合う「対流」によるものです。
対流が繰り返し発生していくと、海の温度が下がっていきマイナス1.8度に達し、海の表面が凍りつく「海氷」が発生します。この海氷が大気の流れによって押し出されることで、海を漂う流氷となるのです。
なお、海水は前述したように大気に面した部分から冷えていくので、数百メートル以上の水深では真冬でも凍結がしにくくなっていますが、オホーツク海など一部の地域では河川から大量の淡水が流入し、海の表層と深部で塩分濃度に差が出ます。
塩分濃度の濃い深部と混ざり合わずに濃度の薄い表層のみが凍結するため、実質水深50〜60メートル程度の海に近い状態となり、流氷が発生しやすくなるのです。
このように、ただ寒冷地であること以外の要素も流氷が発生するメカニズムとなっています。

また、流氷は個々が非常に巨大なことが特徴で、大きいもので数十キロメートル・厚さ2~3メートルにまでおよぶものもあります。実際に目のあたりにすると、その大きさに圧倒されることでしょう。
参考:帝国書院 地理・地図資料 2016年度 2学期②号(外部サイト)

どうせ行くなら海外旅行で!世界のこんなところで楽しめる「流氷ツアー」

どうせ行くなら海外旅行で!世界のこんなところで楽しめる「流氷ツアー」

カナダ・マドレーヌ島

カナダのケベック州東部、ローレンス湾に浮かぶマドレーヌ諸島は冬になると辺り一面雪や氷で覆われて、もちろん流氷も見ることができます。

また、近海の流氷上では、2月から3月にかけてタテゴトアザラシが出産と子育てをすることで有名です。タテゴトアザラシの赤ちゃんを見学するプランも存在しており、ヘリコプターで上空からタテゴトアザラシの親子を探すといった内容です。ヘリコプターに乗ることも、なかなか普段の生活では体験できないことですね。

空から流氷を眺めるだけでなく、アザラシと遭遇できるかもしれないマドレーヌ島は、最高の冬の旅を演出してくれそうです。

アルゼンチン・ウスワイア

南極にいちばん近い、世界最南端の都市である人口約70,000人のウスワイアは、南極からわずか1,000キロメートルしか離れていません。ウスワイア一帯に広がるビーグル海峡は、進化論を唱えたダーウィンが珍しい動植物を観測した場所でもあるといわれています。

南極ペンギンやアシカなどが生息するウスワイアでも「流氷ツアー」を体験できます。クルーズ船で見る「流氷ツアー」にはウプサラ氷河やスペガッツィーニ氷河を巡るものもあり、雄大な自然に触れられることが魅力です。

国内でも体験できる!北海道のオホーツク海で楽しむ流氷ツアー

海外だけでなく国内でも流氷を体験することはできますが、国内で流氷が見られるのは唯一北海道の「オホーツク海沿岸」だけです。
なんとこのオホーツク海沿岸は、世界で最も低い緯度で流氷を観測することができる場所なのです。世界を巡ってきた流氷を、ここ日本で目にすることができるロマンも流氷ツアーの魅力の一つといえるでしょう。
船や列車など、好みに合わせてツアーを選べるのも魅力です。

国内でも体験できる!北海道のオホーツク海で楽しむ流氷ツアー

砕氷船上から流氷を楽しめる!「ガリンコ号Ⅱ」

ガリンコ号IIは、大きい2つのドリルで海面の流氷を砕きながら大海原を突き進む砕氷船です。
流氷観光を目的に作られたガリンコ号IIは、総トン数が150トン、定員人数195名と大型で、名前の通りガリガリと氷を砕きながら進みます。やはり船の上から見る流氷は迫力満点。ほかでは体験できない内容です。

なお、後継となるガリンコ号IIIの就航に伴って、2021年にはガリンコ号IIは引退する予定となっており、ガリガリと流氷を砕きながら突き進むガリンコ号IIならではの「流氷ツアー」は2020年が最後となります。この機会にぜひ、ガリンコ号IIに乗船してみてはいかがでしょうか。

列車の車窓から流氷を楽しむことができる「流氷物語号」

「流氷物語号」は、オホーツク海沿岸を走行していた「流氷ノロッコ号」の後継列車として誕生した観光列車です。JR網走駅~知床斜里駅間を1日2往復、約1ヵ月の期間で運行します。(2020年は2月1日~3月1日まで)

「流氷物語号」は、オホーツク海にいちばん近い駅である「北浜駅」で途中停車します。沿岸から望むオホーツク海は辺り一面流氷で覆われて、まばゆいほどの銀世界を目に焼き付けることができるでしょう。
流氷は、海流や天候によって日々変化するので、列車の車窓から見る「流氷の表情」を味わってみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は寒い冬ならではの流氷の楽しみ方をご紹介しました。国内外様々な流氷ツアーが存在していて、どれもそのツアーならではの魅力があります。
ご自身のプランにあった流氷ツアーを見つけて、テレビや写真でしか見られないような非日常を体験しに出かけてみてはいかがでしょうか。

【参考】
オホーツク・ガリンコタワー株式会社 ウェブサイト(外部サイト)
株式会社紋別観光案内所 流氷砕氷船ガリンコ号Ⅱ(外部サイト)
JR北海道 「流氷ノロッコ号」の運転について(外部サイト)
JR北海道 流氷観光期間に「流氷物語号」を運転します(外部サイト)
たびらい 北海道 ウェブサイト(外部サイト)
北海道立オホーツク流氷科学センター ウェブサイト(外部サイト)
AB-ROAD マドレーヌ島旅行・マドレーヌ島観光徹底ガイド(外部サイト)

ライタープロフィール

長島 美帆
長島 美帆
翻訳・通訳者。イギリス音楽好きが高じて、大学卒業後に語学留学のため1年間イギリスに滞在。帰国後は様々な企業で産業翻訳に携わる。
語学留学から8年を経てイギリスへの思いが再燃し、33歳でイギリス大学院留学を果たす。イギリス留学中にヨーロッパ12ヵ国を旅し、見聞を広げる。現在は大学院で学んだことを活かし、企業内で翻訳・通訳を行っている。

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