「ほど良い異国感が味わえる」料理本編集者のおすすめ台北グルメ
「ごはんがおいしく、ほど良い異国感があるところが台湾の魅力」と話すのは、料理関係の書籍編集者として活躍するAさん。すばらしい仕事ぶりと食への感度の高さに、同業者からも一目置かれる憧れの存在です。

最初にAさんがおすすめしてくれた台北グルメは、地元の皆さんで朝から活気づく光復市場エリアにある人気の野菜饅頭の店「光復市場素食包子」です。
「すべて植物性の素材ですが、うまみが強くボリュームもたっぷりで満足感があります。店先であんを包み、発酵させている様子を眺めるのも楽しいですよ」
レジにあるメニューを使って指差しで注文できるので、言葉の心配はいりません。早朝から営業しているので、朝ごはんにもぴったりです。
![さやいんげんを刻んだ具が入った「四季豆素包」[画像提供・Aさん]](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/mizuho-images/images/1400.jpg)
【光復市場素食包子】
台北市信義區光復南路419巷95號
![「青島飯糰」の「綜合肉鬆」。中には具がぎっしり[画像提供・Aさん]](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/mizuho-images/images/1401.jpg)
続いてのおすすめは、台北駅近くにある台湾式おにぎりの屋台「青島飯糰」。
「飯糰」とは少し細長い形をした海苔巻きのような、もち米のおにぎりのことで、台湾の朝食でよく食べられています。
「白米と黒米が選べ、具も好みのものを選べます。写真の『綜合肉鬆』は、薄焼き卵や肉そぼろ、細長い揚げパンの油条、ザーサイなどいろいろな具が入っていて、様々な味と食感が一度に楽しめるので、おすすめです」
![台北から台中へ向かう鉄道の車内で[画像提供・Aさん]](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/mizuho-images/images/1402.jpg)
Aさんは鉄道で移動する際に、朝ごはんとして購入したとのこと。車窓を楽しみながら食べるのは、また格別でしょう。
【青島飯糰】
台北市中正區青島西路13號
![たくさんあって選びきれないほどのメニュー[画像提供・Aさん]](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/mizuho-images/images/1403.jpg)
Aさんが最後に紹介してくれたお店は、クラフトビール専門店「HODALA」です。日本でも人気のあるクラフトビールですが、最近、台湾でもおしゃれな人たちの間で人気急上昇中。台湾産のフレッシュなクラフトビールを味わえるお店が増えているそうです。
![少量ずつ味見できる飲み比べセット[画像提供・Aさん]](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/mizuho-images/images/1404.jpg)
「タップ、瓶など、様々な台湾産クラフトビールがあり、どれを注文したらいいか悩んでしまいますが、少量ずつ飲み比べできるセットもあるので、何人かで行ってシェアするのもおすすめ。台湾はレストランにあまりお酒がないので、食後に行くのもいいかもしれません」
【HODALA】
台北市大安區永康街4巷10號
台湾にビジネスを展開して30年、おいしい台北グルメを知り尽くす実業家
2人目の台湾通は、国際的にビジネスを展開する実業家・Mさん。台北には約30年前に事務所を構えて以来、高級店から庶民派の店、スイーツなど様々な台湾グルメを食べ尽くしてきました。

ぜひ食べてほしい一品としてあげてくれたのは、牛肉の饅頭を鉄板で焼いた「牛肉餡餅」。牛肉餡餅で知られる「朱記」は台北市内に複数の店舗を展開していて、Mさんもランチでよく利用するそうです。
「まず牛肉餡餅に穴を開けるとスープがたっぷり出てくるので、レンゲにすくって少しスープを味わってから、醤油、酢、ラー油をつけていただきます。台湾の方は牛肉餡餅と一緒に、ハトムギや豆が入っている粟で作った『小米粥』を一緒に食べる人も多いですね」
そのほか「北平半畝園」というレストランの「牛肉餡餅」もおすすめだそうです。
![最近新しくオープンした「朱記 信義店」は大通りに面していて、場所も分かりやすい[画像提供・Mさん]](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/mizuho-images/images/1406.jpg)
【朱記 信義店】
台北市大安區信義路三段124號
【北平半畝園】
台北市大安區東豐街33號
![地元から愛される紅焼牛肉麺、薬味の芥子菜を入れるのを忘れずに[画像提供・Mさん]](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/mizuho-images/images/1407.jpg)
続いて紹介してくれたのは、台湾グルメの定番「牛肉麺」です。台北には牛肉麺がおいしいお店がたくさんありますが、Mさんが長年通い続けているのは「永康牛肉麺」というお店。
「メニューには辛いスープの紅焼牛肉麺と塩味さっぱりスープの精燉牛肉麺がありますが、お客様の大半は紅焼牛肉麺を頼んでいます。テーブルの上には、薬味として酸味のある芥子菜(日本の高菜のような野菜)の漬物が置かれていて、これを紅焼牛肉麺に加えると、優しくて深みのある味になるので、ぜひ、入れてみてください」。
![Mさんがいつも頼む小菜は、野菜や豆腐を使ったヘルシーなもの[画像提供・Mさん]](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/mizuho-images/images/1408.jpg)
また「永康牛肉麺」では、麺のお供に食べる小菜(副菜)をすべて手作りしているので、これも忘れずに味わってほしいとのことでした。
【永康牛肉麺】
台北市大安區金山南路二段31巷17號
続いて、Mさんのおすすめデザートは、台湾伝統のスイーツで、豆乳を固めて作る豆花です。Mさんの行きつけは、「庄頭豆花担」です。
「こちらの店では一般的な白い豆花のほかに、黒豆で作る黒みがかった豆花があります。上にのせるトッピングは20種類ほどあり、好きなだけのせることができますが、私は緑豆、ハトムギ、寒天など6~7種類ほどにしています」
![トッピングは指さしで注文できるので言葉ができなくても安心[画像提供・Mさん]](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/mizuho-images/images/1409.jpg)
![ミントグリーンの外観が目印[画像提供・Mさん]](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/mizuho-images/images/1410.jpg)
【庄頭豆花担】
台北市松山區市民大道四段73號
台湾の人の優しさに魅了された元CAおすすめの、元気になれる店

かつてキャビンアテンダントとして世界中を飛びまわり、現在はアメリカ在住のYさん。2005年にはじめて台湾を訪れたときに、人々の優しさに触れたことをきっかけにその魅力にはまり、1~2週間の短期留学とホームステイも含めて、これまでに約25回訪問しているそうです。
そんなYさんから「お店の人との何気ないやりとりからも優しさを感じ、元気をもらえる」という、とっておきの台北グルメを2店教えてもらいました。
まずは無添加でおいしいパイナップルケーキが買えるパン屋さん「手天品」。
「一見普通の“地元のパン工房”なので、見落としてしまいそうな小さなお店ですが、パイナップルケーキはもちろん、クッキーなどほかの商品も絶品。ラッピングもしてくださるのでおみやげにもおすすめです」
【手天品】
台北市大安區潮州街188-1號
もう一つのYさんのおすすめは、台湾茶品評員が営む「意翔村茶業有限公司」。台湾ではお茶の種類もたくさんあり、値段も幅広いため、いざ購入となると不安もあるのですが、こちらのお店なら確かな品質の台湾茶を適正な値段で購入できるのだそうです。
![6〜7種類のお茶をテイスティングさせてもらえる[画像提供・Yさん]](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/mizuho-images/images/1411.jpg)
「東方美人や珍しい台湾産肉桂茶など、6~7種類のテイスティングができます。大きな茶葉の缶が所狭しと置かれ、卸業者さんのような地味な店構えですが、足を踏み入れると『お茶飲んでいきますか』と優しい笑顔で迎えてくれます」(Yさん)
【意翔村茶業有限公司】
台北市大安區新生南路一段161巷6之2號
まとめ
今回、ご協力いただいた台湾通の皆さんはお忙しい人ばかりですが、「おすすめグルメを聞かせてほしい」とお願いすると快く、そしてとても熱く、お話を聞かせてくれました。おいしい食べ物を愛するグルメな人たちをここまで魅了する台湾、皆さんもぜひ味わってみてください。
ライタープロフィール

大学卒業後、出版社に入社。 雑誌編集として約8年勤務の後フリーランスのライター・カメラマンに。 WEB、雑誌、広報誌など、さまざまな媒体で取材・執筆を行っている。得意とする分野は旅・食・健康。温泉とお酒には特に目がない。
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