2020年もブーム継続!?サウナとビジネスエリートの「ととのう」関係

2020年もブーム継続!?サウナとビジネスエリートの「ととのう」関係

2020年もブーム継続!?サウナとビジネスエリートの「ととのう」関係

今や経営者を始めとするビジネスエリートの中にも、サウナにハマる“サウナー”が続出しています。「SAUNA FES JAPAN2019」のプロデューサー、サウナ師匠こと秋山大輔さんにお話をうかがうと、サウナとビジネスの深い関係が見えてきました。

倍率6倍!令和に生まれ変わったサウナフェス

倍率6倍!令和に生まれ変わったサウナフェス
2019年9月に開催された「SAUNA FES JAPAN 2019」

古き良き昭和のイメージから脱却し、カルチャーとしてとどまることを知らない令和のサウナブーム。その最たる例には2019年9月に開催された日本最大級のサウナイベント、「SAUNA FES JAPAN 2019」があげられます。イベントプロデューサーを務めた秋山さんによると、3日間で各日200名を定員としたところ、チケットの倍率が6倍にものぼったそうです。

「20代、30代のお客さんが一番多く、男女比も五分五分くらいになりました。過去3回は通し券もあったのを当日券のみに限定し、チケットの販売方法も先着制から抽せん制に。これまでのやり方では、パソコンの前にかじりついて応募開始を待つコアなお客さんで埋まっていたでしょう。せっかく、タナカカツキさんのマンガ『サ道~マンガで読むサウナ道~』がヒットして、『サ道』というドラマもテレビ東京系で放映されたのですから。間口を広げて、サウナに入ったことがないような若い女性もエントリーしてもらえるようにアプローチしたいと思ったのです」

サウナフェスの前身となったのは「日本サウナ祭り」。フィンランド式サウナの魅力を日本に伝えることを目的に結成されたフィンランドサウナクラブにより、2015年から3回、長野県の小海町で開催されてきました。

「日本のサウナというと、温浴施設の一角にあり、クローズドなイメージですよね。高温かつ低湿度なドライサウナというジャンルで、苦しみを我慢することが美徳扱い。でも、本場フィンランドのサウナは熱した石に水をかけて蒸気を起こす「ロウリュ」が欠かせません。低温かつ高湿度ですから気持ちよく過ごせますし、サウナを出た後には水風呂代わりに湖へ飛び込みます。その開放感がたまりません。そうしたサウナの多様な楽しみ方にも触れてもらいたくて、イベント名やチケット販売方法を変更するだけでなく、サウナの数も大幅に増やしました。アウトドア要素を楽しめるテントサウナや、車を改造した移動式サウナなど全19種。お客さん同士で譲り合ったり、初対面なのにサウナを教え合ったり。そうしたピースフルな光景はサウナのイベントならではかもしれません」

「東京ガールズコレクション」を始めとする数々のイベントを手がけてきた秋山さんは、サウナフェスとそのほかのイベントには決定的な違いがあると話します。

「こんなにもチルアウトを追求するフェスはほかにありません。交感神経だけではなく副交感神経にも働きかけ、一人でも仲間とでも、リラックスして楽しめる。サウナは苦行ではなくエンターテインメントなのです」

「ととのう」をゴールにしたサウナのメカニズム

「ととのう」をゴールにしたサウナのメカニズム
「SAUNA FES JAPAN 2019」の様子。自然の中でリラックスする参加者たち。

活発な動作の源となる交感神経と、睡眠やリラックスをもたらす副交感神経。サウナと水風呂で前者を刺激し、外気浴で一気に後者が優位になり、自律神経が整えられてメンタルが安定することは、サウナ好きの間で「ととのう」といわれています。

「「ととのう」という言葉は日本のサウナカルチャーの発明といえるかもしれません。「ととのう」という命名があったことで、サウナ・水風呂・外気浴を1セットにととのう状態をめざす方程式ができあがりました。今ではフィンランドに逆輸入されて、彼らも『トトノウ』という言葉を使っています。おもてなしがそうであったように、日本にしかない言葉なのです」

自立神経の強化とメンタルのリフレッシュ。秋山さんもまた、サウナがもたらす効能に大きく救われたひとりでした。

「イベント制作会社に勤めていたころ、自律神経が乱れたことがありました。ハードワークが原因で、心身ともにとても辛くなってしまったのです。それがサウナに通い、「ととのう」ことを繰り返したおかげで回復。だから、仕事の忙しいビジネスエリートやクリエイターにこそ、サウナをおすすめしたいと思っています」

サウナで考え、水風呂で決断し、外気浴で無になる

サウナで考え、水風呂で決断し、外気浴で無になる
「SAUNA FES JAPAN 2019」の様子。キャンプ場に浴槽も用意された。

仕事柄、経営者や取締役といったビジネスエリートとサウナに入ることも多い秋山さん。大きな決断を下すときこそ、サウナが活きてくると話します。

「経営指針を決めるときには、自分の直感的な部分と向き合う必要があります。色々な人の意見を聞いていたら、判断がブレてしまうじゃないですか。その点、サウナであればスマートフォンやパソコンを持ち込めず、人間関係や情報をシャットダウンして考えを研ぎ澄ますことができます。ただ入っているだけなので、マインドフルネスや座禅と比べてもずいぶんと簡単。サウナで考え、水風呂で決断し、外気浴で無になるという経営者はたくさんいます。彼らは時間を無駄にしない生活をするので、朝からサウナに入ることもあります。朝ランや朝スイムのような感覚ですね。リカバリーではなくポジティブな目的で取り組む、攻めの朝サウナといえるかもしれません」

ビジネスにおけるサウナのポジティブな効果はそのほかにも見過ごせません。ひとりで考えるだけでなく、文字どおり裸の付き合いをすることも、ビジネスマッチングにとても重要だといいます。

「フラットな立場で信頼関係を構築できるのがサウナという空間。そこでは肩書きも収入も関係ありません。そうした場所で、それこそ裸一貫で向き合うことで、ビジネスの話も早く進めることができます。あるいは、関係構築だけでなく、お互いにととのうこともビジネスをするうえで重要。精神状態を安定させてから商談に向かうという点でも、サウナには大きな役割があります。それを狙ってか、フィンランドにある大企業の役員フロアにはサウナが設置されていることが珍しくありません。駐日フィンランド大使館にもサウナが二つあります。外交という国単位の大きなビジネスでさえ、裸の付き合いから始まるものなのです」

2020年、サウナから新たなビジネス展開が広がるかもしれません!

この人に聞きました
秋山 大輔さん
秋山 大輔さん
1978年生まれ。東京都出身。プロダクション会社、イベント制作会社を経て、2014年に株式会社WHYiTのCEOとして独立。様々な企業のブランディングやプロモーションに携わる。20代よりサウナに熱中し、プロサウナーの「サウナ師匠」として普及活動に励むほか、サウナ専門ブランドTTNEを主宰。「SAUNA FES JAPAN 2019」を始め、下北沢ケージや東京スカイツリータウンなどサウナプロデュース活動は多岐に渡る。
ライタープロフィール
丸茂 健一
丸茂 健一
編集者・ライター。1973年生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、旅行雑誌編集部勤務を経て、広告制作会社で教育系・企業系の媒体制作を手がける。2010年に独立し、株式会社ミニマルを設立。ビジネス全般、大学教育、海外旅行の取材が多い。

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