50年前と比べて物価は3倍!じわじわ進むインフレに備えて私たちがやるべきこと

50年前と比べて物価は3倍!じわじわ進むインフレに備えて私たちがやるべきこと

50年前と比べて物価は3倍!じわじわ進むインフレに備えて私たちがやるべきこと

日本政府は近年、物価の前年比上昇率を2パーセントとする穏やかなインフレ目標を掲げています。消費者からするとインフレにはあまり良いイメージがないかもしれませんが、経済発展に物価の上昇は欠かせません。その仕組みと暮らしへの影響を解説します。

インフレとは?

インフレとは?

「インフレーション(以下、インフレ)」とは、物価が継続的にあがっている状況のことです。モノの値段があがるため、相対的にお金の価値は継続的に下がることになります。

インフレになると、例えば、300円だったサラダ油が原材料や内容量は同じなのに350円になります。その場合、お金の価値は50円下がったといえます。生活を取り巻く様々な分野や製品でこのようなことが起きるため、消費者は「物価があがっている状況」を実感することになるでしょう。

物価があがるということは、企業の収益も増えて従業員の給料もあがりやすくなり、必然的に消費者の購買意欲は高まるといわれています。ただし、物価があがった分と同等かそれ以上に給料もあがらなければ、家計は苦しくなってしまいます。

つまり、景気を良くするには、物価と給料の両方があがることが重要なのです。そのため日本では現在、物価の前年比上昇率2パーセントを掲げ、穏やかなインフレを生み出して経済成長を促す動きがあります。

過度なインフレが引き起こしたバブル崩壊

日本はかつて、過度なインフレによって「バブル崩壊」といわれる、景気の悪化を引き起こしています。

1980年代後半以降、政府が景気対策のために行った金融緩和により株や土地の価格は継続的に上昇し、実態が伴わないお金の好循環が生まれて市場は好景気にわきました。その後、株価は大きく下落しましたが、多くの人が「好景気は続く」と信じて投資を続けました。しかし、その後、土地の価格も急落して長い不況の時代に入ったのです。

インフレの反対、デフレとは?

インフレの反対の状況を「デフレーション(以下、デフレ)」といいます。デフレとは、物価水準が継続的に下がっている状況のことで、インフレと逆の動きになります。例えば、300円だったサラダ油が250円で買えることになり、その場合、お金の価値は50円あがったといえます。

物価が下がることで物は買いやすくなりますが、企業の収益は減る可能性が高まります。その結果、給料も下がることになってしまうと家計は厳しくなるのです。

以上のような景気動向に振り回されない家計を作るためには、お金やインフレの知識を身に付け、対策をしておくことが大切になります。

物価の動きが分かる「消費者物価指数」とは

物価の動きが分かる「消費者物価指数」とは

インフレを判断する基準の一つが、物価の動きを数値化した「消費者物価指数」です。総務省が毎月公表している物価の動向を示すデータを基に算出され、1946年の調査開始以降、国の政策決定などに用いられています。

消費者物価指数によって、物価が以前と比べてどのくらいの水準になっているのか、客観的に知ることができます。日本全体の指数だけでなく、都道府県ごとの消費者物価指数も発表されるため、各エリアの傾向もつかめます。なお、指数は同じ品目を調査対象としているため、新商品や新サービスなどは随時反映されません。そのため、5年に1回、調査対象品目の入れ替えが行われています。

この指数から見ると、日本の物価は近年じわじわとあがっています。具体的に現在の指数はどうなっているのでしょうか。

コロナ禍における消費者物価指数の変化

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で流行し、日本の物価も大きな影響を受けました。消費者物価指数(総合)は2020年10月に前年同月比でマイナスとなり、その後2021年8月までマイナスのままでした。

参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構 「新型コロナウイルス感染症関連情報:新型コロナが雇用・就業・失業に与える影響 国内統計:消費者物価指数」(外部サイト)

一方、少し長い目で見ると物価水準の印象は変わってきます。例えば、2020年の消費者物価指数を「2020年=100」として算出したところ、1970年が30.9となり、この50年の間に物価は約3.2倍になっているのです。

参考:日本銀行 教えて!にちぎん「Q昭和40年の1万円を、いまのお金に換算するとどの位になりますか?」(外部サイト)

つまり、2021年においては一時的に物価が下落したものの、長期的には物価はあがっています。今後、経済が回復してきたと実感できるフェーズになれば、物価はよりあがりやすくなると考えられます。

インフレに強い資産とは

インフレに強い資産とは

前述のように、インフレで物価水準があがるということは、消費者の支出が増えるだけでなく、手元にあるお金(現金)の価値が下がることにもなります。

そのような状況においても「強い資産」であるか否かは、「価格が変動するかどうか」で判断できます。株や投資信託、不動産、ゴールド(金)などが強い資産の代表例です。つまり、ある程度、物価の動きに応じた価値で評価される資産を持つことで、インフレ対策につながるのです。

今すぐチェック!インフレ対策のための投資法

今すぐチェック!インフレ対策のための投資法

インフレにおける資産の目減りを防ぐためには、市場動向に連動した動きをする資産を持っておくこと。そのために投資は有効といえます。代表的な投資先を紹介します。

インフレを見据えた資産の投資先とは?

当面使う予定のないお金については、以下のような投資先で運用することで、インフレに対応できるだけでなく、より効率良くお金を増やすチャンスにつながる可能性があります。

・株
・投資信託
・不動産
・コモディティ(ゴールド、プラチナなど)

また、1種類だけでなく、複数の投資先にバランスよく投資することも大切です。同じ種類の投資先でもさらに分散投資することで、価格変動の幅を抑えられる効果もあります。例えば、投資信託であれば、国内株式や海外株式、投資先の業種など様々な種類があり、各商品にバランスよく投資することで、リスクを抑えることができるのです。

デフレになったらどうする?資産運用のコツ

一方で、「デフレになったらどうすれば良いの?」という不安もあるでしょう。

デフレになると物価水準が継続的に下がり、インフレには強い株や投資信託、不動産、コモディティなど、価格が変動する商品も値下がりする傾向にあります。一方で、現金の価値はあがります。

そのため、投資商品の一部を売却して現金化したり、外貨預金に預け替えたりすることがデフレ対策になります。円の価値が高い時期であれば円以外の預金を持ちやすいだけでなく、リスク分散の効果や円預金より高い金利で運用できる可能性があるのです。

また、長期投資を目的とした投資先であれば、価格が回復するまで持ち続けるのも一つの方法です。前述のように、このような場合に備えて投資には当面使う予定のない資金をあてるのが良いでしょう。仮にデフレがいつまで続くか分からない状況であるなら、投資で得た利益を早めに現金化して、一度確定させておくという方法もあります。

まとめ

まとめ

今後の物価の動きを正確に予測することは難しいですが、今から少しずつ資産運用を行うことで、インフレによる影響を受けにくい家計・資産を作ることができます。投資はお金を増やす目的だけでなく、守ってくれるものでもあるのです。できることからコツコツ始めていきましょう。

・本コンテンツは一般的な情報提供を目的とするものであり、証券投資取引の推奨・勧誘を目的とするものではありません。

ライタープロフィール
もろふし ゆうこ
もろふし ゆうこ
証券会社・銀行にて個人顧客の資産運用コンサルティングを担当後、2009年にフリーランスへ転身。独立系ファイナンシャルプランナーとして家計管理の相談業務や執筆業、セミナー講師業を行う。結婚後はフリーライターとして、マネーやアウトドア、ライフスタイル、求人広告やインタビュー記事など幅広いジャンルのライターとして活動している。長野県在住。

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