100万円もらうなら今?将来?額面だけでは読み取れない「お金の時間価値」のひみつ

100万円もらうなら今?将来?額面だけでは読み取れない「お金の時間価値」のひみつ

100万円もらうなら今?将来?額面だけでは読み取れない「お金の時間価値」のひみつ

「今は1万円でも、来年の価値は1万円じゃないかもしれない」。お金の価値は時間の経過とともに変化しています。そしていつ・どこで・どのように・どのくらいの期間お金を管理するかにより、その価値は増減します。今回は、その仕組みについて解説します。

時間によって変化する?「お金の時間価値」今と未来

仮に今、10万円を持っているとします。その10万円の価値をより高めたいと思ったら、どんな方法を選びますか?例えば、プレミアが付きそうな時計やバッグを購入すれば、将来値上がりするかもしれません。銀行の定期預金に入れておけば、普通預金よりは多少高い金利がつくでしょう。株や投資信託で運用するという方法もあります。

では、そのまま何もせずに手元に置いておくと、この10万円の価値はどうなるでしょうか。自分で使ってしまわない限り、10万円は10万円分のお買い物ができるお金として存在し続けます。正確には、存在し続けている「ように見える」のです。

時間によって変化する?「お金の時間価値」今と未来

お金を「額面」だけで見るのはもったいない!

お金の価値は、日々変化しています。額面は同じ10万円であっても、現時点の10万円と1年後、3年後の10万円とでは、お金が持つ価値は異なります。低金利の状態が続いている日本ではあまり実感が持てないかもしれませんが、何もせずに手元に置いている状態では、「今」から時間が経てば経つほど上乗せできたであろう価値を失っているともいえるのです。

例えば、財布に1万円、銀行口座に1万円があるとします。財布の中に入れてある1万円は、それ自体が自然に増えるということはありません。

一方、銀行口座の1万円は、預けている期間と預金の金利に応じた預金利息がつきます。額面は同じ1万円だったものが、その後のお金の置き場所や置いていた時間の長さによって、将来の価値が変わってくるのです。これを「お金の時間価値」といいます。

さらにその1万円を仮に年利3パーセントで運用できたとすると、1年後には1万300円になっています。比較すると、現在の1万円よりも1年後の1万円の方が300円価値が大きいことになります。

現金は、できるだけ早く受け取り、遅く支払う方が、その分利息や投資利益を受け取れる可能性があるためお得であり、有利というわけです。「投資はできるだけ早く始めたほうが良い」とよくいわれるのは、このお金の時間価値が変わるためです。

投資における「将来価値」と「現在価値」とは

投資における「将来価値」と「現在価値」とは

お金には、「将来価値」と「現在価値」という考え方があります。ここでは、それぞれの価値について説明します。

将来価値とは

現在のお金が、未来のある時点においてどのくらいの価値を持っているかを表すのが、将来価値です。今持っている10万円が何年後にいくらになっているか、という視点です。

投資においては、「10万円を年利2パーセントで運用したら、10年後にはいくらになっているだろう」と考えるときに、将来価値を算出します。

現在価値とは

未来の、ある時点における金額を基準に、現在の価値を表すのが現在価値です。1年後の10万円を現時点の価値に換算するといくらになるのか、という視点です。将来価値とは、逆の時間の流れでとらえます。

投資においては、「10年後に100万円の資金を用意したい。年利2パーセントで運用できると仮定して、今いくら投資に回せばいいのだろう」と考えるときに、現在価値を算出します。

誰でも計算できる!「将来価値」と「現在価値」

誰でも計算できる!「将来価値」と「現在価値」

お金の将来価値と現在価値を自分で考えられるようになると、資産運用はもちろん、仕事や日常生活にも役立ちます。具体的な考え方や計算方法についてみていきましょう。

すべてのベースは「複利計算」

例えば、銀行預金にお金を預けると利息がつきます。利息の受け取り方には2種類あり、元本に対する利息を都度受け取る「単利」と、利息も元本に都度合算していく「複利」があります。

すべてのベースは「複利計算」

銀行預金に限らず、投資でも単利または複利で運用できます。運用期間が長いほど、単利と複利の利益の差は大きくなっていきます。

資産運用や企業の事業成長など、世の中の様々なシーンで、複利の考え方が用いられています。お金の時間価値を考える際も、複利がベースとなります。

「将来価値」と「現在価値」の計算方法

お金の将来価値も、上記の複利と同じ方法で算出します。また、お金の現在価値は将来価値と逆、つまり複利と逆の計算式で算出できます。

「将来価値」と「現在価値」の計算方法

クイズで学ぼう!お金の時間価値

クイズで学ぼう!お金の時間価値

将来価値と現在価値を把握できるようになると、お金に関する判断を迫られたとき、感覚や感情に左右されにくくなります。そのためのトレーニングとして、クイズを用意しました。ぜひ、気軽にチャレンジしてみてください。

【クイズ1】100万円を受け取るなら、どちらがお得?

A.今すぐ
B.1年後

ここまで読んでいただいた方ならすぐ分かるかもしれませんね。計算上は「A.今すぐ」のほうがお得ということになります。

「今後1年、絶対に年利1パーセントで運用できる」という保証はありませんが、時間とともに利息や運用益が発生する可能性は高くなるため、今すぐ受け取る100万円のほうが価値が高いことになります。

【クイズ2】現在の100万円と将来の120万円は、どちらがお得?

手元に100万円あり、うまく増やせる方法はないか考えていると、ちょうど友人から「100万円貸して!3年後に120万円にして返すから!」とお願いされました。

A.100万円は貸さずに自分で運用する
B.返済してくれると信じて100万円を貸す

これは心理的な要素も絡むので少し悩むかもしれません。まずは計算してみましょう。

【クイズ2】現在の100万円と将来の120万円は、どちらがお得?

Aで年利1パーセントで運用する場合では、120万円返してくれるというBのほうがお得という計算になります。本当に20万円上乗せして返してもらえるかは不安かもしれませんが、友人の役に立て、お金が増えて戻ってくるなら…と考える方もいるかもしれません。

ただ、運用利回りが高くなると、結果は逆転します。

【クイズ2】現在の100万円と将来の120万円は、どちらがお得?

3年間、仮に年利6.5パーセントで運用すると、AもBも大差ないということになります。投資を通じてお金を増やす術を身につけている方なら、100万円は貸さずに自分で運用したほうが良いと思うのではないでしょうか。

お金の時間価値を高めるためのファーストステップは「投資」

お金の時間価値を高めるためのファーストステップは「投資」

実際には「将来価値」「現在価値」に加えて、物価の変動など様々な要素がお金の価値に関わっています。とはいえ、お金は時間と複利効果を上手に使えば、個人でもその価値を高めることができます。そして投資は、そのための手段です。お金が持つ額面以上の価値を、あなたも見つけてみませんか?

ライタープロフィール
もろふし ゆうこ
もろふし ゆうこ
証券会社・銀行にて個人顧客の資産運用コンサルティングを担当後、2009年にフリーランスへ転身。独立系ファイナンシャルプランナーとして家計管理の相談業務や執筆業、セミナー講師業を行う。結婚後はフリーライターとして、マネーやアウトドア、ライフスタイル、求人広告やインタビュー記事など幅広いジャンルのライターとして活動している。長野県在住。

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