世界長者番付4位の投資の神様が、投資で心がけていることは?

世界長者番付4位の投資の神様が、投資で心がけていることは?

世界長者番付4位の投資の神様が、投資で心がけていることは?

世界長者番付の上位に名を連ねる大富豪で、投資の神様として知られるウォーレン・バフェット氏。彼が投資対象選びで心がけていることは何か。投資だけでなく、人生においても参考になる考え方を紹介していきます。

ウォーレン・バフェットってどんな人物?

投資の神様として知られるウォーレン・バフェット氏は30年以上も、世界長者番付トップ10に君臨している大富豪です。2020年はFacebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏に次ぎ、世界長者番付4位となりました。

2021年で90歳となるバフェット氏は、現在も現役バリバリの投資家。バークシャー・ハサウェイという巨大投資会社の経営者という顔も持ちます。

同社の年次株主総会は、株主からバフェット氏へ直接質問できる貴重な機会です。そのため、毎年4万人の株主が世界各地から集まるほどだそうです。

世界の投資家たちに常に注目されているバフェット氏ですが、コロナ禍においてはこれまで保有していた航空株をすべて売却しました。代わりに、日本の総合商社の株を購入。この動きは投資家の間で大きな話題となりました。

大富豪となり、投資家からも常に注目されているバフェット氏ですが、彼の最初の投資体験はどのようなものだったのでしょうか?

11歳のときに投資を始める

バフェット氏が初めて投資を行ったのは、11歳のとき。これまで貯めたお金で1株38ドル(※約3,990円)、計3株の株式を購入。それらを1株あたり40ドル(※約4,200円)で売ったので、合計で6ドル(※約630円)儲けたそうです。

しかし1株40ドルで売った後に、株価は1株あたり202ドル(※約21,210円)まで上昇。売らずに持ち続けていれば、合計で500ドル(※約52,500円)近い利益を手にすることができたかもしれません。この株価を見て、バフェット氏は大いに悔しがったといいます。

そんな初めての投資経験から、バフェット氏は「小さな利益で妥協はしない」つまり「(購入した銘柄の上昇を)信じて待つ」という教訓を学んだそうです。

※1ドル105円で計算

バフェット氏が投資を行うときに心がけていること

ここまではバフェット氏がどのような人物なのかをエピソードを交えてご紹介しました。ここからは、バフェット氏が投資を行うときに心がけていることを紹介します。彼の考え方には、投資以外にも活用できるようなヒントが隠されています。

1.一度購入したら長く持ち続ける

1.一度購入したら長く持ち続ける

11歳のときから80年の長きにわたって投資を続け、莫大な資産を築いてきたバフェット氏。最初の投資で「信じて待つ」ことを学んだ通り、一時的なトレンドには左右されません。バフェット氏が投資したいと思った企業が、長期的に安定して収益をあげることができるのかを重要視し、慎重に選ぶのだそうです。

それは、バフェット氏の以下のような言葉にも現れています。

「10年、20年、50年経ってもみんなが欲しいと思うものをつくっているかどうか、これが私の投資判断するうえでの基準です」

さらにバフェット氏は「喜んで10年間株を持ち続ける気持ちがないのなら、たった10分間でも株を持とうなどと考えるべきでない」とも発言しています。

すぐに銘柄を売却するのではなく、長期間持ち続けることを意識するバフェット氏。利益がさらなる利益を生む「複利」の効果を、最大限活かしているといえます。複利効果については、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はご覧ください。

元本を2倍にするには何年かかる?「72の法則」で算出してみよう

またバフェット氏は、投資だけでなく仕事も慎重に選んだほうが良いと話します。

「仕事選びも投資と同じ。いかなる手間も惜しんではならない。正しい列車に乗りさえすれば、金と痛みを節約することができるのだから」

正しい列車とは、バフェット氏が重要視しているような、長期的な成長が期待できる会社を指します。会社そのものが成長するなら、給与水準も平均より高くなる。そして仕事で好成績をあげれば、昇給や昇進も期待できるといえます。

一方で、長期的な成長が見込めない場合、自身がいくら頑張って成果を出しても、給料などに反映されない可能性もあるかもしれません。

バフェット氏の慎重な投資スタイルは、仕事選びにも応用できるわけです。

2.自分が理解できないものには投資しない

バフェット氏が投資先を選ぶ際「シンプルで単純なビジネスかどうか」も一つの判断基準となっています。「投資は合理的であらねばならない。理解できないなら、金を出すな」と、投資先を理解することの重要性も説いています。つまり、投資先に何か理解できないところがあれば「投資をしない」姿勢を貫いてきたのです。

バフェット氏を知る投資家の間では有名な話ですが、彼は長年、IT企業への投資を避けてきました。それはIT企業の活動を、完全には理解しきれなかったためです。

そんなIT技術の進歩について、バフェット氏は以下のように発言しています。

「私は10年先から15年先の姿が予測可能に思えるビジネスを探している。例えばチューイングガム。インターネットがいかに進歩しようと、人々のガムの噛み方が変わるとは考えにくい」

3.周りが怖がっているときほど貪欲に

3.周りが怖がっているときほど貪欲に

「靴下でも株式でも、良質の商品がお値打ち価格になったところで買うのが好き」と語るバフェット氏。良い商品を安く買うことは、普段から心がけている方も多いかもしれません。

ただ、投資の場合は価格があがっているときに買おうとする人が多いといいます。なぜなら、投資の場合、株式市場が盛りあがっているときほど話題になりやすいためです。話題になっている頃には、既に株式市場は価格のピークを迎えている、そんなことがよくあります。

一方のバフェット氏は、値下がりした商品のように、株価が下落し、周りが損失に怖がっているときほど買いに出るよう心がけています。そのスタンスを象徴するように、以下のような発言を残しています。

「他人が貪欲になっているときは恐る恐る、周りが怖がっている時は貪欲に」

つまり、他人と逆を行くことを意識しているのです。

このスタンスを表すエピソードとして、2008年10月、バフェット氏はニューヨーク・タイムズに「Buy American. I Am.(アメリカを買おう。私は買っている)」というタイトルの記事を寄稿。大手投資銀行のリーマン・ブラザーズが破たんした9月15日からわずか1ヵ月後、市場がリーマンショックで大混乱に陥っている最中です。

つまり市場が混乱する中、バフェット氏はそれでも積極的に投資を行う姿勢を示したのです。慎重な投資を行なうバフェット氏ですが、時には他人との逆を行くことで利益を生み出しています。

4.得意分野の外に出ない

「重要なのは、能力の輪を大きくすることではなく、輪の境界を厳密に決めることだ」

そう話すように、バフェット氏は「能力の輪」の境界(=得意不得意)を正確に把握することを大切にしています。

バフェット氏は、能力の輪の外に出ることなく投資を続けてきたからこそ、今の自分があると自らを分析。自分の能力が及ばない範囲で勝ち続けるほど、投資の世界は甘くないと指摘します。

輪の外、つまりは自分が得意ではない分野で勝負することは決してないそうです。

5.過去ではなく、未来を見る

5.過去ではなく、未来を見る

「今日の投資家が昨日の成長から利益を得ることはない」と話すバフェット氏。投資先を選ぶときは、過去の成績に囚われず、未来の成長を見るのが重要だといいます。

過去ではなく未来への期待で価格があがるといわれている、株式市場。そのため、投資で大切なのは未来を見据えることだといえます。

投資以外でも役立つバフェット氏の考え方

これまでに紹介したバフェット氏の考え方や姿勢は、投資以外にも活用することができるのではないでしょうか。

また、最後に紹介した未来を見据えることの大切さも投資に限った話ではありません。テクノロジーの進化とともに、とてつもない速さで生活環境が変化している現代。

そんな変化が激しい時代だからこそ、「5年後、10年後にこうなっていたい」と、具体的に将来を想像する。それが、今の自分を未来へとけん引してくれるのかもしれませんね。

参考:
・『1分間バフェット お金の本質を解き明かす88の原則』(SBクリエイティブ)桑原 晃弥著
・『史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵』(徳間書店)メアリーバフェット&デビッド クラーク著
・『株で富を築くバフェットの法則[最新版]』(ダイヤモンド社)ロバート・G・ハグストローム著
フォーブス世界長者番付、ベゾスが今年も首位 新型コロナは富豪にも影響 (外部サイト)
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20 pearls of wisdom from Warren Buffett (外部サイト)
Buy American. I Am. (外部サイト)

・本コンテンツは一般的な情報提供を目的とするものであり、お客さまに証券投資取引に関して何らの推奨・勧誘も目的とするものではありません。

ライタープロフィール
吉田 祐基
吉田 祐基
株式会社ペロンパワークス・プロダクション所属。AFP認定者(2級FP技能士)。タウン誌、編集デザインファーム、大手不動産情報サイト編集記者を経て入社。これまでコンテンツマーケティングや、ミレニアム世代向けビジネスメディア、不動産広告の取材&ライティングなどを手がける。

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