資産を増やすには節約・投資・副業どれが良い?

資産を増やすには節約・投資・副業どれが良い?

資産を増やすには節約・投資・副業どれが良い?

資産を増やす手段として、何を思い浮かべますか?節約する、投資を始めてみる、思い切って副業を検討…。色々な選択肢がある中、どれに一番力をいれるべきでしょうか?今回はファイナンシャルプランナーに資産を増やすためのポイントを教えてもらいました。

資産を増やす方法は2種類しかない

資産を増やす方法は2種類しかない

そもそも資産を増やす方法は、「収入を増やす」か「支出を減らす」のどちらかしかありません。

例えば、身近な方法で言うと下記のようにグルーピングができます。

「収入を増やす」:投資、副業
「支出を減らす」:節約


資産を増やすと聞くと「お金をたくさん稼ぐ」ことをイメージする方もいます。でも、節約で手元に残った1万円と特別手当で稼いだ1万円は同じ金額のお金。お金はただ増やそうとするだけでなく、家計を俯瞰(ふかん)し、収入と支出とのバランスを取ることが大切です。

今回は多くの人にとって実践できる身近な選択肢として、「節約・投資・副業」の3つについてファイナンシャルプランナー(以下、FP)の藤原久敏(ふじわら・ひさとし)さんに教えてもらいました。

節約・投資・副業の違い

節約・投資・副業の違い

3つはそれぞれまったく別モノ

── まずは節約・投資・副業の3つの違いから教えてください。

藤原:まず、1つ目の「節約」についてです。節約は、その対象によって考え方や手段、効果が異なり、大きく分類すると「流動費の節約」と「固定費の節約」に分けられます。流動費とは、交際費や食費など状況に応じて変化するコスト、固定費とは、家賃や光熱費の基本料金など状況に関わらず発生するコストを指します。

【流動費の節約例】
・たまたま目にとまったスニーカーを買うのを我慢する
・特売品だけを狙って買い物をする

【固定費の節約例】
・家賃が安い所に引っ越す
・携帯電話の料金プランを見直す

節約をするなら「定期的にかかるコスト」である固定費をカットした方が、金額的にも心理的にも大きな効果が得やすいと言われています。

流動費に関しては、極端に支出を意識する必要はないと私は思います。飲み会や娯楽費用、買い物などはすべてをストップするのではなく、自分の家計内でいくらまでなら流動的に使えるか、上限額を決めておくと良いでしょう。

── では次に、資産を増やすための投資についてはどのように考えれば良いでしょうか?

藤原:投資信託や株式などの金融商品に投資をすることは、必ずしも収入アップにつながるわけではありません。相場変動等によってときには損をすることもあります。ただし、節約と違って計画以上に大きな成果を期待できることもあります。

節約の場合、支出を減らし、残せた額が15万円なら、当然ながら成果は15万円で、これより増えることも減ることもありません。しかし、同じ15万円を使って投資・運用をする場合、これが5万円や10万円に減ってしまう可能性がありますが、20万円や25万円と資産を成長させることができる可能性もあります。これは、節約と投資のどちらが良いかという話ではなく、例えば節約して捻出したお金のうちからいくらか投資にまわしてみる、など同時に行うことも珍しいことではありません。

── 「リスクを負って増やす」って、そこだけ受け取るとギャンブルと誤解する人もいるかもしれないですね。

藤原:確かに金融商品のなかには「投機」と呼ばれるような、短期感でタイミングを図って利益を得ようとするタイプの商品もあります。ただ、「投資」と「投機」は違います。運用を本業とするプロのトレーダーは別として、一般の多くの人にとって投資は時間をかけて「お金に働いてもらう」というものです。

── 「お金に働いてもらう」という言葉はここ数年よく耳にしますね。

藤原:資産家の方や年金受給されている方でもない限り、一般的に収入といえば労働の対価としてもらう「勤労収入」を指しますよね。しかし投資の成果は人が働いて得るのではなく、お金を運用することによって成果が生まれます。さらにその成果を再投資することでどんどん資産が大きくなっていく、というのが「お金に働いてもらう」というイメージです。

── 一般的には「お金に働いてもらう」ことができるのは一部のお金持ちの人だけ、と思われている方も多そうですが…。

藤原:そんなことないと思いますよ。利息がつく銀行の定期預金も「お金に働いてもらう」一つの方法です。

資産を大きく成長させるには利息を運用元本に組み入れて再投資する「複利効果」も重要なのですが、やはり押さえておきたいのは「自分が働いてない時間も、お金に働いていてもらう」ということです。3つの違いで重要なキーワードは『時間との連動』です。これは次の副業のお話ともつながります。

── たしかに副業は、本業以外の自分の時間と連動していることが多いですよね。

藤原:そうです。改めて説明するまでもないですが、副業は本業とは別に自分のスキルや時間を取引して収入の選択肢を増やす方法です。最近では副業を認める会社も増えていますが、その多くは「自分の時間を取引にあてている」形態が多いのではないでしょうか。例えば、週末だけ翻訳やコーディングの業務を請け負ったり、ダンス教室のインストラクターをしたりとか。最近は街で食べ物の配達員の方達もよく見かけます。

── 「自分の時間を取引にあてる」と考えると大変そうに聞こえますが、暇な時間を活用したり、自分のスキルを伸ばすために副業にチャレンジしている方もいるようです。

藤原:投資は、本業の方でもない限り四六時中相場をチェックしているわけではありません。自分の時間を使って働くことで収入を増やすのが、副業。一方で、お金に働いてもらって収入を増やす投資では、自分の自由な時間に余裕ができるわけです。余裕ができるので、新たなスキルのために学習したり、新しい人や経験と出会ったりと、また別の意味での投資につなげることができます。

大切なのは継続できること

── でもやっぱり投資で資産を増やすのは怖いというか、その不安自体がストレスになる人もいそうですよね。

藤原:それはすごく鋭いご指摘ですね。ストレスをなるべく減らす、というのは資産を増やすことととても密接な関係があるんですよね。先ほど触れたように、スーパーの特売を狙って食費を毎月削ったり、遊興費を削って誰とも遊ばずに過ごしたりするのはやりすぎるとストレスになるでしょう。ストレスになるとどうなるかというと、結局続かない。つまり資産は増えない、となるわけです。

これは節約に限らず、投資でも大切なのは継続することだと思います。

── 長く継続するために、なるべくストレスを減らすと。

藤原:「まずは少額でも良いから、できる範囲で投資を始めてみよう」とは皆さんよく言われますよね。でも初心者の方は、少額でも自分の投資したお金が目減りするのは心理的に辛い部分も大きいと思います。

そこで私が提案しているのは、「元々なかったお金として節約で浮いたお金を回す」という方法です。投資したお金が多少相場変動で減っても、「元々なかったお金だし」と思えばそれほどしんどくない。で、それを実践するためには、順番としてまずは家計を見直していこう、となるわけです。

安心できる投資は安心できる家計から

安心できる投資は安心できる家計から

── 家計簿を見直すことで、具体的にどのような効果が得られますか?

藤原:お金の流れを見える化することで、月々の固定費や変動費も把握できます。また明らかな無駄遣いや使途不明なお金を洗い出すことで、人によっては1~2万円浮くことも珍しくありません。家計簿の見直しだけで、投資するお金を捻出できる可能性は十分にあるでしょう。

簡単に、家計簿を見直して投資を始めるオーソドックスな手順を解説します。

ステップ1:家計の収支を把握する

まずは収入(給料の場合は手取り金額)と支出のバランスを洗い出します。

ステップ2:家計のムダを見つける

次に何にいくら使っているのか、支出の種類をチェックしていきます。
とくに「収入=支出」の家計なら、生活に必要な支出なのか、生活に必要とは限らない支出なのかを区別していきましょう。主に住居費や通信代などの固定費、さらにタバコや飲酒など生活習慣に結びついた出費から何がカットできるかを見直します。

ステップ3:投資に回すお金を決める

家計の整理をしてカットできる支出が分かれば、「収入>支出」も現実的になります。節約できたお金を投資に回すという手順なら、収入を増やすよりも比較的簡単に投資資金を作ることが可能でしょう。

これ以上節約ができないときは?

これ以上節約ができないときは?

藤原:とはいえ、どこにもカットできる浪費がなく、節約の余地がほとんどないという方もいるかもしれませんよね。その場合の方法は2つ。

1.家計を基に投資額の割合を決めてみる

藤原:「手取り収入のおよそ10パーセントを投資に回す」ということを目安にして、先に投資額を決めます。その額を実現するためにはどれくらいほかの支出をカットすれば良いのか、目標が見えてくるはずです。この時、無理のない金額を設定しておくことが、毎月投資を続けるコツです。

2.副業と投資の組み合わせも検討する

藤原:「家計の収支がギリギリで投資資金の捻出が厳しい…」という方は、副業で得たお金を投資に回すという選択肢もあります。

ボーナス頼みの投資はしない

藤原:注意点を一つ。ボーナスがあるから、という点を考慮して毎月の積立額を決めることは避けたほうが無難です。思っていたよりも少なかった場合に苦しくなることもあるため、あくまでも、ボーナスによる投資額の上乗せはオマケとして考えたほうが良いでしょう。

自分への投資もやはり大事

自分への投資もやはり大事

── こうしてお話をうかがうと、やはり資産を増やすためには長い目で計画的に取り組む、ということが重要なのかなと思います。

藤原:そうですね。ここまでの「投資」は金融商品(投資信託など)への投資を主に紹介してきました。でも投資には、「勤労収入を増やす」ための自分への投資という方法もあります。お金に働いてもらう投資だけでなく、自分自身がどのようにスキルアップをして成長していき、収入や資産を増やすか。これも大切な計画だと思いますね。

まずは家計の整理をして、収支の把握。そしてできるところから節約して、少額からでも良いので投資を始める。これが、資産形成の第一歩となるでしょう。

この人に聞きました
藤原 久敏
藤原 久敏
藤原FP事務所/藤原アセットプランニング合同会社代表。1級FP技能士・CFP。大阪市立大学文学部哲学科卒業後、尾崎信用金庫を経て独立。資産運用に関する講演・執筆・相談を中心に活動する。マネー関連の著書は、『あやしい投資話に乗ってみた』『10年後に1000万円の差がつくたった3つの考え方』『おトクな制度をやってみた』(彩図社)、『60歳からのお金の増やし方』(スタンダーズ)など30冊超。
ライタープロフィール
八坂 都子
八坂 都子
育児系雑誌の編集アシスタント、美術系出版社にて編集記者を経て2020年にペロンパワークス・プロダクション入社。マネー系を中心にカルチャーなど幅広いテーマで記事執筆・コンテンツ制作を行う。

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