投資先としてのワイン。好きなものへ投資するという考え方

投資先としてのワイン。好きなものへ投資するという考え方

投資先としてのワイン。好きなものへ投資するという考え方

高級品には1,000万円以上の値段がつくこともあるワイン。コレクションを目的に購入されるケースも多い商品ですが、資産形成の手段の一つとして用いられる場合もあることをご存じでしょうか?この記事ではワイン投資の魅力について紹介します。

ワインも投資先の一つ

ワインも投資先の一つ

ワインはスーパーなどでも安価で購入できる一方で、専門店では希少性ゆえに高額な値段で売られている銘柄も存在します。

世界最大のワイン検索サイト「ワイン・サーチャー」の発表によると、2020年で最も高く取引されたワインはフランス産の「ロマネ・コンティ」(2020年12月2日時点)の14万4,000ドル(日本円で約1,500万円)でした。

このように、商品によってはグラス一杯で250万円にもなる高い資産価値を持つワイン。飲んで楽しむのはもちろんですが、投資先としても人気があります。それが、ワイン価格の上昇を見込んで買い付け、値上がりしたらその差額分の売却益を狙う「ワイン投資」です。

ワインのような実物資産への投資は「コモディティ投資」といいます。コモディティとは一般的に「商品」を指す言葉。小麦などの農産物のほか、金や原油、さらには美術品やクラシックカーなど趣味の品を含むこともあります。
コモディティ投資は値上がり益を狙うのが基本スタイルとなります。
ワインは、熟成したものほど価値が上がるといわれている商品。それぞれのワインに飲み頃があり、一般的に高級な商品ほど長期間熟成させる必要があります。そのため、生産されたばかりの値段が安い商品を購入し、長期間熟成させることで価値を高めて売却益を狙うスタイルの投資が人気なのです。

また、ワインは徐々に希少性が高くなるという特性を持ちます。例えばある年に作られたワインの味が「とても良い」と評判になったとします。当然、欲しいと思う人は増えますが、その年に作られたワインの供給量が増えることはありません。

さらには飲まれることで、ワインの絶対数も徐々に減っていくことでしょう。基本的に商品は需要に対して供給が少ないほど価値が上がる傾向にありますから、ワインも長期保有で価格が上がっていくことが期待できるわけです。

ワイン投資の方法は主に2つ

では、実際にワイン投資はどのようにして行うのでしょうか?代表的な例を2つ見ていきましょう。

現物を購入する

一つは自分で選んだ商品を個別に売買する方法です。好きな商品を選び、好きなタイミングで取引を行うという点では株式投資と同じですね。

ただし、ワインは湿度や温度、光のあたり方など様々な要因で劣化します。仮に一般人がワインを購入して熟成させたとしても、適切な方法で保管されていたかどうかの判断は第三者には難しいところです。そのため商品の信頼性が確保されず、株式と違い買い手がなかなか見つからない可能性もあります。

そこで、多くの場合ワインの取引は現物の購入から品質管理、売却までを代行する会社を通じて行うことになります。

プロが品質の評価も行ってくれるため買い手も売り手も安心して利用することができ、さらには面倒な管理も引き受けてくれます。ワイン投資初心者でも比較的始めやすい手法といえるでしょう。

ワインファンドへ投資する

2つ目はワインファンドへ投資する方法です。ファンドでは投資家からの出資を募り、集めた資金を使ってワインを購入、値上がりを待ちます。投資家から少額ずつ資金を集めて運用を行う仕組みは投資信託と同じです。

しかし、海外と比べると日本で利用できるワインファンドは多くありません。日本で利用できる例として、高級ワインのオーナー権を分割で購入できるサービスがあります。ただ、ワインの売買を通じて資産運用を行うわけではなく、オーナーに向けた特別価格での販売や試飲会といった優待を楽しむ制度のようです。

ワイン投資の魅力

ワイン投資の魅力

ここまでワイン投資について紹介してきましたが、実際の資産運用においてはどのようなメリットがあるのでしょうか?

一つには、分散投資の効果が期待できます。

分散投資とは一つの商品だけを購入するのではなく、複数の資産に分けて投資する方法です。投資先を分散することで、一つの商品が値下がりしても他の商品の値動きがカバーするというように、リスクをおさえることができるのです。とくに金融商品と実物商品、例えば株式と金など異なった値動きをする商品へ分散するほど、リスクの軽減効果は高まる傾向にあります。

ワインも実物商品の一つであるため、株式や投資信託とともに運用することで資産全体の値下がりリスクの低下につながります。

2つ目のメリットは資産としての価値が安定しているという点です。ワインは実物資産であり、価値がゼロにはなりません。また、贅沢品であるという性格から富裕層の需要も継続的に期待でき、経済状況の変動を受けにくいという一面もあります。高級ワイン100銘柄の取引価格を指数化した「Liv-ex100」はコロナ禍でも2020年5月以降上昇を続け、同年末には2011年秋以来の最高値を記録しました。

さらに、高級ワインを購入することによって所有欲を満たせるほか、思ったように値上がりしなくても自身で飲んで楽しめるという利点もあります。

ワイン投資の注意点

ワイン投資の注意点

一方で、ワイン投資には注意点もあります。

まず、短期投資には向かない点。前述の通り、ワイン投資では年数をおくことで熟成させ、価値が高くなったところで売るのが基本スタイルとなります。そのため、短期間での運用では利益を狙うのが難しい商品といえるでしょう。

また、商品についての詳しい知識も欠かせません。投資全般にいえることですが、どの銘柄が人気なのか、どの商品が値上がりするのかを判断しなくてはいけません。

さらに、ワイン市場は偽物が流通することもあるため、本物を見抜く力も大切になります。偽物にだまされないためには自身の経験を積むことはもちろん、信頼できる代行会社やファンドを選ぶことも重要です。過去にはワインファンドが破綻した例もあるため、投資先の見極めはとくにしっかりと行う必要があります。

まとめ

投資には色々な形がありますが、そのなかでもワインは商品の熟成を楽しみながら値上がりを待てる、趣味と資産形成を兼ねた投資といえるでしょう。もし資産運用に興味があるけれど何から始めれば良いか分からないという方は、まずは今回紹介したワインのように自分が好きな商品、もしくは興味のある会社に着目して投資をスタートしてみるのも一つの手です。

・本コンテンツは一般的な情報提供を目的とするものであり、お客さまに証券投資取引に関して何らの推奨・勧誘も目的とするものではありません。

ライタープロフィール
笠木 渉太
笠木 渉太
主にマネー系コンテンツ、広告ツールを制作する株式会社ペロンパワークス・プロダクション所属。立教大学卒業後、SE系会社を経て2019年に入社。主にクレジットカードやテック関連のWEBコンテンツ制作や企画立案、紙媒体の編集業務に携わる。

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