あの頃から毎月1万円投資してたらどうなってた?最も初歩的な「積立投資」入門

あの頃から毎月1万円投資してたらどうなってた?最も初歩的な「積立投資」入門

あの頃から毎月1万円投資してたらどうなってた?最も初歩的な「積立投資」入門

将来のための資産形成、 何から始めれば良いか分からない方も多いかもしれません。今回は基本的な資産形成の方法である「積立投資」について、ライターの地主恵亮が、FPの大江加代さんに一から聞いてみました!

積立投資というものがある。ただ積み立てるだけでもなく、ただ投資するわけでもなく、毎月決まった金額を投資する、それも投資信託を積み立てるのである。月に5,000円とか、1万円を投資することで、5年後10年後に資産が増えているかも、というものだ。

金融庁も「つみたてNISA」を推していて口座も急増中とか。いま積立投資が熱い。ただよく分からないという人も多いと思う。雲を掴むような話に感じていると。これを書いている私がまさにそうだ。ということで、その問題を解決したいと思う。

完全に、初心者向けの記事です

最近、つみたてNISAという言葉をよく聞くし、積立投資という話もよく聞く。ただ、よく分からないというのが正直なところ。本腰を入れて調べてないというのもあるけれど、そもそも調べていない理由が、「あんまりおいしい話じゃないんでしょ」、という決めつけだ。

どうも、この記事を書いている地主です!
どうも、この記事を書いている地主です!

ただお金の問題というのはいくつになっても尽きないもので、下品だと思われるかもしれないけれど、お金が欲しい。とにかく欲しい。最大の理由は10月に欲しいカメラが出るからだ。それが約40万円。そのカメラが欲しすぎて夜も眠れぬ日々を過ごしている。

カメラの発表後から毎日「お金が欲しい……」とこんな感じ
カメラの発表後から毎日「お金が欲しい……」とこんな感じ

そんな時に「積立投資」という話を聞いた。お金に対する嗅覚が犬の10倍、いや、アフリカゾウの20倍になっている私はすぐに飛びついた。積立投資については何にも知らないけれど、ぜひ聞いておきたい。積立投資ってなに? って。つまり、この記事は初心者中の初心者の最初の一歩なのだ。

株式会社オフィス・リベルタスの大江加代さんにお話を聞きます!
株式会社オフィス・リベルタスの大江加代さんにお話を聞きます!

そもそも積立投資とは? どんな仕組み?

確定拠出年金アナリストという肩書を持つ大江加代さんに積立投資の話を聞こうと思う。大江さんは大手証券会社にて22年間勤務、一貫して「サラリーマンの資産形成ビジネス」に携わる。確定拠出年金には制度スタート前から関わり、約10年間、投資教育のほか、運営実務のサポート業務に従事した方だ。

お話を聞きます!
お話を聞きます!

地主:バカみたいな質問ですが、積立投資ってなんですか?

大江:いま流行っているお金の貯め方の一つです!

地主:「一ヵ月にいくら積み立ててみよう」みたいな?

大江:まさしくそうです。月1万円とか5,000円とか。お金は一気に貯まらないんですよ。特に、サラリーマンの人はね。もともとの原資が自分の稼いだお給料やボーナスで、その大半は生活のために消えます。しかし、全部使ってしまうと、将来とか老後とかにまとまったお金が必要な時に困りますよね。入用になった時に都合よくまとまったお金がドンって入ってくることはないじゃないですか?

地主:そんな奇跡のようなことは起きないですよね。

大江:ないですよね、だとすれば今使っているお金の一部を将来の自分のために回す。でも、一気に回すって無理じゃないですか、今の生活もあるから。だから、稼いだ金額のごく一部を将来の自分のために積み立てて投資する。これが積立投資です。

地主:貯金でもよくないですか?

大江:もちろん貯金でも良いんですけど、積立投資は投資信託など、価格が動くものに投資するわけです。

積立投資は投資信託など、価格が動くものに投資するわけです。

地主:それは貯金より、投資信託を買う方が「おいしい」ということですか?

大江:増えるかどうか、という話を「おいしい」と言うのであれば、貯金はいま金利があまりつかないから美味しくないですよね。投資信託は過去の実績からいえば、1年みたいな短いタームではなく、5年とか10年とか気が遠くなるかもしれませんが、長いタームで考えると上がっているので、「おいしい」ともいえます。

地主メモ1:積立投資とは、お金の貯め方の一つ

具体的にどうやるの? 損することはある?

地主:全く分からないんですが、投資信託とか、なんか会社があって、お金を預けると勝手になんやかんややってくれるんですか?

大江:すごく良い質問です! 勝手というか、おまかせするんですよ。 どの株が上がるかといった研究や判断は必要ない。ただ、自分の大切なお金じゃないですか。 まかせる会社もこういうことでおまかせいただきます、と予め表明して請け負うわけです。勝手にやっとくから、という危ない話ではなく、全世界の代表的な会社に投資しますとか、そういうルールでお預かりして、その結果、値段が上がった下がったという実績がでてそのままお戻ししますね、ってことです。

地主:ということは、下がることもあるんですよね?

大江:あります、あります! 下がることが許容できるかどうかが、投資というものをして良いかの分け目と思って良いです。今回のコロナ暴落でもそうでしたが、だいたい3割くらいは簡単に下がります。

地主:積み立てて100万円預けていても、70万になるかもしれない?

大江:そういうことです。ただ下がったタイミングで売らなければ損は確定しません。長い目で見ると上がることが多い。リーマンショックでガーンと下がった時も、2年とかかかりましたが戻ってきました。米国の株式なんかはその後、ずいぶん高くなりました。

地主:積立で毎月買っていれば、下がったところというのは安く買えるわけですよね?

大江:そうなんですよ。そこが積立投資の良いところです! 下がったところで売らなければ、仕込みどころ、下がるのはダメなわけではないんです!

地主メモ2:3割くらいは、簡単に値下がりするが、下がった所で売らなければ損は確定しない。

 
 

地主メモ2:3割くらいは、簡単に値下がりするが、下がった所で売らなければ損は確定しない。

地主:定期預金と違って、10年でいくら増えるといった確約はないですよね? 10年後にお金が必要だからと、積立投資したとしても、その時にちょうど下がっている可能性はあるということですよね? 下がることだけが心配なんです。

大江:そうなんです! そこが難しいところです。なので、本当に何年後にいくら必要というものを、積立投資で貯めるのはやめた方が良い。だって確実ではないから。長いタームで、必要かなくらいの感じで貯めていくのが良いと思います。

地主:10年後にお店を持ちたいから積立投資で貯めるのはどうでしょう?

大江:むずかしいですね。開業の時点で株価が大幅に減っていたら、買おうとしている物件が買えません。株式に投資するタイプの投資信託であれば1年間で3割くらい減るなんてよくあることです。でも、逆に3割くらい上がるということもある! 確実ではないぶん、ある程度リターンを期待できるんですけどね。ただ今回のコロナの影響で一時暴落したように、リターンは自分でコントロールできませんから、下がったとしても、その時に売らなくても関係なく暮らせるよね、という額で積立てないといけないです。

税金は掛かるの? よく聞くNISAって?

地主:儲けた部分って税金がかかるんですか?

大江:儲けた部分の約2割を税金として納めます。でも、それは預金とかでも同じですよ。預金の金利は今はもうほんの、ほんの少しですが、そこにも同じように税金がかかっているので。それがかからないということで、人気なのがNISAという制度です。

NISAが出てきました!
NISAが出てきました!

地主:NISAは制度の名前なんですね! 商品の名前かと思っていました。

大江:NISAやiDeCoは制度の名前。NISAの正式名称は少額投資非課税制度といいます。国としてもコツコツお金をためていくことを応援します、税金を軽くして応援します、どうぞご利用くださいという制度なんです。

地主:その制度のなかで積立投資ができるってことなんですね!

大江:つみたてNISAは積立投資が条件の制度なんです。一気に100万円とかをドンと投資っていうのはノー。毎月いくらという形でそれも長期で投資信託で買っていく。上限が決められていて、月に約3万円までの積立だと非課税になります。

地主メモ3:NISAを使うと、月の約3万円までの積立は非課税!

 
 

非課税は惹かれる!
非課税は惹かれる!

積立投資、もし10年前から積み立てていたらどうなってた?

積立投資のポイントは長い目で見る、ということ。1年とか2年とか短い時間で見るとマイナスが出るけれど、10年くらいの長い目で見ると、過去の実績的にはプラスになる。株価が上がったり、下がったりするけれど、積立だから最終的にプラスになる可能性が高いということだ。

そこでこれです!つみたて投資シミュレーター
そこでこれです!つみたて投資シミュレーター

話を聞いて、積立投資が良いことはなんとなく分かったけれど、実感として「素晴らしい」が湧かなかったので、「つみたて投資シミュレーター」を使って、もし私が10年前に積立投資をしていたら、を見てみることにした。

2008年から2018年までの10年間
2008年から2018年までの10年間

2008年から月に1万円積立投資を開始したとしたら、上記のような結果になった。株価としては上がっているところもあるし、下がっていることもある。この条件で計算してみようではないか。

やばい!!!
やばい!!!

積立総額が120万、トータルリターンが約100万、合計で約220万円。2008年から積立投資をしていたら、2018年にこの額を手に入れることができた。これはすごい、めちゃくちゃすごい。下がったときにへこたれず長く積立てすることがポイントなのだ。カメラが余裕で買えてしまう。レンズも買える。最高やないか!

こういうことですね!
こういうことですね!

青色の三角形が積立総額なので、おおよそ60ヵ月までは赤字ということになるが、それ以降ならいつ売ってもプラスということになる。2018年に220万円が手元にあれば、今頃私はカメラを買えていた。なんで2008年に始めなかったのだろう。月1万円なんて、飲み会を3回我慢していたら良いだけ。そしたら、いま私の手元には220万円!

地主メモ4:10年前に始めていたら、今頃カメラもレンズも買えていた!

 
 

頭を抱えたよね!
頭を抱えたよね!

積立投資、やらない方が良い人もいる?

地主:今から始めるのはありですか?

大江:やってみても良いと思いますよ!

地主:いや、やるべきでしょ! やらない方が良い場合もあるんですか? これを見ても!

大江:やらないほうが良い人もいます。投資はリスクがあるし、性格的にリスクが取れない人がいます。多くのファイナンシャルプランナーの人は大きなお金を持っている人は大きなリスクが取れるというけども、私の30年ほどの経験で言うと、性格の影響もあって、1円でも減ると夜も眠れなくて仕事が手につかないという人もいます。そういう人は投資をしない方が良いと思います。何よりも一番大切なのは仕事ができるということで、仕事に支障があるならば、投資はしないほうが良い。リターンで稼ぐ分くらいを自分のスキルを上げて稼げれば良いんです!

地主:なるほど。

大江:やるか否かは、地主さんがどのくらい「価格の下がり」に許容があるのかということです。

地主:額は言えないですが私は一度、仮想通貨で失敗していますから、価格が下がることに対しての免疫はありますね!

大江:そこが許容できるなら、やったほうが良いのではと思います。あとは、投資とか投資信託は実際の経済、自分の暮らしとつながる部分があって、こういう業界がいま儲かっているなとか、トランプさんがツイートすると自分の資産が2万円くらい動いているなとか、これは上がる材料なんだとか、自分の財産と直結していると自分ごと化して、世界に興味を持てるのも良いことだと思います!

地主:カメラも買えるし!

大江:いま欲しいカメラはいま積立投資を始めても買えませんが、例えば、10年後は買えるかもしれない。10年後はもっと良いカメラが出ていますからね!

地主:そうなんですよ、というかね、毎年カメラ欲しいと言っているんです!

地主メモ5:性格的に積立投資に向かない人もいる。

 
 

ちなみに2001年から月1万で積立投資をした場合も見てみると……
ちなみに2001年から月1万で積立投資をした場合も見てみると……
10年だとマイナスだけど、
10年だとマイナスだけど、
2001年から月1万で15年だとプラス
2001年から月1万で15年だとプラス
長い目で見ることの大切さが分かる!
長い目で見ることの大切さが分かる!

地主:ちなみに大江さんも失敗したことありますか?

大江:ありますよ、20歳くらいから積立投資をやっていて、下がったところで嫌になって売ったことがあります。そういう経験も踏まえて、下がったところで売ってはいけない。持ち続ける。もう1年待っていればな、と。だから、もう1年持っておける経済状況は必要です!

地主:それを聞いてなんか、今日の話に説得力が生まれた気がします!

大江:あと、言っておきたいのは、積立投資だけではなく、積み立てて将来のためにお金を貯めるなら、給料口座に入ってきたお金を先に取っておかなければ無理ということです! だって、給料口座にあったら使っちゃいません?

地主:まさにそれが今の私です。カメラが買えないのもそれが原因です!

大江:まとまったお金を作ろうとすると、積立は合理的です。人間はだいたいね、狩猟の時代から、いま目の前に餌があったら食べる、これが生きていくために必要なので脳がそのようにインプットされているんです。だからお金も目の前にあったら使うんですよ、先に良いことがあるとしても、取っておくのはストレスがかかるので。もらった金額から例えば、1万円引いた額で暮らすというのは、最初はキツいかもしれませんが、3ヵ月もすれば慣れてくるものです。飲みに行く回数減らすのも、いつの間にか慣れていくんです。

地主:なるほど。

大江:暑い部屋からクーラーの効いている部屋に入って来ると涼しく感じるけど、だんだん慣れるじゃない。それと同じです。

地主:慣れてくると1万円積むのが続くんですね?

大江:そうです、そして貯まります!

積立投資することに決めました!
積立投資することに決めました!

どうして今まで積立投資をしなかったんだろう

大江さんの話を聞いて、さらにつみたて投資シミュレーターで具体的な数字を見ると、なんで今までやらなかったのだろうと思う。私は決して稼いでいる方ではないけれど、1万円なら、生活に関わらない部分で我慢すれば全然できる金額なのだ。なんで、やらなかったのか、この撮影の後半はずっと頭を抱えていた。カメラ買えたのに。悔しいです!

後半ずっとこんな感じ!
後半ずっとこんな感じ!

参考:
みずほ証券「体験!長期分散投資がわかるシミュレーター つみたて投資」(外部サイト)


・本コンテンツは一般的な情報提供を目的とするものであり、お客さまに証券投資取引に関して何らの推奨・勧誘も目的とするものではありません。

この人に聞きました
大江加代
大江加代
確定拠出年金アナリスト

大手証券会社にて22年間勤務、一貫して「サラリーマンの資産形成ビジネス」に携わり、企業や官公庁での講演多数。確定拠出年金には制度スタート前から関わり、iDeCoの普及活動も行っている。株式会社オフィス・リベルタス取締役 NPO法人確定拠出年金教育協会理事 厚生労働省社会保障審議会 企業年金・個人年金部会委員。【主な著書】「図解 知識ゼロからはじめるiDeCoの入門書」(ソシム社)
ライタープロフィール
地主恵亮
地主恵亮
ライターなど。1985年、福岡県生まれ。基本的には運だけで生きているが、取材日はだいたい雨になる。2014年より東京農業大学非常勤講師。いつもオレンジ色の服を着ているが、同じ服を何枚も持っているので、毎日洗濯した綺麗なものを着ている。洗濯せずに同じ服を着続けているわけではない。著書に『妄想彼女』(鉄人社)、『ひとりぼっちを全力で楽しむ』(すばる舎)がある。

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