将来お金で困りたくない!いまから始める「資産形成」と「毎月の投資額」の目安

将来お金で困りたくない!いまから始める「資産形成」と「毎月の投資額」の目安

将来お金で困りたくない!いまから始める「資産形成」と「毎月の投資額」の目安

資産形成に興味はあるけど、何から始めれば良いのか分からず、ハードルの高さを感じている方も多いのではないでしょうか。そんな方に向けて、老後に必要なお金の話なども踏まえつつ「資産形成ってなに?」といった基本から、その実践法まで紹介していきます。

「貯蓄から投資・資産形成へ」が時代の流れ

「貯蓄から投資・資産形成へ」が時代の流れ

そもそも、近年になり投資や資産形成の必要性が叫ばれるようになったのはなぜでしょうか?そこには金融庁の方針が大きく関わっています。

金融庁は金融市場の活性化を図り、2000年代から「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げています。しかしバブル崩壊を経た国内では「投資」という言葉には「リスクが高いもの」「ギャンブル」という社会的なイメージもあり、順調に投資を実践する人が増えてきたとはいい切れない状況が続いていました。

そこで金融庁は2016年に、「平成27事務年度 金融レポート」のなかで「貯蓄から資産形成へ」という新しい標語を掲げます。つまり、これまでの「投資」から「資産形成」という言葉に置き換えたわけですね。資産形成と言い換えることで「一攫千金を夢見て投資する」ではなく、「コツコツ資産を増やしていく」というイメージ転換の狙いがあったと考えられます。

また同レポートのなかでは、資産形成における元本割れなどのリスクを軽減するために「長期・積立・分散」が投資において大切であることも記載されています。この3つの要素は非常に重要なキーワードなので、一つずつ簡単に解説します。

長期

「長期」とは、文字通り長い時間をかけて投資を行うこと。数十年という長い期間での投資なら、価格の振れ幅が少なくなるため、安定した運用が期待できます。

積立

「積立」は、一度にまとまった金額ではなく、毎月一定の金額を投資に回すことです。毎月決まった金額で投資することで、価格が高いときには少なく、安い時には多く買うことができ、購入価格の平準化を図れます。

分散

「分散」は、投資先や購入タイミングを分けることです。特定の商品にだけ投資するのではなく、様々な資産(株式や債券、また日本だけではなく海外資産など)に投資する「資産分散」などがあげられます。

投資の世界には「卵は一つのカゴに盛るな」という有名な格言があります。つまり複数のカゴに卵を持っていれば、一つのカゴを落としても卵がすべて割れるわけではないため、リスクの軽減が期待できます。

このように金融庁の発表にもとづくと、長期・積立・分散という方法を通じて、将来必要となるお金を備える行為が「資産形成」であるといえます。

預金しておいてもお金は増えない。だからこそ資産形成が必要

子供の教育費や住宅購入費、老後の資金など、資産形成の目的や必要性は人によって変わることでしょう。

とはいえ、すべての人に資産形成が必要ともいわれる一般的な理由が存在します。それは主に以下の2つ。

1.寿命が延びることで、年金や貯蓄のみで生活する期間が増える
2.今の時代、預金で増える金額はわずか

1については「人生100年時代」という言葉を、聞くようになった方も多いのではないでしょうか。もともとは『LIFE SHIFT-100年時代の人生戦略』という本をきっかけに、浸透したこの言葉。平均寿命が延びるなかで、定年後、年金や貯蓄だけで暮らさなければならない期間が伸びているのです。

100歳まで生きると聞くと大げさに聞こえるかもしれませんが、厚生労働省の調査によれば、全国の100歳以上の高齢者は2019年9月現在で7万人を超えました。100歳以上の高齢者は、統計を取り始めた1963年には全国で153人だったそうですから、この数十年間で一気に増えたわけですね。このように100歳まで生きることは、誰にとっても現実味を帯びてきているといえます。

あくまでも目安となりますが、総務省統計局が行った家計調査によると、老後の平均的な生活費は26万4,707円。そのうち公的年年金だけでは毎月4万1,872円も不足する、とあります。仮に定年後の約40年、毎月4万1,872円が不足すると、合計金額は2,009万8,560円。もちろん必要な金額は人によって異なりますが、この統計にもとづくと、公的年金以外に資産形成などを通じて、自分で約2,000万円は用意しておく必要があるわけです。

そして2については、現在、普通預金の金利は0.001%程度(参考:預金種類別店頭表示金利の平均年利率等について 2020年7月22日掲載分|日本銀行(外部サイト))と極めて低い状態にあります。例えば500万円を何もせずに金融機関に預けておくだけでは、1年後にはたった50円(税引き前)しか増えません。一方で、資産形成を通じて仮に利回り1%で運用できたとすると、1年後には5万円(税引き前)の利益が出ています。

こうした2つの理由から、資産形成が必要だと考えられています。

資産形成を促す制度が充実してきている

資産形成を促す制度が充実してきている

ここ数年、資産形成を促す制度として登場した、NISA(ニーサ・少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)などをご存じでしょうか。通常、投資によって得た利益には、約20%の税金がかかります。しかしNISAやiDeCoでは非課税(※)となります。これに加えてiDeCoは、掛金の全額が所得控除の対象となるため、毎年の所得税・住民税を減らすことができます。

(※)iDeCoで運用中の年金資産には1.173%の特別法人税がかかりますが、現在は課税が凍結されています。

これら、税制優遇制度の対象となる商品には、投資信託があります。投資信託とは、投資家から集めた資金を一つにまとめて、運用の専門家が国内外の株式や債券等に分散投資を行い、これによって得た収益をお客さまに還元することをめざす金融商品です。

投資信託に興味を持ったなら、まずは投資先によってリスクとリターンが変わることは最低限覚えておきましょう。リスクとリターンは、「表裏一体」「トレードオフ」の関係。リスクが小さければリターンも小さいですが、リスクが大きいほどリターンも大きくなります。当然「リスク」という言葉が表すように、儲かるだけでなく、損する可能性もあるわけです。一般的に地域であれば、国内よりも先進国、先進国よりも新興国の方がリスクは高い傾向に。また資産の種類に関しては債券よりも株式の方がリスクは高い傾向にあります。

資産形成の第一歩はどう踏み出す?

資産形成の第一歩はどう踏み出す?

では、いざ資産形成を行うにあたって、なにから始めれば良いのでしょうか。

いろいろお話をしてきましたが、まずはご自身がいつまでにいくら貯めたいかを決めたうえで、資産形成にお得な制度やどのような投資をするかを考える必要があります。そのため、ご自身の将来のライフイベントをもとに目標金額を決めていきましょう。例えば将来のライフイベントにもとづいて発生する、住居費や教育費、老後資金の目標金額などがあてはまるのではないでしょうか。

○歳までに○円貯めるには?毎月の投資の参考額を調べてみよう

目標金額と投資期間が決まると、毎月の投資金額やどのぐらいの運用利回りで達成できるのかも分かってきます。ここでは、簡単に計算するための速算表を紹介します。

速算表
出典:著者作成

例えば、現在30歳の方が老後資金として30年後に2,000万円を貯めるとします。仮に運用利回り3%をめざす場合、月々の投資に回す金額はこの表の「30年」と「3%」が合わさったところにある数値(582.74)で割った金額(税金は考慮せず)となります。つまり、2,000万円÷582.74=約3万4,300円を、月々投資に回していく必要があるということです。老後資金に限らず、「家を買いたい」「旅行がしたい」「留学したい」「事業を始めたい」など、夢の実現のために◯歳までに◯円貯めたいという方は、月々どの程度のお金が必要か計算してみてください。

なお、資産形成を続けるためには、「自動積立」機能など銀行口座から投資に回すお金が天引きされる仕組みも活用したいところ。金融庁が推奨する長期・積立・分散のルールにも則りながら、将来必要なお金を計画的に準備していきましょう。


・本コンテンツは一般的な情報提供を目的とするものであり、お客さまに証券投資取引に関して何らの推奨・勧誘を目的とするものではありません。


参考:
金融庁「平成27事務年度 金融レポートについて」(外部サイト)
『LIFE SHIFT-100年時代の人生戦略』東洋経済新報社(2016年)
【図解・社会】100歳以上の高齢者数の推移(外部サイト)
総務省統計局「平成30年度家計調査報告(高齢夫婦無職世帯の家計収支)」(外部サイト)

ライタープロフィール
頼藤 太希
頼藤 太希
Money&You代表取締役/マネーコンサルタント
慶應義塾大学卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。女性向けWebメディア『FP Cafe』や『Mocha(モカ)』を運営すると同時に、執筆・監修、書籍、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力。『SNS時代に自分の価値を最大化する方法』(河出書房新社)、『人気FPが教える! 稼げるスマホ株投資』(スタンダーズ)など著書多数。

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