1,000万円貯蓄している人が全体の4割!
まずは、現在の世帯貯蓄額について聞いてみると、最も多かったのが「1,000万円以上」で全体の39.8%、次いで「250万円以下」(21.1%)、「250万円~500万円」(16.2%)と続きました。年代別に見てみると、やはり年代が上がるほど貯蓄額が多く、「1,000万円以上」と回答した人が20代では3.7%だったのに対し、60代では64.6%に上りました。ただし、60代以上でも11.7%が「250万円以下」と回答しており、着実にお金を貯めている貯蓄上手な人がいる一方、なかなかお金が貯められない人もいることがよく分かります。


みんなの節約術や収入UPの方法は?
若い人ほど、しっかり口座管理する傾向に。「先取り貯金派」も目立つ
次に、貯蓄を増やすために、皆さんがどんな工夫をしているのかを見ていきましょう。
まず、「支出を抑えるためにしている工夫」(節約術)について聞いたところ、最も多かったのは、「無駄な利息を払わない」の36.4%、次いで「欲しい物はセールで買う」(33.3%)、「貯金用の口座を分ける」(30.9%)と続きました。無駄に利息を支払わなくて済むようにキャッシングやローンの利用を控え、欲しいものは衝動買いせずにセールまで待って買い、貯蓄用の口座は別にして使わないようにする、という堅実な生活ぶりが伺えます。

年代別の傾向を見てみると、全体的に若い人ほど支出を抑える工夫をしている人が多い傾向に。特に「貯蓄用の口座を分ける」工夫をしている人は20代で43.9%、30代で37.8%にも上りました。まだ収入が多くない若い世代ほど、しっかりお金を管理して支出を抑えようとしているのかもしれません。フリーアンサーでは、「先取り貯金(保険や株などの運用)で自由に使える金額を制限している」(30代女性)、「端数単位のお金はカウントせずに、先取り貯金や固定費の支出を振り分ける。端数はどんどん貯めていく」(20代女性)など、貯蓄用の口座で先取り貯蓄をする人も目立ちました。

ポイントの活用と資産運用で収入UP
続いて「収入を増やすためにしている工夫」について聞いたところ、最も多かったのが「ポイントサイト等でポイントを貯める」の45.1%、次いで「資産運用をする」(38.8%)「特になし」(30.5%)でした。このうち「資産運用をする」と答えた人の割合は、すべての年代で30%を超えており、資産運用が身近な収入UP法として浸透しつつあることが伺えます。一方、近年話題の「副業をする」は9.1%、「不動産投資をする」は5.4%にとどまりました。

年代別の傾向を見てみると、30代では「ポイントサイト等でポイントを貯める」と回答した人が53.1%と、全世代中で最も多くなりました。30代は子育て中の人が多く、支出は増えるが収入が伸びにくい世代。だからこそ、ポイントなどのちょっとした「お小遣い」を稼いで、やりくりする傾向が高いのかもしれません。キャッシュレス還元を意識してか、「クレジットカードや電子マネーを使用する」(30代女性)「極力現金を持たない」(30代男性)というコメントも寄せられました。

一方、収入を増やすために資産運用や不動産投資をしている人の割合は、年齢とともに上昇傾向に。定年退職が近づくにつれ、老後の生活への不安などから資産運用や不動産投資への関心が高まるのかもしれません。あるいは、退職金や財形貯蓄の払い戻しなどでまとまった資金を得た人、子育てが一段落して余裕資金ができた人が資産の有効活用法として、金融商品や不動産を購入していることも考えられます。資産運用にあたっては、「お金の形でなくても、お金に換算できるものも含めてトータルとして増やしていくこと」「外貨に投資する」(ともに60代男性)など自分のポリシーを明確に持っている人がいる一方で、「専門家の意見を聞く時間を作る」(50代男性)「金融機関に相談する」(60代)など、専門家のサポートを上手く取り入れているという意見も散見されました。


以上の結果から、若年層は収入の少なさをカバーするために「支出を抑える工夫」をしている人が多く、高年齢層になって収入が増えるに従って「お金を増やすための工夫」をする人が増えてくる傾向があるといえそうです。
貯蓄上手な人が実践する節約術と収入UP法は?
では、これまでみてきた支出や収入に関する工夫のうち、貯蓄の多い人が実践している方法はどれなのでしょうか?
まず、「支出を抑えるためにしている工夫」を見てみると、世帯貯蓄額1,000万円以上の人が最も多く実践している工夫は「無駄な利息を払わない」(41.5%)でした。「無駄な利息を払わない」と回答した人が40%を超えたのは世帯貯蓄額1,000万円以上の人のみ。貯蓄上手な人ほど、キャッシングやローンの利用を控えて利息の支払いを抑えているようです。

続いて、「収入を増やすためにしている工夫」を見てみると、世帯貯蓄額1,000万円以上の人が最も多く実践している工夫は「資産運用(投資信託・株・FXなど)」で、なんと全体の55.6%にも上りました。つまり、世帯貯蓄額1,000万円を超える人の実に半数以上が、資産運用をしているという結果に。次に世帯貯蓄額が高い750万円~1,000万円未満の人(39.9%)と比べても、圧倒的に高い結果です。一方、資産運用をしている割合が最も低かったのは世帯貯蓄額250万円以下の人で、16.8%にとどまっています。貯蓄上手な人ほど、積極的に資産運用に取り組んでいるといっても、過言ではなさそうです。「貯蓄は給与引き落とし。一定の額が貯まったら、投資等にまわす」(40代男性)など、貯蓄と投資を上手く組み合わせた資産管理をしている人の声も聞かれました。

貯蓄額1,000万円以上の人の65%は「使い道が決まっていない」
今回のアンケートでは、もう一つ、とても興味深い結果が得られました。それは、貯蓄をしている人は必ずしも明確な使い道を決めているわけではないということ。世帯貯蓄額が1,000万円以上の人も例外ではなく、貯蓄の使い道を「決めていない」と答えた人は全体の65.2%と、「決めている」と答えた人(34.8%)を大きく上回っています。何か具体的な目的ができてから貯蓄を始めるのではなく、特に目的がなくても「貯められるときに貯めておこう」という姿勢で普段からコツコツと貯められる人が、結果として貯蓄を増やしているようです。

貯蓄できる人とできない人の違いとは?
ここまで、アンケート結果を詳しく見てきましたが、そこから読み取れたのは「貯蓄上手な人」には次のような傾向があるということです。
1. 利息など無駄な支出を極力抑えている
2. 資産運用を行っている
3. 使い道を決めてから貯蓄を始めるのではなく、普段から貯蓄を心がけている
このうち、貯蓄額の少ない人との違いが最も顕著だったのは、「2.資産運用を行っている」でした。フリーアンサーでは、「預金、投資信託等の金融資産は、人生100年時代を夫婦で生き抜くためのお金なので、無駄遣いは徹底的に避けている。」(60代以上・男性・世帯貯蓄額1,000万円以上)、「投資信託は長く保有すること。一喜一憂しないことを心がけています。」(60代以上・男性・世帯貯蓄額1,000万円以上)などのコメントがありました。日頃から無駄な支出を抑えてコツコツとお金を貯めるだけでなく、資産運用でお金を増やす努力も怠らない点が、貯蓄上手な人とそうでない人の分かれ目だといえそうです。「なかなか貯金できない」という人は、貯蓄上手な人を見習って、「貯める」「増やす」の両面から、お金との付き合い方を見直してみてはいかがでしょうか?
もちろん、貯蓄のスタイルは人それぞれで、万人にあてはまる「正解」はありません。例えば今回のアンケートでは、貯蓄額が多い人も、貯蓄の使い道を決めていないことが明らかになりましたが、「目的があるほうがモチベーションをキープしやすい」というタイプの人は、「世界一周旅行に行く」「別荘を持つ」など具体的な目的を定めたうえで貯蓄を始めると良いでしょう。「今は特に使い道がない」という人も普段から貯蓄を心がけておくと、何か目的ができたときに達成までの時間を節約できるはずです。より豊かな気持ちで未来を迎えるために、今こそ、アクションを起こしましょう!
貯蓄術についてはこちらの記事でも紹介していますので、参考にしてみてください。
「できる人」の貯蓄術(外部サイト)
未来想像WEBマガジンでは今後も多彩なテーマで読者アンケートを実施し、皆さまのリアルボイスに基づいたコンテンツを作成してまいります。アンケートへのご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。
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●調査概要
[未来想像WEBマガジン ユーザーアンケート]より
・調査期間:2020年2月19日~2020年3月10日
・調査方法:インターネット調査
・有効回答数:1,551
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