週末婚で、独身と結婚のいいとこ取り。週末婚を成功させるポイントと注意すべき点は?

週末婚で、独身と結婚のいいとこ取り。週末婚を成功させるポイントと注意すべき点は?

週末婚で、独身と結婚のいいとこ取り。週末婚を成功させるポイントと注意すべき点は?

婚姻関係にある2人は同居することが多いと思われますが、中には、特別な事情がなくても別々に住む「別居婚」や、週末だけ一緒に住む「週末婚」という形式を取る方々もいます。そんな週末婚について、夫婦カウンセラーの森本由紀さんにお話を伺いました。

週末婚と恋人関係の大きな違い

週末婚と恋人関係の大きな違い

「結婚しても同居しないのであれば、恋人関係のままで良いのでは?」と考える人もいるかもしれません。

しかし、結婚してお互いの配偶者になることで、例えば、生命保険の受取人や法定相続人になることができます。また、収入面の条件が整えば、配偶者控除を受けることもできます。つまり、「恋人関係のままで週末だけ同居」と「法律上の婚姻関係にある週末婚」とでは、生活様式は同じであっても、社会的な権利といった面で決定的な違いがあるのです。

若い未婚女性の4割以上が別居婚を希望するという調査結果も

若い未婚女性の4割以上が別居婚を希望するという調査結果も

株式会社SheepDogが15~29歳の未婚の男女を対象に行った調査によると、男性の32.5パーセント、女性の42.5パーセントが「別居婚をしたい」と回答しています。

出典:STRATE 10代20代未婚女性の4割以上が別居婚をしたいと回答。同年代男性の1.3倍【(10代20代未婚者対象)別居婚に関するアンケート】(外部サイト)

また、森本さんも「これまで受けてきた多くの相談を鑑みると、仕事をしている女性において、『今のライフスタイルを変える』『結婚して家庭に入る』といったことに抵抗を感じる人が多い傾向にありました。別居婚や週末婚であれば、独身の良いところと、結婚の良いところを享受できる可能性があるため、その抵抗も解消できるのではないでしょうか」といいます。

週末婚のメリットとデメリット

週末婚のメリットとデメリット

森本さんは、週末婚は女性だけではなく、男性にとっても理想的なスタイルの一つになり得るといいます。週末婚のメリットとデメリットについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

週末婚のメリット

・平日は自分の時間が持てる
・2人の関係のマンネリ化を防げる
・対等な関係を維持しやすい、など

平日は、仕事やプライベートなど、自分の時間を自分の都合に合わせて使えます。また、完全な同居に比べて家事の役割分担等で揉めたりすることが少ない、週末しか会わないことで恋人気分を長く味わえる、などもメリットといえるでしょう。

週末婚のデメリット

・費用がかかる(なかなか貯金できない)
・コミュニケーション不足になりやすい、など

例えば、2人がそれぞれ賃貸に住むと、住居費と光熱費は、同居のほぼ2倍になります。また、結婚を機に多くのカップルが貯蓄を始めますが、週末婚の場合はお金がかかるため、なかなか貯まらないケースも多いようです。

そのため、森本さんによると「週末婚を成功させるには、事前にお金に関することをきちんと決めておく必要がある」そうです。

週末婚の基本は、お互いが経済的に自立していること

週末婚の基本は、お互いが経済的に自立していること

森本さんは、「基本的に、週末婚は経済的に自立した2人であることがベスト」といいます。週末婚を検討するうえで大切なお金の話について、ポイントを見ていきましょう。

週末婚における「財布」

週末婚ではお互い自由に使える自分の財布を持ち、それぞれ管理することが望ましいとされる一方で、2人の将来のために一緒に貯蓄をする必要もあります。そこで検討してほしいのが、「共有の財布」を持つことだと、森本さんはいいます。

「金融機関にどちらか名義の共有口座を作り、お互いが毎月決まった金額を入金していくと良いでしょう。これは週末婚に限らず、共働きの夫婦にもおすすめしている方法です」

ただし、特に熟年夫婦が週末婚をする場合、自由に使える財布とともに「暮らしていくための生計」も分けてしまうと、万が一どちらかが亡くなってしまった際に遺族年金が受け取れなくなる可能性があります。遺族年金には、死亡した人に「生計を維持されていた」遺族が受け取れるという条件があるためです。そのため、遺族年金の受け取りを希望する場合は、「生計は一つだった」ことを示す必要が生じます。詳しくは、専門家に相談しましょう。

お金に関することは細かく相談する

週末婚を成功させるためには「お金に関する独断や隠しごとはしないこと」が重要だと森本さんはいいます。

例えば、「大きな買い物をする」「借金をする」「保証人になる」など、信頼関係に影響する可能性があることは、必ず事前に相談をするべきです。「一定額以上の買い物をするときは相談する」といったルールを決めるのも良いでしょう。他にも、親族の冠婚葬祭における費用負担といったことについても話し合っておくと安心です。

その他、週末婚を成功させるために必要なこと

その他、週末婚を成功させるために必要なこと

さらに、お金以外の「週末婚を成功させる秘訣」も森本さんにお聞きしました。

ライフプランを共有する

「何のために週末婚をするのか」「いつまで週末婚を続けるのか」「今後のライフプラン」の3つを話し合うと良いそうです。ライフプランでは、「子供はどうするのか」「マイホームを買うのか」「老後資金はどのように用意するのか」を具体的に決めることも大切になってきます。

「ライフプランは、週末婚に限らずすべてのカップルにとって大切なこと。人生における目標を話し合うことは、お互いの絆を強くするはずです」と、森本さんはアドバイスします。

婚前契約書で2人のルールを文書にする

週末婚に関しての事前の話し合いや取り決めを明確にしておくために、「婚前契約書」も有効だといいます。例えば、以下のような項目を取り決めておくと良いそうです。

・お互い、共有の口座に月いくら貯蓄するのか
・相手に無断で借金をしないこと
・家事育児を分担して協力すること
・育休中など収入が減る場合のお金について
・不動産を購入したときの名義について

婚前契約書に記しただけで、その約束ごとが無条件に法的有効性を持つわけではありません。これまで森本さんが多くのケースを見てきた結果として、契約書にすると揉めにくくなるだけでなく、「きちんと守ろう」という気持ちになる人が多いそうです。

ただし、婚前契約書は最初に作ったものを絶対とするのではなく、定期的に見直すことも大切です。1年に1回くらいのペースで見直すと良いでしょう。

婚前契約書については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
「婚前契約」は日本でも浸透する?二人の未来を考える動機付けにも!

まとめ

週末婚は、お互いが経済的に自立していることがベストです。とはいえ、転職や独立、妊娠・出産などで経済状況は変わっていきます。その状況に合わせてフレキシブルに見直し、パートナーとして支え合うことが大切です。

また、様々なライフイベントを見据えた決めごと、特にお金に関することは、事前にルールを決めておくと、いざとなった時にスムーズに進みます。週末婚を検討する・しないに関わらず、まずは将来に向けたライフプランについて、じっくり話し合ってみてはいかがでしょうか。

この人に聞きました
森本由紀さん
森本由紀さん
夫婦カウンセラー・行政書士
自らの結婚・離婚経験をベースに「夫婦問題・離婚カウンセリング」と「協議離婚サポート」を行っている。離婚の相談をはじめ、ファイナンシャルプランナーの資格を活かしたお金についての専門的なアドバイス、恋愛や婚活に関する相談、夫婦関係修復の相談の他、婚前契約書、離婚協議書等の作成も請け負う。趣味はピアノ、競馬、料理。Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。
ライタープロフィール
菅野 りえ
菅野 りえ
ライター
旅と取材が好きな半ノマドのライター。医療、美容、サブカルチャーなど執筆領域は多岐に渡る。畑を借り、無農薬野菜の栽培にチャレンジ中。ベジタリアン。

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