出産祝いとは?

「出産祝い」とは、赤ちゃんが無事に生まれてきたことを祝して、その親に贈り物をする行為、もしくはその贈り物自体を表します。兄弟・姉妹や親戚、友人や勤務先の同僚など身近な人に贈ることが一般的です。また、出産祝いには「子供の健やかな成長を願う」という意図もあるそうです。
もともとは赤ちゃんの健やかな成長を願う行事

もともと出産祝いは、子供の母方の実家から祝い着を贈り、赤ちゃんの健やかな成長を願ってお祝いをするという行事。当時は、医療や公衆衛生が今ほど整備されていなかったため、出産祝いは子供が無事に育つことを願う意味合いの強い習慣でした。
祝い着は、男の子の場合は「熨斗目(のしめ)模様の紋付き広袖」、女の子であれば「友禅模様の紋付き着物」とされており、生後約1ヵ月後に行うお宮参りにはこの祝い着を着せて行き、健やかな成長を願いました。
現代においては、お宮参りの習慣は残りますが、出産祝いは祝う側が贈り物を自由に選ぶという形式に変化しています。祝う側に、生まれてきた子供の健やかな成長を祈るという気持ちがあることは当然ながらも、贈り物を選ぶ基準は「子供の両親にとって、育児をするうえで役に立つもの」という実用性が重視されるようになっているようです。
喜ばれる贈り物ってどんなもの?

では、どのような贈り物が喜ばれやすいのか見ていきましょう。
人気が高いのはベビー用品
出産祝いには、実用性の高いベビー用品を選ぶことが最もポピュラーでしょう。具体的には、ベビー服やタオル、おくるみ(服の上から全身を包む赤ちゃん用の防寒着)、よだれかけ、赤ちゃん用の食器などが人気となっています。また、赤ちゃんは肌が敏感なため、使用頻度が高いベビー用スキンケア商品も喜ばれる贈り物です。
機能性や素材で選ぶ
ベビー服を選ぶ場合は、赤ちゃんが快適に過ごせるよう、機能性を重視した服を選ぶのが良いでしょう。また、赤ちゃんはとにかく食事や遊びで汚れがつきやすいので、ベビー服や靴などを選ぶ場合には、真っ白のものは避けた方が良いかもしれません。当然のことながら、食器類の場合は、赤ちゃんが使用しても危険がない素材の商品を選ぶことが重要です。
サイズに要注意
ベビー服を選ぶ場合には、赤ちゃんの成長に注意が必要です。新生児用の服を贈ったけれど、着られる期間が短かったといった体験談も。一方、成長速度が比較的緩やかになる1〜2歳の時期に着る80cmや90cmのサイズの服は、「新生児のときに貰って、後々役に立った」という意見もあるようです。
近年は、SNS映えを意識した「おむつケーキ」という選択肢も
おむつケーキとは、束ねた赤ちゃん用のおむつをぬいぐるみなどと一緒にデコレーションして、ケーキのように可愛らしくラッピングしたものです。アメリカでは、妊婦に対して贈り物を行う「ベビーシャワー」と呼ばれるパーティーが一般的で、会場に必ずおむつケーキが飾られたことから注目を集め、日本でも出産祝いの贈り物として選ばれるようになりました。
SNSへの投稿に適した見た目の可愛さだけでなく、実用性も兼ね揃えていることから、近年若い世代を中心に人気が上昇している贈り物です。
贈る相手に選んでもらえるもの
他の人の贈り物との重複が気になる場合には、カタログギフトがあります。カタログギフトであれば、相手が自分達の欲しい商品を選ぶことができるため、失敗が少ないでしょう。
また、出産祝いとして現金を贈るということも一つの選択肢です。ただし、職場の上司や先輩、年上の人など、一般的に目上とされる方に対して、現金を贈る行為はタブーとされていますので注意しましょう。現金を贈ってもマナー違反とならない相手は、兄弟・姉妹、友人、後輩などがあげられます。
困ったときは聞いてみるのもアリ!
サプライズ感はなくなってしまいますが、相手に直接欲しい物を聞くことも、失敗をなくすための一つの手段です。もし、相手が育児経験を持つ人の場合は、これまで役に立った出産祝いや、逆に、あまり使わなかった出産祝いがあるかもしれません。体験にもとづいた感想を事前に確認しておくと、失敗するリスクを減らすことができるでしょう。
自分と相手の関係性によって予算相場は異なる

予算は、贈り物を選ぶ際の重要なポイントです。せっかくの喜ばしい機会だから、張り切って高価な出産祝いを贈りたいという人もいるでしょう。しかし、予算には相手との関係性によって適切な相場があり、低すぎると失礼となり、高すぎると相手がお返しに困ってしまうかもしれません。相場を鑑みた妥当な金額を意識しましょう。
兄弟・姉妹の場合:5,000円〜30,000円
兄弟・姉妹の子供は、自分にとっての甥・姪という間柄。親族にあたるため、友人や同僚に比べて予算が高くなる傾向にあります。ただし、家族ごとに兄弟・姉妹との年齢差や関係性は大きく異なり、そのことが予算額を左右する要素となる場合も。例えば、学生で収入がない、社会人だけれどまだ収入が少ないといった立場であれば、無理して高額な贈り物をする必要はないでしょう。
どの程度の予算にしたら良いか迷った場合には、親や他の兄弟・姉妹に相談してみるのも良いかもしれません。
友人の場合:3,000円〜5,000円
友人の場合は3,000円程度が相場とされています。特に親しい友人であれば5,000円以上ということもあるようです。また、共通の友人数名でお金を出し合って、連名で一つの贈り物をするというケースもよく見られます。
職場の同僚の場合:5,000円~10,000円
職場の同僚に贈る場合は、5,000円~10,000円が相場です。また、友人の場合と同様、部署一同などとして連名で贈り物をすることも多いです。会社によっては出産祝いを贈る際の慣習として、予算感が定まっていることもあるようです。
マナー違反に注意!NG例をご紹介

贈り物を渡すタイミングや選ぶ物によっては、相手に余計な手間や迷惑をかけてしまう場合もあります。お互いが嫌な思いをしないように、NG例についても知っておきましょう。
お祝いを贈るタイミングに気をつけよう
出産祝いは、無事に赤ちゃんが生まれたことに対するお祝い。そのため、出産前に贈ることは不適切です。出産祝いを贈るタイミングは、赤ちゃんの命名を行う生後7日目のお七夜から、生後約1ヵ月後のお宮参りまでの間がベストとされており、多くの人がこの時期にお祝いを贈ります。
出産祝いを受け取った側は、お返しとして「内祝い」を贈ることがマナーとされています。内祝いの手配が一段落した時期に贈ると、余計な手間を掛けさせてしまうことになりかねません。贈り物の手配が遅くなってしまった場合は、お食い初め(生後100日後のお祝い)や1歳の誕生日などのタイミングに合わせると良いでしょう。
贈り物は相手の立場で考えて選ぼう
大きめの遊具などを贈ると、置き場所に困ってしまう場合が考えられます。そのため、広いスペースを必要とする贈り物を了承無しで贈ることはNG。ある程度大きな贈り物を考えているのであれば、必ず事前に相手に確認してからにしましょう。
まとめ
出産祝いは、あなたにとって身近な人の新しい家族の誕生を祝うもの。これから、生まれた子供の成長していく様子を見たり聞いたりする機会も多くなるはずです。大きく成長した姿を見たときには、出産祝いを贈ったということを感慨深く感じられるかもしれません。
自分や周囲が年齢を重ねていくことで、出産祝いに限らず、身近な人に「お祝い」として贈り物をする機会は増えていきます。贈り物は「自分ではない誰かのためにお金を使う」ということ。まだまだお祝いを贈った経験が少ないという人は、将来に向け、自らの金銭感覚やお金の使い道について、あらためて考える機会にしてみてはいかがでしょうか。
参考:
・冠婚葬祭ネット「出産祝い」(外部サイト)
・【2022最新】男の子ママが喜ぶ出産祝い32選! インスタで人気のおしゃれなプレゼント(外部サイト)
・【2022最新】女の子ママが喜ぶ出産祝い32選!おしゃれでかわいい人気のプレゼント(外部サイト)
・出産祝いはいくらにすべき?予算の目安やギフト選びのポイントもあわせてご紹介(外部サイト)
・出産祝いに現金がふさわしくないときもある!? 3つのマナー違反のケースに注意(外部サイト)
・意外と知らない 出産祝いで大切な6つのマナーとは?(外部サイト)
ライタープロフィール
