親と未来について話し合おう!親が元気なうちに備えておきたいことは?

親と未来について話し合おう!親が元気なうちに備えておきたいことは?

親と未来について話し合おう!親が元気なうちに備えておきたいことは?

子供にとって親の資産の話は、面と向かって聞きづらいかもしれません。しかし、高齢になるにつれ介護や相続が現実的となるため、元気なうちに話し合っておくことが重要です。この記事では、親と未来のお金について話すきっかけ作りやポイントを紹介します。

親と未来のお金の話をしてみよう

 親と未来のお金の話をしてみよう

家族制度を含めた「社会構造の変化」によって、一人暮らしまたは夫婦のみで、子供と離れて生活する高齢者はますます増えています。

そのため、2019年に金融広報中央委員会が実施した調査では、6割以上の人が「家族の医療・介護費用の必要額を認識していない」と回答しています。

また、「家族の医療・介護費用の確保ができていない」という回答は約7割にも上り、子供やパートナーの立場から家族の経済状況に不安を抱える方も多いようです。

統計データなどから一般的な医療・介護費を調べることは可能ですが、自分の親にあてはまるかは、家庭ごとの経済的事情や健康状態によって異なります。

さらに、急な病気やケガにより、介護は突然始まります。いざという時に落ち着いて行動を取れるように、あらかじめ親とお金について話し合っておくことが必要です。

ここからは、高齢の親のために備えておきたい場面と、どのような対策ができるかを説明していきます。

高齢の親のために子供が備えておきたい3つのステージ

まずは、今後の親のライフステージを把握することが不可欠です。子供がお金を出すことが考えられる状況を一つずつ見ていきましょう。

1.入院や通院

1.入院や通院

厚生労働省が2017年に発表した「患者調査」によると、75歳以上で入院治療を要した患者数は約70万人で、1999年の約52万人に比べると増加傾向にあります。

入院について、事前に親子で話し合いができていれば、ある程度準備ができるかもしれません。しかし、脳梗塞などで急に意識を失って救急搬送されると、病院に駆けつけた子供に手続きが委ねられることも珍しくないようです。

病院では、これまでの既往歴や服薬歴といった情報提供を求められることもあります。となると持病や服薬、入院を想定した医療費について、ざっくりとでも親と情報を共有しておきたいところ。

また、入院時には入院保証金の支払いが求められることもありますが、金額はおよそ5万円〜10万円と決して安くはありません。子供が一時的に立て替える可能性も想定しておきましょう。

2.介護

2.介護

厚生労働省「介護保険事業状況報告」の調査では、要介護認定者数は2008年度の約445万人から、2017年度には約663万人と年々増加しています。

特に認知症では、「認知機能の低下」のみならず「行動・心理症状」が現れる場合もあり、運動能力が低下していない高齢者に対する介護負担は身体面、精神面ともにより大きくなる傾向にあります。

政府の調査によると、認知症有病率は2018年時点で65歳以上の約7人に1人に上り、介護が必要となった主な原因として最も多い18.7パーセントを占めているといいます。

つまり認知症は、誰もが罹患する可能性のある身近なリスクであるといえます。現在は物忘れも少なく、健康に過ごしていたとしても、介護の備えはしておきたいですね。

知っておこう!親の介護にかかるお金(外部サイト)」の記事では、親の介護にかかるお金について解説していますので、マネープランの参考にしてみてください。

3.相続

3.相続

親が亡くなると、財産について相続が発生します。ただし相続と聞くと、「うちはお金持ちじゃないし関係ないよね?」と考える方も多いでしょう。

しかし、2015年1月の税制改正で、相続税の基準となる基礎控除額が引き下げられたことにより、相続税が発生する人が増加しました。

相続する財産額によっては、確定申告を行い、相続税を納めなくてはいけません。知らなかったからといって申告をしなかった場合、あとになって税務署から調査が入り、追徴課税の支払いが必要となることもあります。

こういったトラブルを避けるためには、大まかでも良いので、親が持つ預貯金や不動産、金融商品などを共有しておいてもらいましょう。

詳しい相続については「今から何を始めたらいい?みんなの気になる相続の悩み(外部サイト)」も参考にしてみてください。

また、遺言書の有無によっても、相続の状況は変わってきます。
相続法改正6つのポイント だれでも書ける遺言書」の記事では、遺言書について詳しく解説しています。

他にも認知症などで判断能力が不十分な時には、後見人などが親に代わって財産や権利を守り、法的に支援する「任意後見制度」という選択肢もあります。自治体によって異なりますが、もし一度相談してみたいという方は、お住まいの市区町村の地域包括支援センターや社会福祉協議会などが窓口になっているので確認してみましょう。

親の保有財産は元気なうちに確認しておく

親の保有財産は元気なうちに確認しておく

まず、親が持つ預貯金や不動産、金融商品などを共有してもらうきっかけとして「書類整理などを手伝う」ことから見ていきましょう。

例えば認知症になると、口座は凍結されて親族でもお金を引き出すことができなくなり、医療・介護費用などの支払いが困難になる可能性があります。そうならないためにも認知症の疑いが出る前から準備しておかなくてはいけませんよね。

また、保有財産の状況を共有することで、医療・介護費用や相続の問題などに対してあらかじめ意識することができ、子供の負担を減らすことができます。

このような老後の親のお金の問題は、親が元気なうちに、資産を把握することが備えになります。

しかし「財産っていくらあるの?」と、直球では聞きづらいかもしれません。また、親も突然資産について聞かれて気を悪くしてしまい、具体的に教えてくれないこともあるようです。あくまでも日常の会話として尋ねる方法の例をいくつか紹介します。

親の資産の整理と把握を手伝うきっかけとなる声かけ例


・「年金はちゃんともらえているの?」
親が現在受給している年金額など収入を知ることで、今後親の医療費などの支出が発生したときに親の収入では補い切れない可能性があるかが分かります。医療費などの急な支出が発生したときのためにお金をどのくらい用意する必要があるか、目処を立てる助けになるでしょう。

・「確定申告の手伝いをしてあげるね」
親の所得や納めている税金を知ることができます。

・「通帳の記帳しておこうか?」
親の代理として記帳。預貯金の額以前に、そもそもどの金融機関に口座を保有しているのか知らないまま親が亡くなると、残高や取引のある金融機関も分からず、確認に時間がかかります。

このように、子供の方から書類整理などの手伝いとして申し出ることで、親も抵抗感なく会話に応じやすいでしょう。

また、子供自身がお金の知識を学ぶことで、親のお金の相談に乗るというスタンスで会話することができれば、経済的な不安を素直に話してくれるようになるかもしれません。

ただ、こうした声かけはあくまできっかけです。保有財産について、たまたま記憶の漏れがあるケースなどを考慮すると、すべてを会話から正確に聞き出すのは難しいところです。その場合の解決策は、エンディングノートを作成し、伝えたいことを1箇所にまとめておくようにお願いしてみることです。

エンディングノートとは、もしもの時に備えて連絡先や保有財産、葬儀などについて自分の意思を記すツールのことです。記載しておきたい項目が印刷されている専用の商品もありますが、連絡先や財産の状況など、重要なことさえ記しておけば市販の一般的なノートで代用しても構いません。

エンディングノートの具体的な活用方法はこちらの記事「人生の最後を自分らしく自由に綴る、『エンディングノート』活用法」で、どんなことができるのか押さえておきましょう。

もしも親の医療や介護にかかるお金が不足しそうなときは?

もしも親の医療や介護にかかるお金が不足しそうなときは?

親の資産状況によっては、医療や介護費用などをカバーできないケースも考えられます。

その時になって、子供がすぐに親の生活を支えるお金を準備するのは容易ではないでしょう。

このような場合に備え、資産運用でお金を増やしておくことも選択肢の一つです。

例えばつみたてNISAや投資信託などは少額からの積立で資産運用ができます。資産運用には様々な種類があり、それぞれに特性があります。詳しくは「【未来投資シリーズ】なにから始める?投資の選択肢」の記事で、投資経験のない方でもおさえておきたい投資のメリットや留意点を知っておきましょう。

これらの選択肢を検討し、子供側が資産に余裕を作ることで親の老後を支えるという観点も、人生100年時代といわれるこれからの社会では珍しくなくなるかもしれません。

コミュニケーションを取ることが親子のお金の未来の第一歩

コミュニケーションを取ることが親子のお金の未来の第一歩

親のお金や介護、死後についての話題は、面と向かって触れづらいかもしれません。

しかし、これまで解説してきた方法を活用して、親子ともに助け合っていくことを前提に、もしもの時を考えておく。そうすることで、良好な関係を維持しながら、不足しそうな費用や準備しておきたいお金の手続きなどの不安をお互いに解消できるはず。

まずは「親とコミュニケーションを取る」。これが親子それぞれ安心して暮らしていく方法です。普段はあまり連絡を取らない方も「最近体調はどう?」といった、差し障りのない日常生活の話を聞くところから始めてみても良いかもしれませんね。

親の立場として元気なうちに子供と準備しておくべきことについては「子供と未来について話し合おう!親が子供のためにできる老後のお金の準備」の記事で紹介しています。親子で将来について話し合うことで、双方が安心して人生を歩む土台を作っていけるかもしれませんね。

参考:
『そろそろ親とお金の話をしてください 』(ポプラ新書)安田 まゆみ著
『子どもに迷惑をかけない・かけられない!60代からの介護・お金・暮らし』(翔泳社)太田 差惠子著

ライタープロフィール
八坂 都子
八坂 都子
育児系雑誌の編集アシスタント、美術系出版社にて編集記者を経て2020年にペロンパワークス・プロダクション入社。マネー系を中心にカルチャーなど幅広いテーマで記事執筆・コンテンツ制作を行う。

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