イラストレーター原あいみさんの保育園探しは生後3ヵ月から。ピッタリの園を選ぶには?

イラストレーター原あいみさんの保育園探しは生後3ヵ月から。ピッタリの園を選ぶには?

イラストレーター原あいみさんの保育園探しは生後3ヵ月から。ピッタリの園を選ぶには?

子供が生まれ、一息着く間もなくやってくる保育園探し。まず何から始めたら良いのか、迷われる方も多いと思います。そこで今回は、保育園探しを経験したイラストレーターの原あいみさんに、保育園探しを始めた時期や決断のポイントなどをお聞きしました。

居住地域で開催されるママの集いに参加したことが、保育園探しの始まり

居住地域で開催されるママの集いに参加したことが、保育園探しの始まり

原さんは、株式会社京田クリエーションの東京オフィスで勤務するイラストレーター。6歳になる娘を持つ母親です。「保育園選びは分からないことばかりでした…」と話す原さんも、ドキドキしながら参加した居住地域で開催されるママの集いや、区役所への相談をきっかけに希望する保育園に入れたそうです。

先に、今回聞いた話のポイントをまとめると以下の通り。

・まずは区役所保育課の窓口に「何をしたら良いですか?」と聞きに行く
・認可・認証保育園の情報は相談員や区役所にあるパンフレットなどで確認
・無認可保育園は子育て中の友人の口コミが頼りになる
・希望する保育園を絞り込んだら電話で見学を申し込む
・最終的には園長先生と「合う・合わない」が大事なポイント
・そのため見学時に園長先生と必ず会話をしておく

では、原さんにお伺いした内容を具体的に見ていきましょう。

──保育園探しを始めようと思ったのはいつ頃でしたか?

娘が生まれてから3ヵ月後くらいでしたね。

──まずは何から始めたのですか?

保活のためだけではないのですが、私の住む地域の保健センターで開催されている、赤ちゃんとママの集いに参加しました。

妊娠すると、住民登録している市区町村の区役所か保健センターで母子手帳をもらいますが、そのときに生後2~3ヵ月頃の子を持つ親を対象とした「赤ちゃんとママの集い」があることを聞いていたんです。同じ月齢の子を持つ親同士で、情報交換を行う場ですね。

育児や保育園探しで悩んでいる、ご近所さんで似た境遇の方に出会えるかもしれない。そう思って、産後2ヵ月頃に参加しました。

私自身は本来、たくさんの人が集まる場に参加するのは得意ではないんです。でも、やっぱり育児中は、不安とか悩みを共有できるような友達が近所にいたほうが良いと思って。それに「これは社会とつながっておくためにも必要だ」と自分にいい聞かせて、内心ドキドキしながら参加しました。

でも行ってみたら、そこで本当に素晴らしい友達に出会えたんです。

──その集いには何人ぐらい参加されていたのですか?

40人くらいいたと思います。住んでいる地域ごとにチーム分けがされるんですが、中には15人位が一つのチームになっている地域もありました。私たちのチームは5人と少人数で、回を重ねるごとに自然と親しくなっていきました。

気がつくと保育園探しに関する情報を共有し合うのはもちろん、育児で困ったときに相談し合う場所にもなっていて。当初は内心必要だと思いながらも「参加するのが面倒くさいな」と思っていたんですが、勇気を出して参加して本当に良かったです。

──ご近所に同じ境遇の方がいると心強いですね。

そうなんですよ。私は運が良いことに、その集いで出会った仲間たちとは出し惜しみなく、情報を共有しあったり相談しあったりできました。

おかげで、娘が0歳のときも孤独を感じることがなくて。みんなで励まし合いながら、育児ができたなって思います。

区役所職員からのアドバイスでやるべきことが明確に

区役所職員からのアドバイスでやるべきことが明確に

──保育園を探すにあたって、ウェブサイトは活用されましたか?

それが、ウェブサイトはあまり使わなかったんです。子育て中の友人から聞く情報や、あとは区役所に行って相談したことも大きかったです。

育児中は日々のことで精いっぱいで、自分でゆっくり調べる時間もなかなか取れませんでした。なのであまり勉強せずに、まっさらな状態で保育課の子育て相談員の方に「何したら良いのですか?」って聞きに行きました。

すると「あなたはここに住んでいるから、この何キロ圏内にある認可保育園はここで、認証保育園はここですね」と、地図を見ながら丁寧に教えてくださいました。

あと、認可保育園に入園できるかどうかも知りたいと思いました。ですから、夫と私の勤務形態や収入はこのくらいというのを伝えたうえで、「入園できそうですか?」と聞いたところ、「過去の傾向を見ると、認可保育園だけでなく認証保育園や無認可保育園もちゃんと調べておいたほうが良いかもしれません」とアドバイスをもらえたんです。

認証保育園に関しては、区役所に置いてある紙のパンフレットを持ち帰り、確認しました。確かな情報がなかった無認可保育園は、子育て中の友人たちから聞きましたね。

ウェブサイトで探すとなると、能動的に情報を取得しないといけないし、自分が欲しいと思う情報が必ずしも載っているわけじゃない…。体系的にまとまっているわけでもなく、どの情報を参考にすれば良いのか分からず効率が悪いように感じました。

その反面、区の相談員の方は疑問を投げかけたら答えてくれますし、私の区では、紙のパンフレットで保育園の情報は十分網羅されていました。

──区へ相談に行かれた後は、何をしましたか?

認可保育園は厳しいかもといわれていたので、希望する認証保育園・無認可保育園を中心に、電話で見学の申込をしていきました。

私の地域の保育園は、ものすごい倍率だったので、「入園の申込には必ず事前の見学が必須」など、条件を設けている園も多くありました。入園の申込締切が何日で、何日までに見学を行う必要があるなど、保育園によって異なるので、とても大変でした。全部で10件ほどリストアップしていきました。

保育園選びで一番参考になった「見学」

保育園選びで一番参考になった「見学」

──保育園にはどういった条件を求めていたのですか?

一つは立地ですね。自宅から遠い保育園は送り迎えが大変だなと思ったので。通える距離にあることが第一条件でした。

あと、仕事に復帰してからは残業がそこそこあるだろうと思っていたので、夕食が出るなど「延長保育もできるかどうか」は見ていました。自分の働き方に合わせて、取捨選択していった感じですね。その条件にあてはまる保育園を絞り込んだ後に、電話をして、見学の申込をしました。

──見学時はどういうところを見るのですか?

複数の保育園を見学する中で「ここは良いな」「ここはちょっと違うな」みたいな自分の基準が見えてくると思うんですが、大事にしていたのは園長先生の雰囲気です。その点は、友人で子育ての先輩からもアドバイスされていたので、見学のときにはできる限り園長先生と話をするようにしていました。

単純にこの先生と自分が合うかどうか、あとは何か困ったことがあったときに相談しやすい雰囲気かどうかを見ていましたね。そして、私の場合、ルールがガチガチの厳しい園は合わないだろうなって思っていたので、そういう空気がないかもチェックしました!

例えば、「急な仕事で、お迎えに間に合わなくなった時はどうすれば良いですか?」と聞いてみました。すると、自動的に延長保育になりますよと優しく答えてくれる園もあれば「皆さん、極力、指定の時間までに迎えに来ていただいていますねぇ…」という回答も(笑)

そういう質問でなんとなく雰囲気がつかめてくるので、紙やウェブサイトに載っている情報だけでは分からない部分を、会話で探っていきました。

──見学の前にいくつか質問も用意しておいたほうが良さそうですね。

そうかもしれません。ただ、見学を重ねていく中で、自分の気になる部分が分かってくると思います。なので、できるだけたくさんの園を見ておくと「これは質問しておこう」といったことが自然と分かってくると思いますよ。

私の場合は園長先生の雰囲気以外にも、「施設は清潔かな」とか、あと園児がいるときだったら「楽しそうに過ごしているかな」とかも注目して見ていました。中には、スポーツをやる時間に子供を厳しく指導している先生もいて…。うちの子には合わなそうだなとすぐに思いましたね(笑)

今思うと、子育て中の友人からの情報ももちろんありがたかったのですが、保育園を選ぶうえで一番参考になったのは、やっぱり自分の目で園を確かめることでしたね。

──保育園選びについて、旦那さんと役割分担などはされましたか?

夫は働いていて私は育休中だったので、基本は自分が中心になってやりました。もちろん見学の感想を夫に共有して、意見を聞くことはその都度していましたよ。

あと「ここは見学したい!」というリストを夫にも共有して、仕事が休みの日などはできるだけ一緒に見学に行きました。

保育園は子供が長く通う場所ですし、いろんな初めてを経験し、その子の価値観が育まれる大事なところだと思います。どちらか任せにするのではなく、できるだけ夫婦揃って保育園を探したほうが良いと思いますね。

予約金で「絶対に入れる保育園がある」という安心を買う

予約金で「絶対に入れる保育園がある」という安心を買う

──保育園探しを振り返ってみて、お金を出して良かったことはありましたか?

認可保育園や認証保育園に入れなかった場合に備え、無認可保育園を押さえておくために支払った9万円の予約金(※)ですね。

始めに区役所の方に相談したとき、認可保育園は難しいことが分かっていました。加えて、認証保育園は、100人以上空きを待っている方がいるという情報を得ていて。もし保育園に預けられないと仕事への復帰も難しいので、予約金を支払ってでも、無認可保育園を押さえておいたほうが良いと判断したんです。

調べたり見学したりする中で良さそうな無認可の保育園が見つかって。そこに予約金を支払い、もしどこにも入れなかったらそこに行くつもりでした。

でも、絶対無理と思っていた第一希望の認証保育園に入れることになったんです。

(※)予約金の有無や金額は園によって異なります。

──認証保育園に入るとなると、無認可保育園に支払っていた予約金はどうなるのでしょうか?

この園の場合ですが、キャンセルのタイミングもあり、予約金は戻ってきませんでした。だから、既に支払っている金額を考えると、正直どうしようかなと迷う気持ちもありました。

それで、受かった認証保育園の園長先生に、正直にそのことを電話で相談してみたんです。そしたら「私としてはもちろん来て欲しいですが、やっぱりお金も大事ですからゆっくり考えてください」といってくださって。

電話の対応も良かったですし、何よりルールに縛られることなく、一つ一つの家庭の事情をくみながら親身に相談に乗ってくれる方だなと思い。やはりその園長先生の魅力に惹かれて、第一希望だった認証保育園に決めました。

9万円という金額は確かに痛かったですけど、でも今思うと、どこにも入れなかったらどうしようみたいな不安は取り除けた。だから、安心を買うための費用だったと捉えると、「まあ仕方ないか」って思えましたね。

オープンに話せば会社の雰囲気も変わる

オープンに話せば会社の雰囲気も変わる

──保育園が無事決まって、仕事にはいつ復帰されたのですか?

娘が1歳2ヵ月のときですね。

──不安はありませんでしたか?

うーん…育休中も同僚とはコミュニケーションを取ったり、また会社に顔を出したりしていたので、孤立はしませんでしたね。

でも、やっぱり不安はありましたよ。

とくに、会社に復帰するとなると、時間の制約を受けることがとても不安で。例えば始業の9時までに、娘の身支度をして保育園まで預けて、会社に向かうことが本当にできるのだろうかって。なので、復帰前から、会社の始業開始を見据えて娘の身支度を済ませるといったシミュレーションはやっていましたね。

ただ、うちの会社はすごく理解があって、また、アットホームで何でもいい合える職場なんですね。例えば、雨が降っていて送迎に時間がかかってしまったときの遅刻連絡には、「がんばれ!」って返信をくれたり、私以外に育児経験のある社員が職場にいなかったので、園探しの状況を全部オープンに話すと、「そうなんだ!勉強になる!」みたいな感じでみんな応援してくれました。

私が子育てや保育園事情を社内でオープンに話していたことで、続く後輩にも、一人で悩まずに「相談していいんだよ」って空気感を作り出せた気がします。

あと、夫が育児に協力的だったおかげで仕事もなんとかできているので、本当に助かりましたね。

会社のルールありきではなく「自分の子を入れたいかどうか」で選ぶ

今振り返ると、「残業があたり前だからこの時間には絶対に迎えに行けない」とか、会社のルールありきで、希望の保育園や幼稚園を諦める、ということをしないほうが良いと思います。

私の職場には、登園の事情に合わせて、会社のほうのルールを変えられないかと上司に相談した後輩もいます。ルールがあるからと諦めずに、「ここに通わせてあげたい」という気持ちを優先してチャレンジしてみると良いと思います。それがみんなに広がれば、後輩たちの選択肢が増えていく可能性もありますから!

この人に聞きました
原 あいみさん
原 あいみさん
1976年 名古屋生まれ。東京在住。平面イラストレーションから人形制作と表現の幅は多岐にわたり、使用する素材もアクリル絵具、粘土、布、毛糸、羊毛、針金…と様々。難しい内容をマンガでわかりやすく伝えることも得意。株式会社京田クリエーション・東京オフィス所属。近著に「素人ですが、デザインしてみました。」Ameba公式トップブロガー「のちの日々」更新中。
ライタープロフィール
吉田 祐基
吉田 祐基
株式会社ペロンパワークス・プロダクション所属。AFP認定者(2級FP技能士)。タウン誌、編集デザインファーム、大手不動産情報サイト編集記者を経て入社。これまでコンテンツマーケティングや、ミレニアム世代向けビジネスメディア、不動産広告の取材&ライティングなどを手がける。

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