コロナ禍で浸透するオンライン化の最新事例。仕事だけじゃなく転職や大学進学も?

コロナ禍で浸透するオンライン化の最新事例。仕事だけじゃなく転職や大学進学も?

コロナ禍で浸透するオンライン化の最新事例。仕事だけじゃなく転職や大学進学も?

リモートワークの導入など仕事のオンライン化が急速に進んだ2020年。脱ハンコなど、ペーパーレス化の流れも加速していく中で、大学選びや就職、転職など、人生の岐路における決断方法も変わっています。今回はオンライン化の最新事例を紹介します。

2020年にオンライン化が進んだものって?

2020年にオンライン化が進んだものって?

働き方以外でも、2020年には主に「飲み会」「婚活」「転職活動」「大学選び」でオンライン化が進みました。

「オンライン飲み会」という言葉が登場した2020年。外で飲めないことに寂しさを感じる方もいる一方で、「好きな物を食べながら、好きなお酒を、マイペースに飲める」「遠距離でなかなか会えなかった友達と飲める」と、評価する声もあるようです。

また婚活においては、インターネット上で出会いの場を提供するアプリの普及もあり、「オンラインデート」という選択肢が登場。外出がなかなかできない中、婚活でも「まずはオンライン」を選ぶ人は増え、マッチングアプリを利用する人も増えています。

「マッチングアプリ」についてはこちらの記事もチェック
新たな出会いの選択肢 「マッチングアプリ」で本当に結婚できる?

さらに、人生でそう何度も経験することのない「転職活動」や「大学選び」もオンライン化。リモート面接やバーチャルキャンパスツアーが、広がりつつあります。オンライン化の実例を紹介します。

主流となるリモート転職。遠隔操作ロボットでオフィス見学も

転職におけるオンライン面談の効果

主流となるリモート転職。遠隔操作ロボットでオフィス見学も

コロナ禍で多くの企業が導入せざるをえなくなった、オンライン面接。

対面と比べると伝わる情報が制限されることで「求職者の熱量の高さが見極めづらい」「自社の魅力が伝わりにくい」と、当初はオンラインへの移行を疑問視する声も多かったようです。

ただ、回数を重ねるうちに企業、求職者の中には、場合によって一次面接はオンライン開催とすることを支持する声も出てきています。

では、オンライン面接にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

企業側にとっての主なメリットは
・面接のハードルが下がることで応募者が増える
・遠方の求職者にもアプローチできる
・採用までの時間短縮
など。

一方で求職者側の主なメリットは
・リラックスした状態で対話できる
・移動時間がない分、面接の日程を調整しやすい
・距離の制限を考えずに、幅広い企業を受けられる

最も大きな効果としては、物理的な制約を受けにくくなった点。地方在住であっても、都心の企業を受けやすくなりました。

また、これまでは一次面接を通過して二次面接が組まれる場合、「1週間後」の候補日で調整することが一般的でした。働きながら転職活動を行う場合、面接日に合わせて半休を取得するなど、すぐに日程調整を行うのはなかなか難しかったでしょう。

しかし、オンライン面接では「明日以降」の候補日で設定されるケースもあるようです。企業側、求職者ともにリモートワークで仕事を行う機会が増加し、時間に融通が利くようになった現在。早いタイミングで時間を調整できるようになったからこそ、初回面談から1〜2週間ほどで内定が出ることもあるそうです。

「表情やしぐさが読み取りにくい」「集団面接やディスカッションが難しい」などのデメリットが存在することも確かですが、双方がオンライン面接の新たな効果を実感していると言います。

オフィス案内はロボットが行う時代へ

中には、会社見学をロボットで実施する例もあります。例えばテックファームホールディングスは、採用活動をオンラインで完結させるために遠隔操作ロボットを導入しました。

オフィスの案内者がPC画面上をクリックするだけで、その場所までロボットが自動走行する仕組みとなっており、求職者は共有されたURLからビデオ通話に参加して、ロボットと同じ視点でオフィス見学を行うそうです。

また、ロボットに搭載されたディスプレイを通じてオフィスに出社している従業員と求職者同士、話すこともできると言います。

大学選びもオンラインで。VRカメラで「バーチャルキャンパスツアー」を実現

大学選びもオンラインで。VRカメラで「バーチャルキャンパスツアー」を実現

大学選びにおいては、オープンキャンパスもオンライン化しました。

リクルート進学総研が実施した調査によると、コロナ禍で高校生が「困っていること」としてトップにあげたのは「オープンキャンパスに行けない」こと。オープンキャンパスに行けないため、大学に関する情報が不足しているわけです。高校生のこうしたニーズに応えるため、大学側はオンラインでの大学説明会を試みています。

スマホと市販のVRメガネを組み合わせ、360度自由に見学できる「バーチャルキャンパスツアー」を実施。学生ガイドが案内する映像をビデオ会議システムで配信する、オンラインツアーを開催した大学もありました。

芸人やYouTuberの参加で、オンラインオープンキャンパスを盛り上げる例も

また、リアルタイムでの体験を重視するため27時間連続で配信を行うオンラインオープンキャンパスを行った大学もありました。在学生や教職員だけでなく、芸人やYouTuberなどのゲストも参加したこのオープンキャンパス。YouTubeを視聴するような感覚で、大学の魅力を伝える工夫を行ったようです。

その結果、2019年に開催したオープンキャンパス来場者数の4倍の視聴者数だったそうです。このようにオンラインの特性を活かして、多くの受験生にアプローチする大学もありました。

これまでのオープンキャンパスは大学をリアルに体感できる一方、複数の大学へ足を運ぶために「時間」「交通費」という負担がありました。対してオンラインのオープンキャンパスであれば、どこからでも、空いた時間に色々な大学を知ることができるといったメリットがあるようです。

リアルとオンラインのハイブリッドで意思決定を行う機会が増える

結婚相手や就職先、大学を選ぶ際、最初にオンラインで接点を持つ機会が増えた現在。場所や時間の負担がなくなるオンラインだからこそ、出会いのハードルは下がります。

様々な機会のオンライン化で、より多くの就職先や進学先を知ることができ、自分に合った選択を行いやすくなる可能性もあるでしょう。コロナ収束後も「まずは画面越しで」が前提となれば、オンラインとリアルを組み合わせた意思決定はこれからのスタンダードになるかもしれません。

参考:
株式会社Parasol コロナ禍の婚活方法の変化を調査!婚活男女の46.8%が「初デートはオンライン」 (外部サイト)
オンライン面接の難しさの正体…企業も個人も「印象形成」に悩んでいる (外部サイト)
広がるオンライン転職面接 応募から内定まで期間短く
テックファーム ホールディングス 遠隔地からも参加OK!ロボットがオフィスを案内 (外部サイト)
リクルート進学総研 コロナウイルス感染拡大による進路選択影響調査 (外部サイト)
同朋大学 バーチャルキャンパスツアー (外部サイト)
東京大学 キャンパスツアー (外部サイト)
オンリー・ワンのイベントで接点を最大化しアプリでコミュニケーションを継続する/龍谷大学 (外部サイト)

ライタープロフィール
吉田 祐基
吉田 祐基
株式会社ペロンパワークス・プロダクション所属。AFP認定者(2級FP技能士)。タウン誌、編集デザインファーム、大手不動産情報サイト編集記者を経て入社。これまでコンテンツマーケティングや、ミレニアム世代向けビジネスメディア、不動産広告の取材&ライティングなどを手がける。

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