新たな出会いの選択肢 「マッチングアプリ」で本当に結婚できる?

新たな出会いの選択肢 「マッチングアプリ」で本当に結婚できる?

新たな出会いの選択肢 「マッチングアプリ」で本当に結婚できる?

恋愛や結婚を目的とした出会いの場を、インターネット上で提供するマッチングアプリ。名前を聞くものの「本当に安全?」「結婚相手も探せる?」と、疑問を持つ方もいるかもしれません。マッチングアプリは出会いの選択肢として活用しても良いのでしょうか。

従来の「出会い系サイト」から進化し、より安全になったのが「マッチングアプリ」

従来の「出会い系サイト」から進化し、より安全になったのが「マッチングアプリ」

2000年代、インターネットの普及とともに登場した「出会い系サイト」。当時は悪いニュースなども多く、インターネットを介して出会うと聞くと「危ない」「心配」というイメージを持つ方もいるかもしれません。

しかし、現在では出会い系サイトからより改善を重ねられた「マッチングアプリ」を始める人が増えています。「恋人と別れたために新しい出会いを求める」「結婚相談所はハードルが高いけど、婚活に特化したアプリなら始められそう」といった理由で、新たな出会いの選択肢として多くの人に利用されているのです。

株式会社タップルが行った調査によると、2021年の国内における恋活・婚活マッチングサービスの市場規模は、前年と比べて約20パーセントの増加の768億円。2026年には、2021年比で約2.2倍となる1,657億円まで拡大すると予測されています。

ブライダル総研の婚活実態調査によれば、恋愛・結婚意向のある独身者の約4人に1人がマッチングアプリを含む婚活サービスの利用経験があるとのこと。さらに同調査によると、婚姻者のうち婚活サービスを通じて結婚した人の割合は13.0パーセントと、2000年の1.4パーセントから大きく上昇。男女ともに20代〜40代のすべての年代で、とくにマッチングアプリの利用経験率が増加傾向にあるといいます。

また「米国科学アカデミー紀要」から発表された研究では、2005年以降にアメリカで結婚した人のなんと3分の1はオンラインで知り合い、そのうちのほぼ半数はマッチングアプリを通じて出会っていたというデータも。

さらに、オンラインで出会ったカップルは離婚率が低く、結婚に対する満足度も高かったといいます。近年では、海外ドラマでも、あたり前のようにマッチングアプリの使用シーンは出てきますよね。

マッチングアプリって本当に安全なの?

マッチングアプリって本当に安全なの?

使う人が増えているといっても、気になるのは健全な出会いができるかどうか。マッチングアプリは本当に、安全なのでしょうか。

まず、マッチングアプリに登録する際には、年齢確認のために公的な身分証明書の提出が必要です。とあるアプリでは、連携するSNS上のプロフィールで「既婚者」「交際中」のステータスがある人は登録できない仕組みになっています。

また、パートナーがいることを臭わせた人は会員からの通報で退会させられるなど、恋人がいる人や既婚者とマッチングしてしまうリスクを可能な限り排除する取り組みを行っているようです。

さらに、これまでの出会い系アプリではメッセージをやり取りするために一回一回課金が必要でした。そのため、運営会社のなかには男性会員に課金をさせるために、いくら連絡しても出会うことのできない「さくら」を雇うケースもありました。

一方でマッチングアプリは月額費を支払う仕組みになっており、メッセージの回数に制限はありません。そのためさくらを雇い、お金を儲けるような業者は激減したといいます。

マッチングアプリの利用者が増えている背景には、SNSとの連携や身分証明書の提示、そのほか24時間監視体制の徹底など、サービス提供会社が安全な運営に力を入れてきた結果だともいえるかもしれませんね。

アプリの出会いは結婚後のミスマッチが起きにくい?

アプリの出会いは結婚後のミスマッチが起きにくい?

マッチングアプリでは、登録するときにまずプロフィール情報を入力します。例えば自分の職業や出身地、趣味や学歴、そのほか年収や血液型、家族構成など。また「子供が欲しいか」「何年以内に結婚したいか」といった項目も選択できるようになっており、事前に相手の情報を確認したうえで自分の価値観に「合う」「合わない」を判断できます。

こうした情報に加えてアプリにログインする時間帯や滞在時間、またプロフィール文章がある程度の分量まで書かれているか(どの程度真剣に探しているか)といった内容を基に、できるだけマッチしそうな人をレコメンド(推薦)してくれる仕組みも。そして気になる異性に「いいね」を送り、相手も「いいね」を返してくれた場合「マッチング」が成立し、まずはメッセージでのやり取りができるようになります。

お互いを信用できるように情報開示や質問の量が自然と増える

マッチングアプリで出会う人は一般的に共通の友人がいるケースは少なく、初対面の人が多いはずです。とはいえ、お互いの職業や趣味をはじめとした基本情報は、互いに知っている状況。そのためプロフィールをベースにしつつ、お互いを信用できるようになるまで、情報開示や質問の量が自然と増えるといわれています。

付き合ったり結婚したりする前に、互いに気になる点も確認しやすいといえそうですね。

例えば、結婚すると出身地の土地柄によっては対応しなくてはならない慣習があったり、将来的に実家に帰る必要があったりなどについて、話し合う必要も出てくるでしょう。その点マッチングアプリは、お互いが基本的には最初から付き合う・結婚という目的を見据えて出会うことが多いといえます。二人の目的が同じであれば、事前に気になる点をクリアにした状態で次のステップにも進みやすいのではないでしょうか。

結局、マッチングアプリはどんな人に向いている?

「高収入」や「趣味が合う」などどうしても譲れない条件がある

「高収入」や「趣味が合う」などどうしても譲れない条件がある

合コンや知り合いからの紹介で出会った人に、いきなり「年収はいくらですか?」とは聞けませんよね。また一緒に趣味を楽しめる恋人が欲しいと思っても、日常生活のなかで見つけるのは難しいかもしれません。

ただ、マッチングアプリには「絞り込み検索」と呼ばれる機能が付いており、年収や職業、年齢などの条件を基に検索することができます。さらに「コミュニティ機能」もあり、好きな映画や本、アイドルなど興味のあるコミュニティに参加することで、共通の話題を持つ相手と出会いやすくなるでしょう。

「結婚相手に対してどうしても譲れない条件がある」という場合、条件をクリアしている人を手軽に探せる点はマッチングアプリのメリットといえそうです。

複数人とのテキストのやり取りが苦にならないかはポイント

複数人とのテキストのやり取りが苦にならないかはポイント

マッチングアプリでは複数人に同時にアプローチする(される)のが基本です。マッチングした後はテキストでやり取りを行い、多くの場合、メッセージが続いた人に限り、実際に会うといった流れ。対面で出会うためにもまずはテキストのやり取りで好感を持ってもらう必要があるため、複数人へのメッセージの返信を、苦痛に感じないかどうかは大切なポイントかもしれません。

一方で現実では複数人にアプローチする機会はないため、同時進行で連絡することに罪悪感を感じてしまう方もいるでしょう。ただ、何人かの人と同時にマッチングする仕組み上、複数人と同時にやり取りを行う状況は避けられないといえます。

マッチングアプリは少子化対策にもなる

2020年10月13日に日本経済団体連合会は、アフターコロナにおける少子化対策の推進に向けて、緊急提言を発表しました。提言のなかで、新型コロナウイルスの感染拡大によって結婚を望む若い世代の出会いが制限され、さらなる未婚率の上昇・出産率の低下を問題視。対策として、婚活マッチングサービスなどオンラインで出会う機会の拡大が、結婚や出産の手助けになると言及しました。

オンラインからやり取りの始まるマッチングアプリは、コロナ禍で出会いの機会が減少するなか、新たな出会いの選択肢としてますます浸透していくかもしれませんね。

参考:
・『出会い2.0 スマホ時代の「新」恋愛戦術』(ゴマブックス社)伊藤 早紀著
株式会社タップル 国内のオンライン恋活・婚活マッチングサービス市場規模予測(外部サイト)
リクルート ブライダル総研 婚活実態調査2020(外部サイト)
米国科学アカデミー紀要 Marital satisfaction and break-ups differ across on-line and off-line meeting venues(外部サイト)
日本経済団体連合会 ポストコロナを展望した少子化対策の推進に向けて(外部サイト)

ライタープロフィール
吉田 祐基
吉田 祐基
ペロンパワークス・プロダクション所属。AFP認定者(2級FP技能士)。タウン誌、編集デザインファーム、大手不動産情報サイト編集記者を経て入社。これまでコンテンツマーケティングや、ミレニアム世代向けビジネスメディア、不動産広告の取材&ライティングなどを手がける。

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