オンラインならみんなで集まれる。リモート結婚式のいま

オンラインならみんなで集まれる。リモート結婚式のいま

オンラインならみんなで集まれる。リモート結婚式のいま

結婚式は人生のメインイベントの一つ。家族や友人達と新たな人生の幕開けを共有する大切な行事ですが、コロナ禍で挙式の在り方が変わりつつあることをご存じでしたか?ここではオンラインを取り入れた新しい結婚式の形について紹介します。

3密を避けるリモート結婚式

3密を避けるリモート結婚式

結婚式では2人にとって大切な思い出を作るためにも、大勢の方と一緒に幸せを分かち合いたいところですが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で人を集めた挙式をためらうカップルも少なくないでしょう。

株式会社Colorsが行ったアンケートによると、2020年3月から8月に実施予定だった新郎新婦の方々の約9割が延期、または中止を選ぶ必要があったといいます。

出典:株式会社Colors 【結婚式リアル調査】新型コロナウイルスによる結婚式の延期・キャンセル状況(外部サイト)

そんな状況下でも集まれる結婚式の形として「リモート結婚式」が注目を集めています。

リモート結婚式とは、新郎新婦とゲストをオンラインでつないで開催する結婚式。おもにテレワークやオンライン会議などでも利用されるオンライン会議ツールを使い、挙式や披露宴の様子を遠方のゲストに中継する形で実施されます。教会やホテルからだけでなく、新郎新婦の住まいで撮影を行う場合もあります。

自宅からの配信準備や開催までをすべて個人で行うことも可能ですが、プロに演出や司会進行をお願いして実施するケースも。最近ではブライダル業者がリモート結婚式を援助するプランを追加しているほか、専門に取り扱う企業も増えつつあります。

リモート結婚式のパターン

リモート結婚式のパターン

ただ、一口にリモート結婚式といっても、その形式は様々。具体的にどのようなパターンがあるのか見ていきましょう。

パターン1:新郎新婦を含めた参加者全員がリモート

新郎新婦、ゲストを含めた全員が自宅からリモートで参加するパターンです。オンライン飲み会などを経験したことがある方は、イメージがつきやすいかもしれません。

ホテルなどの会場を借りずに済むため、費用も比較的安価。式のディレクションや準備をブライダル業者にお願いする場合の相場は10万円前後からとなっていますが、それらすべてを自分で行うなら実質0円で開催することも可能でしょう。

また、コストを抑えたい場合はオンラインウェディングのノウハウを無料で提供している企業もあるので、ガイダンス資料を基に自分たちで式を作っていくことでもできます。

パターン2:新郎新婦と一部のゲスト以外リモート

教会やホテルなどリアルの会場から、挙式の様子を中継するパターンです。新郎新婦だけが会場入りする場合もあれば、親族など限られたゲストだけ参列できるケースもあります。

こちらは20〜50万円前後のプランが多いようですが、参加者やプロにディレクションをお願いする割合が増えるほどに高くなる傾向のようです。会場を借りる必要があるため前述のパターンよりもコストはかかりますが、憧れだったチャペルでの挙式ができる、リアルでの式を体験できるといったメリットがあります。

リモート結婚式の良いところ、気になったところ

リモート結婚式についてざっくりご説明したところで、ここからは実際にリモートで挙式された方に聞いた感想を紹介していきます。

良いところ1「コストがかからない」

良いところ1「コストがかからない」

式場での挙式と比べて低予算で済むのがリモート結婚式のメリット。

一般的に会場を借りての挙式、披露宴の予算はだいたい362.3万円前後とされていますが、リモート結婚式では数十万円程度に抑えられます。

出典:ゼクシィ 結婚トレンド調査2020調べ(外部サイト)

もし会場を借りずに自宅で開催する場合でも、部屋の飾り付けを行うことで特別な雰囲気を演出できます。リモート結婚式の場合「ご祝儀やお料理はどうしているの?」と思う方もいるかもしれませんが、ご祝儀はアプリで送金、料理はデリバリーサービスなどを活用して配送するなどの工夫をしているそうです。

なかには「式場での開催は終わったときの寂しさがあると聞いたけれど、自宅でやってみたら式の余韻を長く味わえた」と感じた方も。2人でゼロから作り上げるからこそ、より思い出に残りやすいといった側面もありそうですね。

良いところ2「気楽に参加してもらえる」

インターネットを通じてそれぞれの自宅から参加できるため、「遠方に住んでいる方も気軽に招待できてよかった」という感想もありました。お互いの実家が離れていたり、全国各地に友人がいたりする方にとっては、参加者の旅費を気にせず招待できるのも大きなメリットかもしれません。

また、「服装が自由な点がよかった」という声も。ドレスコードが不要なため、気さくな感じで集まることができるのもリモート結婚式ならではの利点です。

良いところ3「準備期間が少なくて済む」

良いところ3「準備期間が少なくて済む」

開催までの準備期間が少なくて済むのもポイント。ドレスの着用や演出の準備などをしない場合は、招待を送った当日に開催することも可能です。

また、「比較的準備が少ないため、夫婦間での意見の衝突やトラブルもなく、効率よく式を行うことができました」という感想もありました。

結婚式の準備といえば会場のセッティングから招待状、席順の作成、顔合わせの段取りや料理の手配など多岐に渡ります。そのなかで、意見の食い違いからトラブルになってしまうこともあるでしょう。そういった問題を回避できるのもメリットの一つです。

気になったところ1「ソフト含め通信環境の整備が大変」

便利なリモート結婚式ですが、オンライン機能の使い方が分からない方への対応が必要な場合もあるようです。とくに高齢者のなかにはパソコンの操作に慣れていない方もおり、使い方の説明といったフォローを行ったといいます。

また、それぞれの家庭の通信環境によっては映像や音声が乱れる場合があります。当日だけモバイルWi-Fiルーターを借りるなど、事前の用意や対策の呼びかけも行う必要もありそうです。

気になったところ2「集合写真が撮れない」

集合写真が撮れない点も注意点の一つです。パソコンの画面上で全員の顔を見ることは可能ですが、同じ場所で撮影した写真の方が思い出にも強く残るもの。また、キャンドルサービスなどリアルな会場ならではのイベントの実施が難しいのも、人によっては残念に思う点かもしれません。

リアルの場と同じような式を行う工夫は続けられているものの、「実際の体験を重視したい」という方にとって、リモート結婚式はまだまだ課題の残る形式といえそうです。

ライフイベントの新しい形

リモート結婚式には自宅から参加できる、コストを抑えられるといったメリットがあります。より身近に行えるという面から、結婚式のほかにも、お葬式や墓参りなどをオンライン上で実施している例もあるようです。新型コロナウイルス感染症が収束したあとでも、リモートでの開催は一つの選択肢として普及していくかもしれません。

ライタープロフィール
笠木 渉太
笠木 渉太
主にマネー系コンテンツ、広告ツールを制作する株式会社ペロンパワークス・プロダクション所属。立教大学卒業後、SE系会社を経て2019年に入社。主にクレジットカードやテック関連のWEBコンテンツ制作や企画立案、紙媒体の編集業務に携わる。

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