ニューノーマルな学校行事の実情。思い出づくりと効率化の重要性を改めて実感?

ニューノーマルな学校行事の実情。思い出づくりと効率化の重要性を改めて実感?

ニューノーマルな学校行事の実情。思い出づくりと効率化の重要性を改めて実感?

新型コロナウイルス感染症の感染予防として、文部科学省から「学校の新しい生活様式」が発表されました。ガイドラインに従い、消毒やマスク着用のうえで学校は再開。運動会などの行事も実施されているわけですが、以前と比べてどう変わったのでしょうか。

⽂部科学省が作成した「学校の新しい生活様式」とは?

⽂部科学省が作成した「学校の新しい生活様式」とは?

新型コロナウイルス感染症の影響で、全国の小中学校に、2020年3月2日から臨時休校の要請が出されました。4月16日に発令された緊急事態宣言により、多くの学校では5月末まで臨時休校が続きました。

その後は緊急事態宣言の解除もあり、感染予防に関する指導などを徹底することで、6月からは多くの学校が再開されることになりました。

さらに文部科学省は子供たちが安全な学校生活を送れるように、衛生管理マニュアル「学校の新しい生活様式」(外部サイト)というガイドラインも作成。ガイドラインでは、まず感染防止の3つの基本として「身体的距離の確保」「マスクの着用」「手洗い」をあげています。

そして日常の学校生活の中では「換気の徹底」「身体的距離の確保」「密接場面での対応」に関して具体的な内容がまとめられ、行事を実施する場合の対策についても方向性が示されました。

では、感染防止対策を行って開催された行事はどんな様子だったのか。幼稚園から中学生までの保護者にお話を伺って見えてきた学校行事と、それを取り巻く皆さんの思いをまとめてみました。

授業参観や学習発表会は中止。一方で運動会は規模縮小で開催

授業参観や学習発表会は中止。一方で運動会は規模縮小で開催

4・5月の授業参観や学習発表会は、緊急事態宣言による休校のため、中止になった学校が多かったようです。修学旅行などについても文部科学省からの要請で、延期という措置がとられました。

一方で子供たちの安全に配慮しながら、可能な範囲で行われた行事もあります。

運動会は競技や演目を減らして実施

感染が少ない地域の幼稚園や小学校を中心に、運動会は実施されていました。しかし緊急事態宣言による授業時間の補填や、室内で密になる場面を控える必要が生じたことにより運動会当日に向けた練習や準備に十分な時間がとれず、当日の競技種目を大幅に削減し運動会の規模を縮小せざるをえない状況にありました。

運動会の様子については、紅白対抗の応援合戦など、密を避けて参観人数が制限されたため「盛り上がりが少なくて寂しい」と感じた方もいたようです。反対に運動会が午前中だけで終了したり学年ごとの入れ替え制で行われたりと、開催時間が短縮されたことで「自分の子供の演目だけに集中することができた」という声もありました。

昼食を挟む運動会の場合、例年は家族で集まってご飯を食べていました。しかし新型コロナウイルス感染症流行下で実施された2020年度の運動会は、親子で分かれて弁当を食べる学校が多かったようです。そのため、子供は通常通りに教室で昼食をとり、食事中の会話も控える必要があったといいます。

遠足や社会科見学など例年通り実施される行事も

一方、遠足や社会科見学などは、例年の行程通りに実施した学校もありました。宿泊をともなう修学旅行においては、保護者へのアンケートを行ったうえで、実施するかどうかを検討した学校もあったといいます。修学旅行を中止した学校の中には、代替案として近隣の観光施設を使った交流会を行うなど、予定より行動範囲を狭めた内容へと変更されることもあったそうです。

修学旅行のバス移動中は、これまでであればレクリエーションを取り入れる学校もありましたが、今年は中止。車内ではビデオを視聴してもらい、会話を減らすための工夫が行われました。

そのほか演劇発表会や学習発表会を実施したケースでは、後日撮影した動画を視聴できるように、学校側で準備した例もあります。演目を学校職員が撮影し、保護者の方々はDVDやYouTubeなどを通じて子供たちの姿を確認したそうです。

結果的に「発表会当日の時間に縛られることなく、子供たち全体を捉えるように撮影されていて見やすかった」という声や「パソコンやスマホからいつでも見られて便利」など、好意的に受け入れる方もいました。

ニューノーマルなやり方には賛否があるよう

ニューノーマルなやり方には賛否があるよう

飛沫感染を防ぐためのマスク着用は、不便さや不快感を覚える子供も多いようです。運動時には、熱中症予防のためにマスクを外して行うこともあるようですが、感染防止の不安は拭えず「こまめな手洗いやマスク着用のアナウンスを強化して欲しい」と、心配する保護者の声もありました。

また、授業参観の後などに行われる懇親会について「改めて重要性を認識した」という意見も。懇親会を中止せざるをえない状況の中で、子供の家庭での過ごし方や学校での生活について保護者同士で情報交換ができる大切な場だと、改めて実感したそうです。

ほかにも修学旅行やお泊まり会、移動教室といった普段と違う場所での学びは「子供にとっては貴重な経験」と考える保護者もおり、開催を望んでいました。

一方で、新型コロナウイルス感染症をきっかけに「むしろ便利になってよかった!」という意見もあります。例えば風邪などで休むときは、Webを通して連絡できるようになった学校が増えたそうです。PTAのアンケートなどがオンライン化された事例もあり、コロナ禍で急速に利便性が向上したことを評価する声もありました。

まとめ

取材で様々なご家庭にお話を伺った結果、新型コロナウイルス感染症流行下で実施された学校行事に対し、感染防止対策が十分かどうかを心配する方がいる一方で「子供たちの思い出を作る場面を大切にしたい」という保護者の葛藤が見えてきました。

また、学校との連絡手段などでWebを活用できるようになった点に「便利になって助かる」と、前向きに捉えた方もいるようです。

今後は演劇・学習発表会の様子を後日、YouTubeで限定公開する例など、新型コロナウイルス感染症が収束した後もリアルとオンラインを組み合わせた学校行事が増えていくかもしれませんね。

※この記事は、2020年12月3日に公開された「学校の新しい生活様式(Ver.5)」の内容を基に執筆しています。

参考:
文部科学省 「新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン」(外部サイト)
文部科学省 新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応について(外部サイト)
文部科学省 学校再開に向けて(Q&A)(外部サイト)
文部科学省「修学旅行等の実施に向けた最大限の配慮について」(外部サイト)
文部科学省「小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校において合唱等を行う場面での新型コロナウイルス感染症対策の徹底について」(外部サイト)
NHK 特設サイト新型コロナウイルス(外部サイト)

ライタープロフィール
八坂 都子
八坂 都子
育児系雑誌の編集アシスタント、美術系出版社にて編集記者を経て2020年にペロンパワークス・プロダクション入社。マネー系を中心にカルチャーなど幅広いテーマで記事執筆・コンテンツ制作を行う。

八坂 都子の記事一覧はこちら

RECOMMEND
オススメ情報

RANKING
ランキング