栄養指導はAIに任せる時代がくる?未来の食生活と健康

栄養指導はAIに任せる時代がくる?未来の食生活と健康

栄養指導はAIに任せる時代がくる?未来の食生活と健康

油断していると、食生活が偏ってしまいがちな現代人。しかし昨今はAIの発展が目覚ましく、写真を撮影して食事内容を記録するだけでなく、栄養素まで教えてくれるものもあります。AIを活用して食生活を整え、将来の健康貯金をしてみませんか?

AIによる栄養指導が進化している

AIによる栄養指導が進化している

AIとは、Artificial Intelligence(アーティフィシャル インテリジェンス)の略で、人工知能のことです。現在、AIの進化は目覚ましく、今まで人間が担っていた仕事をAIにまかせるという分野も増えてきています。正しい食生活に関しても、このAIが活用され、様々なアプリに搭載され始めています。

今までは栄養管理のアプリといっても、写真で撮影した料理をAIが判断し記録に残すという程度でした。しかし、昨今の栄養管理アプリに利用されているAIは、撮影された料理を判別し、栄養素まで判断してくれます。そして、その食事に含まれる栄養素から、不足している栄養素を割り出しつつ、取りすぎているものや、カロリーなどを算出してくれるのです。

それに加え、普段の仕事のスタイル(デスクワーク中心or肉体労働かなど)や、運動習慣、体調の変化などのパーソナルデータを入力すれば、おすすめの献立や生活習慣に関するアドバイスなどが表示されるものもリリースされています。

膨大なデータのもとに発展を続ける栄養管理AI

栄養管理のアプリで撮影するだけで本当に栄養素やカロリーまで分かるの?と疑問に思われるかもしれません。確かに、こうしたAIの開発には、膨大な数と種類のデータが必要でした。例えば、同じカレーでも入っている具材によって、栄養素やカロリーは変わってきます。これに対し、ある企業では料理を正確に判別するため、1日50種類以上の料理を作り、3カ月で2,000種類の料理データを組み込んだそうです。

また、モニターを栄養指導アドバイザーの指示があるグループとないグループに分け、肉体的・心理的な変化がどのようにみられるか、という検証をしている企業もあります。このような実験や研究から、行動データ・食事データ・購買データが積み重なれば、さらに機能が充実し、より正確なアドバイスが期待できるでしょう。

AI×ソーシャルで正しい食生活を継続!

現在、食事のアドバイスは、AIが判別・計算したデータを元に、簡易なアドバイスを表示するものと、そこからさらに、栄養士などの専門家が詳しいアドバイスをしてくれるもの(多くのアプリでは有料)などに分かれていますが、将来的には、専門的なアドバイスも含め、すべてAIが行ってくれるようになるかもしれません。

忙しい毎日のなか、自分だけで栄養素やカロリーを計算しながら正しい食生活をめざすとなると、かなりの知識や労力が必要になり、継続するのはなかなか難しいといえます。そこでAI搭載のアプリなどを上手に活用できれば、自分に合った食生活の改善ポイントがすぐに分かるので、健康的な食事を続けやすくなるでしょう。

また、こうしたAIによる栄養管理アプリなどは、ソーシャル機能が付いているものも多く、同じく食生活の改善や健康的なダイエットをめざしている仲間とつながることもできます。一日の食事日記をつけたり、コメントや応援の言葉をもらったりすることで、より継続意欲が湧いてくることもソーシャル面で実感できるメリットの一つです。自分だけでコツコツ頑張るよりも、AIや仲間の力を借りることで、より楽しく食生活の改善ができるでしょう。

なぜここまで栄養管理に関する技術が発達した?

なぜここまで栄養管理に関する技術が発達した?

そもそも、なぜこれだけ急激に栄養指導に関するAIやアプリが発展したのでしょうか?そこには日本人の一般的な食生活の実態が大きく関わっています。

日本は物資・食物ともに豊富で、海外からも様々な食材が輸入されています。また、多くの外食チェーン店が展開しているため、食べたいと思ったものをすぐに食べられる生活をしている方も多いでしょう。しかし、その一方で問題となっているのが、偏食による食生活の乱れです。

理想的な食事として、「主食・主菜・副菜をバランスよく」といわれていますが、厚生労働省が平成30年(2018年)に実施した、「国民健康・栄養調査」によると、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上毎日食べる人は、男性45.4パーセント、女性49.0パーセントと、約半数の人はバランスの良い食事をあまり取れていないことが分かっています。

出典:厚生労働省 平成30年「国民健康・栄養調査」(外部サイト)

改善したいけれど実現しない理由

令和元年(2019年)に行われた食生活改善の意識調査では、「関心はあるが改善するつもりはない」と回答した人が、男性24.6パーセント、女性25.0パーセント。合わせて調査した、運動習慣改善の意識についても、「関心はあるが改善するつもりはない」と回答した人が、男性23.9パーセント、女性26.3パーセントでした。

出典:厚生労働省 令和元年「国民健康・栄養調査」(外部サイト)

また、食生活の乱れを感じながらも、改善に取り組めない事情にある人が多いことも浮き彫りになっています。実際、同調査で食生活・運動習慣の改善に対し「関心はあるが改善するつもりはない」と回答した人への「改善の妨げになっていることは何か」という質問では、「仕事(家事・育児等)が忙しくて時間がないこと」と回答した人の割合がもっとも高いようです。

改善したいけれど実現しない理由

正しい食生活の定義は、年齢・性別・生活スタイル(運動習慣や、肉体労働orデスクワークかなど)によって変わります。主食・主菜・副菜をバランスよく取ることが、正しい食習慣の基本ですが厚生労働省は、どんな栄養素をどのようなバランスで摂取すればよいのかを公表しています。

参考:厚生労働省 「食事バランスガイド」について(外部サイト)

栄養素の偏りや食べすぎによる肥満は生活習慣病の原因になります。「正しい食生活」を継続するためには、食材にどのような栄養があるのか?という知識も必要です。「分かってはいるけれど改善する時間がない、取り組む余裕がない」という忙しい人や、どうしても継続的に取り組む気力が湧いてこない人にぜひ活用して欲しいのが、AIによる栄養指導なのです。

今日の食事が未来の健康をつくる

今日の食事が未来の健康をつくる

今日の食生活が、将来の健康状態を変えます。最近は単なる寿命ではなく、健康寿命にスポットがあてられることも多く、正しい食生活は欠かせない要素といえるでしょう。自分の意思だけで急に食生活を変え、継続するのは難しいかもしれません。AI搭載の食事管理アプリなどを賢く活用し、「今日の食事から少し改善してみよう」という意識を持ってみませんか?

ライタープロフィール
川上 雅哉
川上 雅哉
多数のWebメディアを中心に執筆中のフリーランスライター。情報とともに心を届ける文章をモットーに、恋愛コラムや美容コラム、ライフスタイルから不動産に至るまで多岐のジャンルに渡って執筆中。趣味は音楽、料理、お菓子作りなど。

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