デジタルクローゼットとは?

デジタルクローゼットとは、一言でいうとスマホで管理できるクローゼットのこと。持っている服をスマホ上で把握し、管理する「ファッションをデジタルで整理する」という発想が現代のライフスタイルにマッチし、人気を集めています。
例えば、デジタルクローゼットを使えば片付けが苦手な人の収納の悩みを解決したり、コーディネート選びをサポートしてもらったりできます。また、ご自身の手持ちの服から、AIが季節や天気に合わせた最適なコーディネートを提案してくれることも。
デジタルクローゼットのニーズや社会からの受け入れられ方は?
デジタルクローゼットのサービス自体は以前からあったものの、コロナ禍による社会情勢の変化から、女性を中心にさらに注目を集めるようになりました。なかには2020年11月時点で140万ダウンロードを達成しているアプリもあり、利用者は着実に増えているようです。
外出機会が減ったことから、「一度の外出でおしゃれを目いっぱい楽しみたい」「手持ち服での着回しコーディネートがより大事になっている」と感じることが多いという意見も増えており、デジタルクローゼットは時代のニーズに合っているといえるでしょう。
AIが自分に最適なコーディネートを提案してくれる

デジタルクローゼットの利点は、既存の服や購入したファッションアイテムを管理できるだけではありません。アプリによっては、購入済みアイテムや保存したコーディネートの情報から、AIがコーディネートの提案をしてくれることも。
その日の天気や気温に合わせたコーディネートや、自分に合った着回しコーディネートが分かるので、服の組み合わせに悩んだり、無駄なアイテムを買ってしまったりすることはなくなるでしょう。さらに、自分では思いつかない着回しや新たな着こなしも楽しめます。
「これから秋冬にかけて自分に似合うコーディネートが知りたい!」「手持ちの服でどんなコーディネートをするか迷ってしまう」といった問題を、店舗に足を運ぶことなくスマホ一つで解決できます。
小売店とデジタルクローゼットの連携

コロナ禍により、外出の機会が減ったことでアパレル小売業も大きな影響を受けています。しかし、店舗に足を運ぶ人が減った反面、オンラインショップ売上高は伸びている傾向にあるとされ、消費者の動向も明らかに変わってきているといえるでしょう。今後は、「実店舗で服を売る」というビジネス形態自体が縮小する可能性も否定できません。
そこでファッション業界ではこれまでアナログで対応していた業務をデジタルに移行する「デジタルシフト」が急速に進みつつあります。多くの小売店が様々な面でのデジタル化を推進し、時代の流れに対応すべく変容しているのです。デジタルクローゼットは、自宅にいながらおしゃれを楽しめる、まさにアパレル業界のデジタルシフトの代表例といえるでしょう。
デジタルクローゼットの未来は?

この先、さらにファッションの可能性を広げていくと見られるデジタルクローゼットですが、具体的にどんな未来が予想できるでしょうか。この先のデジタルクローゼットがもたらす未来の展望を少し見てみましょう。
1.デジタルクローゼットにより、オンライン接客がしやすくなる
前述した通り、コロナ禍によってファッション業界は大きな影響を受けています。特に、国内で最初に独自の緊急事態宣言を発した北海道は深刻な状態でした。そこで、北海道・札幌のファッションブランドはTwitter、LINE、InstagramなどのSNSや、Zoomなどのツールを活用し、いち早くオンライン接客を取り入れたのです。
今後、このようなオンライン接客がさらに浸透すると、デジタルクローゼットは今よりも重視されるようになるでしょう。顧客のデジタルクローゼットを見ることで好みの傾向が分かり、合わせる服の提案が容易になるため、「服の売り方」が大きく変わるかもしれません。
2.「買う、着る、売る」連携がより強固に
一部のデジタルクローゼットアプリでは、ECサイトと連携し購入履歴から服のデータを登録したり、より自分好みの服を見つけやすくしたりする仕組みが導入されています。これにより「買う→着る→さらに買う」というサイクルができ上がりましたが、「着なくなった服の処分」もファッションを楽しむうえでの悩みどころ。
そこで、もう着なくなった服を売りに出すためのリユース業者との連携が期待されています。登録した服を中古販売するシステムの開発をすでに発表したデジタルクローゼットアプリもあり、実現すれば服を「買う、着る、売る」というサイクルをより快適に、便利に楽しむことができるようになるでしょう。
3.集積されたデータにより、さらなる発展も?
デジタルクローゼットアプリのなかには、利用者のデータをビッグデータとして蓄積し、さらなるサービス展開に活かそうとしている動きもあります。蓄積されたデータはAIによるコーディネート提案の精度を高めたり、ECとの連携をより個人にあった形にカスタマイズしてくれたり、これまでのファッション業界を大きく変えるようなサービスの開発につながるかもしれません。
デジタルクローゼットがファッション業界の未来を切り拓く
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で外出機会が減り、お店で洋服を買うことが減った方も多いのではないでしょうか。しかし、自宅でもおしゃれは楽しみたいものですよね。デジタルクローゼットを利用すれば、自宅にいながら手持ちのアイテムを使った最適なコーディネートが楽しめます。
また、今後はオンライン接客の機会が増えることが予想されます。その際にデジタルクローゼットがあれば、幅広いコーディネートの提案が可能になるでしょう。この先のアパレル業界の常識を変えていく可能性を秘めたデジタルクローゼットアプリで、ファッションを楽しんでみてはいかがでしょうか。
ライタープロフィール

WEBライター。『想いを言葉に』をモットーにWEBマーケティング、金融、IT、BtoB、コラム記事、などセールスコピーライティングからSEOに特化した記事を執筆。Udemyベストセラー講師としても活動中。趣味は楽器演奏と筋トレ。
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