サステナブルな社会実現のために、私たちができること

サステナブルな社会実現のために、私たちができること

サステナブルな社会実現のために、私たちができること

最近では「SDGs(持続可能な開発目標)」への注目の高まりとともに、「サステナビリティ(持続可能性)」という言葉がメディアでも多く取り上げられるようになりました。しかし、なんとなく「サステナビリティ」と言われても、いまいちどうしていいのか分からないと考えている方も多いはず。そこで今回は、個人でも取り組むことができる、「サステナビリティ」につながる取り組みをご紹介します。

「サステナビリティ」とは

「サステナビリティ」とは

そもそも、「サステナビリティ」とは何を指す言葉なのでしょうか?

「サステナビリティ(Sustainability)」は、英語で物事の「持続可能性」を意味しています。特に昨今では、環境・社会・経済が将来にわたって持続していく可能性のことを指して使われることが多い言葉です。

こうした意味合いで「サステナビリティ」という言葉が使われ始めたきっかけは、1984年に国連に設置された「環境と開発に関する世界委員会」が1987年に公表した報告書にあります。この報告書で、「将来世代のニーズを損なうことなく、現代世代のニーズを満たす発展」を意味する「持続可能な発展(Sustainable Development)」という概念が打ち出されました。
出典:持続可能な開発(Sustainable Development)(外部サイト)


以後、国連などの会議や、環境意識の高い人々の間で議論されてきた「サステナビリティ」ですが、この言葉がより広く知られるようになったのは、2015年に「持続可能な開発目標(SDGs)」が策定されたことがきっかけでしょう。

「SDGs」は、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として採択された2016年から2030年までの国際目標で、「世界を変革するための17の目標」が示されました。現在では各国や企業がこの17の目標に沿って取り組みを進めていることで、ニュースでも「SDGs」や「サステナビリティ」という言葉が多く取り上げられるようになってきています。

日常生活で実践できる「サステナビリティ」とは

日常生活で実践できる「サステナビリティ」とは

さて、このような「サステナビリティ」ですが、冒頭で書いたように「いまいちどうしていいか分からない」と思ってしまいませんか?

例えば、「SDGs」で掲げられた目標をいくつかながめてみても、「貧困をなくそう」「飢餓をゼロ」「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」など。「確かに言っていることは正しいと分かるけど、具体的にどう行動して良いのか分からない」という感想を持つ方もいるかもしれません。

このことについて、筆者は「大きなサステナビリティ」と「小さなサステナビリティ」を分けて考えています。

国や自治体、企業単位による大規模な取り組みは、「大きなサステナビリティ」。
「SDGs」と聞くと、こうした大規模な取り組みをイメージすることが多いのではないでしょうか。

しかし、あたり前のことですが、「サステナビリティ」につながる取り組みは国や自治体、企業でしか取り組むことができないものではありません。
個人が、日常生活のなかで実践できる「サステナビリティ」につながる取り組みもあるのです。
それを、「小さなサステナビリティ」と捉えることで、大規模な取り組みだけが「サステナビリティ」ではないことを認識しやすいのではないでしょうか。

確かに、世界的な環境問題・社会問題を解決するには国や企業レベルでの「大きなサステナビリティ」につながる取り組みが必要ですが、それだけでなく、個人レベルで取り組める「小さなサステナビリティ」につながる取り組みの積み重ねが欠かせないと、筆者は考えるのです。

「小さなサステナビリティ」につながる取り組みの具体例

未来想像WEBマガジン

実は国連も、「持続可能な社会のために ナマケモノにもできるアクション・ガイド」という資料を公開しています。

その資料であげられていることは、前述の「小さなサステナビリティ」につながる取り組みの具体例として、確かに誰でも実践できそうなものばかりです。

レベル1:ソファに寝たままできること

・電気を節約しよう。電気機器を電源タップに差し込んで、使ってない時は完全に電源を切ろう。もちろん、パソコンもね。
・請求書が来たら、銀行窓口でなく、オンラインかモバイルで支払おう。紙を使わなければ、森林を破壊しなくて済む。

レベル2:家にいてもできること

・ドライヤーや乾燥機を使わずに、髪の毛や衣服を自然乾燥させよう。衣服を洗う場合には、洗濯機の容量をフルにして使おう!
・堆肥を作ろう。生ゴミを堆肥化すれば、気候への影響を減らすだけでなく、栄養物の再利用にもつながる。

レベル3:家の外でできること

・買い物は地元で!地域の企業を支援すれば、雇用が守られるし、長距離トラックの運転も必要なくなる。

・「訳あり品」を買おう!大きさや形、色が規格に「合わない」という理由だけで、捨てられてしまうような野菜や果物がたくさんあるよ。

レベル4:職場でできること

・若者の相談相手になろう。それは誰かをより良い未来へと導くための、思いやりある、刺激的でパワフルな方法です。

いかがですか?「これならできそう!」と思った方もいるのでは。ここで紹介したものは、「ナマケモノにもできるアクション・ガイド」で紹介されている実践例のほんの一部です。
ぜひ資料を基に、無理なく、しかも楽しみながら取り組めるものを見つけてみてください。
出典:持続可能な社会のために ナマケモノにもできるアクション・ガイド(改訂版)(外部サイト)

まとめ

まとめ

この記事では、「サステナビリティ」について、国や企業が取り組む大規模な取り組みだけでなく、個人が日常生活の中で取り組めるものがあることをご紹介しました。

「アクション・ガイド」の例をみて、「そんな小さなことでいいの?」と拍子抜けしたかもしれません。しかし、持続可能な社会は一人ひとりの「そんな小さなこと」の積み重ねの先に実現するものではないでしょうか。さぁ、みなさんも今日から「自分ができること=小さなサステナビリティ」につながる取り組みを始めてみませんか?

ライタープロフィール
山中 康司
山中康司
生き方編集者。生き方をテーマに、編集、執筆、ワークショップデザイン、キャリアカウンセリングに取り組む。関心領域はキャリア、ライフスタイル、ソーシャル、ローカル。関わっている取り組みは、「グリーンズ求人」「Proff Magazine」など。

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