消費税増税に伴って変わる! 住宅購入時の知っておくべきお金の制度

消費税増税に伴って変わる! 住宅購入時の知っておくべきお金の制度

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    ライター
    高橋 洋子
出典 : freeangle / PIXTA(ピクスタ)
消費税増税に伴って変わる! 住宅購入時の知っておくべきお金の制度

低金利の今、住宅ローンを活用して、夢のマイホームを手に入れたいと考えている方へ。消費税増税後にお得に家を買う方法として、ぜひとも活用したい国の支援制度が4つあります。そこで今回は、増税後にチェックしたい、支援制度の概要についてご紹介します。

どのようなケースで支援を受けられるのかを確認する

まず確認したいのが住宅購入の際、何に課税されるのかということです。消費税の課税対象は建物のみで、土地には課税されません。また、売主が個人で仲介業者を通じて中古物件を売買する場合は建物も非課税となります。消費税が課税されるのは不動産会社が販売する新築物件や、業者がリノベーションした中古物件を購入する場合です。今回、支援策が拡充されるのは消費税率10%で新たに住宅を購入するケースとなります。

【支援策その1】住宅ローン減税

支援策その1:住宅ローン減税

支援策の一つとしてあげられるのが「住宅借入金等特別控除制度」。いわゆる「住宅ローン減税」です。「住宅ローン減税」は住宅ローンを借り入れて住宅を購入する場合に、購入者の金利負担を軽減させる制度です。今までは年末の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税などから控除する内容でしたが、今回の増税に伴い10年間から、13年間へと、3年間長く控除されることになりました。これにより11年目以降は年末の住宅ローン残高の1%の額、または建物購入価格の2%÷3に相当する額と比べてどちらか少ない方の額が減税されることになります。

また控除の対象は2019年10月1日から2020年12月31日までに入居する住宅としていて、注文住宅の場合は2019年4月1日契約分から減税対象となります。このように住宅ローン控除には様々な条件があるので、住宅購入を検討する際にしっかりと確認するようにしましょう。

【減税を受けるための主な条件】
・減税を受ける者が自ら居住すること
・登記簿に記載されている床面積が50㎡以上であること
・借入金の償還期間が10年以上であること(一部5年間の緩和あり)
・年収が3,000万円以下であること(3,000万円を超える年は住宅ローン控除が利用できない)

【支援策その2】「すまい給付金」の拡充

支援策の2つ目として、住宅ローン控除と合わせて、2019年10月から「すまい給付金」も拡充されました。「すまい給付金」は、消費税率引き上げによる住宅購入者の負担を緩和するために創設した制度です。住宅ローン減税は、支払っている所得税等から控除する仕組みであるため、収入が低いほどその効果が小さくなりますが、すまい給付金制度は、住宅ローン減税の拡充による負担軽減効果が十分に及ばない収入層に対して、住宅ローン減税と合わせて消費税率引上による負担の軽減をはかるものです。このため、収入によって給付額が変わる仕組みとなっています。対象者が拡充するものの、消費税10%時では、年収775万円以上はこの制度の対象外となります。

具体的にはこれまでの消費税率8%から10%への引き上げで、給付金の対象者が拡充され、かつ給付金額も増額します。8%の時には年収510万円以下の世帯に最高で30万円の給付でしたが、10%になると、年収775万円以下の世帯に最高で50万円の給付金が支給されることになります。国土交通省のウェブサイトで、給付金をいくらもらえるのかを簡単にシミュレーションできるので、給付の要件などと照らし合わせながら、自分の給付額を計算してみると良いでしょう。
【参考】すまい給付金シミュレーション

【支援策その3】贈与税非課税枠の拡充

支援策の3つ目に、贈与税非課税枠の拡充があります。住宅ローンを借り入れる際、頭金が多い方が返済の負担額を抑えることができますが、すべての人が多額の頭金を用意できるわけではありません。自己資金がない場合や少ない人は親から援助を受けるというケースも考えられますが、例え相手が親であっても金銭の贈与を受けると贈与税の課税対象になります。そこで今回の消費税増税に伴い、贈与税の非課税枠が拡充されることになりました。

消費税が10%の場合、最大で3,000万円の非課税枠が設定されます。贈与を受けた場合と受けない場合では返済負担額にも大きく影響してくるので検討してみましょう。

非課税限度額は、次の【イ】または【ロ】の表のとおり、新築等をする住宅用の家屋の種類ごとに、受贈者が最初に非課税の特例の適用を受けようとする住宅用の家屋の新築等に係る契約の締結日に応じた金額となります。締結日は、令和3年12月31日までとなります。

【イ】下記ロ以外の場合

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日省エネ等住宅左記以外の住宅
~平成27年12月31日1,500万円1,000万円
平成28年1月1日~令和2年3月31日1,200万円700万円
令和2年4月1日~令和3年3月31日1,000万円500万円
令和3年4月1日~令和3年12月31日800万円300万円

【ロ】住宅用の家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日省エネ等住宅左記以外の住宅
平成31年4月1日~令和2年3月31日3,000万円2,500万円
令和2年4月1日~令和3年3月31日1,500万円1,000万円
令和3年4月1日~令和3年12月31日1,200万円700万円

【出典】贈与税非課税枠について(国税庁)

【支援策その4】次世代住宅ポイント制度の導入

支援策その4:次世代住宅ポイント制度の導入

支援策の4つ目に「次世代住宅ポイント制度」があります。消費税率10%が適用される一定の省エネ性、耐震性、バリアフリー性能等を満たす住宅や家事負担の軽減に資する工事(A.住宅の新築、B.リフォーム)をした者に対し、様々な商品と交換できるポイントを発行する制度です。

対象となる工事【A.住宅の新築】以下①~③のいずれかに該当する住宅

①一定の性能を有する住宅【30万ポイント】
・ エコ住宅
(断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4を満たす住宅)
・長持ち住宅
(劣化対策等級3かつ維持管理対策等級2を満たす住宅)(※1)
・ 耐震住宅
(耐震等級2を満たす住宅または免震建築物)
・バリアフリー住宅(高齢者等配慮対策等級3を満たす住宅)(※2) 
※1 共同住宅及び長屋については、一定の更新対策を含む
※2 共同住宅等の場合は、共用部分も高齢者等配慮対策等級3以上であること


なお、上記に加え、以下性能の高い住宅は1戸あたり5万ポイント追加されます。
・ 認定長期優良住宅
・ 認定低炭素住宅
・ 性能向上計画認定住宅
・ZEH (ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)

②耐震性のない住宅を建て替える【15万ポイント】

③家事負担軽減設備の設置(※3)【0.9~1.8万ポイント】

・ビルトイン食器洗機
・ビルトイン自動調理対応コンロ
・掃除しやすいレンジフード
・掃除しやすいトイレ
・浴室乾燥機
・宅配ボックス(※4) など
※3 自ら居住する住宅に限る
※4 各住戸専用のもので、他の住戸用のボックスと一体となっていないものに限る

対象となる工事請負契約を結んだもの【B.リフォーム】対象期限:2020年3月31日まで

リフォームの場合は、次の1~9のいずれかに該当する工事が対象になります。(個人・法人を問わず、マンション等の管理組合が実施するリフォームも対象。なお、リフォームの申請には、工事前後または工事中の写真が必要です。撮り忘れた場合、ポイントの発行はされません。)

1.開口部の断熱改修
2.外壁、屋根・天井または床の断熱改修
3.エコ住宅設備の設置
4.バリアフリー改修
5.耐震改修
6.家事負担軽減に資する設備の設置
7.リフォーム瑕疵保険への加入
8.インスペクションの実施
9.若者世帯(※5)・子育て世帯(※6)が既存住宅を購入して行う一定規模以上のリフォーム(※7)

※5 若者世帯とは、2018年12月21日(閣議決定日)時点で40歳未満の世帯
※6 子育て世帯とは、2018年12月21日(閣議決定日)時点で18歳未満の子を有する世帯、または申請時点で18歳未満の子を有する世帯
※7 対象住宅の性能・対象工事等の内容に応じてその性能を証明する書類が必要


【出典】次世代住宅エコポイント制度について(国土交通省 )

まとめ

今回ご紹介したように、消費税増税後に家を買う場合、減税や給付金など、国の支援制度が複数あることがお分かりいただけたことでしょう。これらの優遇制度をうまく活用できるように、制度のポイントをしっかり理解し、住宅購入の際にぜひ活用してみてください。なお、本記事でご紹介した制度を利用する際には、各種諸条件があるため、各制度の諸条件をよくお読みください。

ライタープロフィール

高橋 洋子

高橋 洋子
暮らしのジャーナリスト、ファイナンシャルプランナー。

情報誌などの編集を経て、築37年、価値0円と査定された空き家をリノベーションし、安く理想の住まいを手に入れた経験から、お得で快適な暮らしの研究に目覚める。

住宅、暮らし、マネー関連の執筆・講演活動を行い、フジテレビ『報道2001』『ノンストップ!』などの報道番組に出演。

著書は『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)『3万円からの民泊投資術』(WAVE出版)『最新保険業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(秀和システム)。
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